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"人生のメリーゴーランド"

深夜、というかほぼ夜明けの時間、ツイッターで"久石譲 in パリ"がトレンド入りしているのを見てNHKで彼のコンサートが放送されたことを知った。

久石譲は大好きだ。もともとジブリが好きなのだが、その中でも特に好きなのが千と千尋の神隠しとハウルの動く城の音楽で、それらを手掛けたのが彼である。それで彼の音楽はたくさん聴いていた。

こういうときに限ってツイッターは私が欲しい情報を届けてくれなくて(ごめんなさい)、見逃してしまったのがあんまり悔しいので外が白み始めてはいたがYoutubeで彼のコンサートを見始めた。

いちばん好きなのは、ハウルの動く城の"人生のメリーゴーランド"だ。やっぱり、オーケストラとなるとすごい。おもしろいのが、久石譲は基本的に指揮をとっているのだが、この曲のときは自身が弾くピアノで曲が始まりその後も曲中にピアノから指揮台へと移動しながら曲の指揮をとるのだ。

私が見たコンサートではハウルの動く城の中から数曲演奏していたが、それらはほぼ曲間なしで演奏された。

人生のメリーゴーランド。ふと、その意味を考えてみた。メリーゴーランド。まわる。輪廻。追いつけない。ずっとひとりで、たまに誰かとすれ違ったり、一緒に走ったりする。

ハウルとソフィーは、並んで走る時間が多かったのだろう。メリーゴーランドってそれぞれ乗るものは独立しているけど、もともと近い存在ってあるじゃないですか。

この曲は、人生の美しさと、滑稽さと、孤独を目まぐるしく感じさせてくれるから好きなのだ。良いものだけでなく暗いものもあると諭してくれるし、たぶんそれが人生だ。美しさと滑稽さと孤独が目まぐるしく私の目の前を通っていく、もしくは私自身がそこを通っていく人生。

悪くない、しっくりくる。

本当に、彼はどうしてこんな音楽を作ってしまったのかと考えてしまう。もちろん良い意味で。私には、この世の真理のように思えてしまう。生まれたときから孤独で、あれよあれよという間に終わってしまう人生。それが私にとっての"人生のメリーゴーランド"だ。

いつか彼がこの曲を作った真意を聞いてみたい。

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