書評:フッ素化学入門2010—基礎と応用の最前線
読んだ本
(独)日本学術振興会・フッ素化学第155委員会 編、フッ素化学入門2010—基礎と応用の最前線、初版第1刷、三共出版、2010、548頁
分野
フッ素化学、有機フッ素化学、無機フッ素化学
対象
フッ素化学の研究を行っている人
評価
難易度:易 ★★★☆☆ 難
文体:易 ★★☆☆☆ 難
内容:悪 ★★★★☆ 良
総合評価:★★★★★
フッ素化学を学ぶならこれ一択
内容紹介
本書は2004年に刊行された「フッ素化学入門」の改訂版にあたり,その後の研究の進歩を取り入れたものです。フッ素ガス,フッ化水素をはじめとするフッ素化剤の取り扱いや,フッ素化合物の合成,性質,応用についてその基礎的内容から応用まで幅広く網羅するフッ素化学の入門書。(引用:★電子書籍★ フッ素化学入門2010—基礎と応用の最前線|三共出版株式会社 (sankyoshuppan.co.jp))
感想
フッ素を研究しているなら必ず1冊手に入れておきたい名著である。第1章が無機フッ素化学基礎、第2章が有機フッ素化学基礎という題目であり、個人的にはこの1, 2章だけで十分元を取れるだけの価値がある。フッ素化学がどちらかといえば応用化学寄りの学問であり、大抵は基礎といっても理論的基礎はおざなりな扱いが目立つ。しかし当書は、理論的な部分も、難しすぎることなくきれいにまとめているので、非常にわかりやすい。
また、第3章からは応用化学的な内容が続き、HF, H2の工業的な話や、フロンガス、材料、原子力、医農薬と、フッ素化学のほぼ全てを網羅している。自分の分野に当てはまるのは精々1, 2章だろうが、それだけでも十分に価値はあると思う。ほかにもフッ素化学についてまとめた書籍は、『フッ素の化合物』などいくつか存在しているが、どれも古すぎる。したがって、フッ素化学を学ぶうえで欠かせない書籍であることは間違いないだろう。
購入
この本も2010年出版と比較的新しいが絶版のようで、現在ではプレミア価格となり、じわじわと値段が上がってきている。元値が3000円程度であったのに対して、今や15000~20000円くらいまであがっている。ただ、三共出版で電子書籍をだしているので、紙媒体にこだわりがなければ電子書籍を買えばいいだろう。ただ私は紙媒体至上主義なので、プレミア価格で購入した。10000円はしたが、プレミアの中では安かった。(かなり迷ったが、迷ってたらさらに値上がりする傾向だったので奮発した)
参考サイト
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