見出し画像

手を挙げよう✋黙ってはいけない。

グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性が多い理事会は時間がかかる」という女性蔑視発言を行いました。

確かに発言は撤回しましたが、会見ではなぜ批判を受けたのか本質を理解しているとは思えない態度で、ここに私は怒りを覚えています。

また、森会長が妻や娘に怒られた、孫が倒れたと言う発言は、米下院のオカシオ=コルテス議員に対して侮辱発言を行い、妻や娘の存在を言い訳に使ったヨーホー議員を思い出します

JOCもIOCも東京都も、「余人をもって変え難い」森会長の失言は、波風たてず、臭いものにフタと言わんばかりです。どんなに利害調整力に長けている人でも、こんな発言をする人をオモテのトップにしてはいけないです。

なぜこの人でなければおさまらないのか、日本の意思決定や組織の構造上の問題も深く関わっています。

「忘れられた日本人」に出てくる村の寄り合い(日本のカイギ)と夜の無礼講(会食)がセットで機能していた意思決定は今も色濃く残っており、ディスカッションありの会議は森会長を苛立たせています。

さらに女性を入れずにずっと男性だけでやってきても、結局長らく意思決定がうまくいっていない日本の近現代がわかる本はこちらです。

森さんは、やまもといちろう氏も大喜びのやらかし具合なのに、日本の女性は諦めの境地か、現実逃避か、私関係ないとスルーだなと思っていてさらに残念に思っていたら、国内だけど国外から援軍が。こんな記事を読みました。

2月5日の午後以降、各国の駐日大使館やそれに類する機関の公式ツイッターアカウントで

#DontBeSilent  (黙ってはいけない)
#GenderEquality (男女平等)
#男女平等

というハッシュタグをつけたツイートが現れたというニュースです。最初は駐日ドイツ大使館とのこと。

明言こそされていないですが、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の「女性蔑視発言」に対する抗議とみられています。

手を挙げた写真なのは

Raise your hand 🤚で意見を言うことの大切さをジェスチャーで示していると私は考えます。

こんなことはよくあることさ、肩をすくめてやりすごすだけではジェンダーギャップは縮まりません。手を挙げておかしいと意見を言う必要があります。もちろん、ロジカルに。でないとまた感情的とか言われますからね。

今回最初にツイートした駐日ドイツ大使館のレーペル大使は女性です。


ドイツは今首相も女性です。欧州委員会委員長はドイツ政府の元国防相です。ただドイツも元は父系社会です。そして自然に任せてこうなったわけではなく、議論し、コンフリクトも経て、試行錯誤で進んできました。それでも欧州では北欧などと比べてまだ大きいですが、日本は全く勝負になりません。というのも2020年のジェンダー・ギャップ指数順位は153ヵ国中ドイツ10位で日本121位だからです。

Global Gender Gap Report 2020で発表された各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数、日本の総合スコアは0.652、順位は153か国中121位(前回は149か国中110位)となっています。日本も前進はしているが、つまり他国のスピードが早く日本が遅いために前回より順位を落としています。

世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2020」を公表
内閣府男女共同参画局総務課

こちら↓オランダ、ドイツ、フィリピンの3か国の大使館に、自国での男女共同参画への取組をインタビューした記事です。

ドイツはレーペル大使を含めた3名の女性が寄稿されています。決して平坦な道のりではなく、女性が皆で声を上げ続け、理不尽を体験し、試行錯誤し、粘り強く働きかけてきた結果であることがわかります。

各国の男女共同参画の取組−各国大使館より−
内閣府男女共同参画局総務課

イナ・レーペル大使はこう書いておられます。少し長いですが引用します。

外交の現場でも拡大する女性の役割  私が1988年に外務省に入省したとき、同期は男性が51人、女性が9人でした。それでも当時としては女性が多いと言われました。ましてや省の幹部職に就く女性は例外的で、初の女性事務次官が誕生するまでに当時から20年以上の歳月を要しました。当時、外交は男性の領域と見られており、そこで働きたい人は男性のルールに従うことが期待されました。2002年、ある重要なポストに就くための面接で「午後はお子さんを幼稚園に迎えにいかなければ、というようなことはありますか」と尋ねられたことがあります。もしそうであるならこのポストは難しいですよ、というメッセージが言外に込められた質問でした。
このような質問は今では全く考えられなくなりました。外務省は変わりました。先日オンライン形式で開催された大使会議で、女性の大臣室長主催により女性の大使と総領事が参加する女性だけのミーティングが催され、かなりの参加人数となりました。現在、世界中に226あるドイツの在外公館のうち、47公館で女性がトップに立っています。
さらに今年の夏には特別なケースも誕生しています。夫婦で一緒にスロヴェニアに派遣され、大使ポストを二人でシェアしている事例です。外務省にとり、家庭と仕事の両立は重要な課題となっています。それは、同省が優秀な男性・女性にとってこれからも魅力的な職場でありたいと考えているからでもあります。  その背景にはドイツ社会の変化もあります。父親による育児休暇の取得は、今では普通のこととなりました。大抵は母親ほど長くは取得しませんが、それでも前進です。双方の親が少なくとも一定期間、育児休暇を取得した場合に限って休業手当が満額支給されるといった法制度も追い風となりました。       こうした社会の変化は、東京のドイツ大使館でも観察できます。大使館4階に、1952年以降の歴代駐日大使の写真が飾られているコーナーがあるのですが、全員男性の写真です。この状況は、私が離任してはじめて変わることになるでしょう。オフィスに目を向けてみると現状はすでに全く違います。職員の男女比は31対40で女性のほうが多く、男性は少数派となっているのです。

こういったことは気力体力能力、全てが優れたスーパーウーマンだけが出来ることで、それ以外の人は黙り続けないといけないのでしょうか。私はそうは思いません。全ての女性が少しずつ、ちょっぴり勇気を出しておかしいことはおかしいと手を挙げ続けることでようやく社会が変わるのだと思います。

たとえば森会長の事例で、実際手を挙げる方はいるようです。

自分で戦えなくてもこういう方を応援する、支持するという方法もあります。


おかしいな、と思ったとき、場を黙ってやり過ごすことは短期的には安全です。しかし長期では自らの首を締める行為です。相手は同意したと勝手に解釈し、行動に織り込んでいきます。

これだけ価値観が多様化する中、自分の意見がすんなり正しいと採用されることは少ないかもしれません。だからこそ普段からきちんと言葉の力で議論、対話し、問題解決をする訓練をしておかなければならず、そこに男女は全く関係ないです。

英国女王エリザベス1世(1558-1603) のモットー(の1つ) はvideo et taceo /I see and keep silent でした。沈黙を保つことで権力を掌握し続けました。しかしその時代からはもう400年が経過しています。2021年の今、日本の女性は沈黙してはいけないです。

I see and say something の時代なんです。そこには性差は関係ありません。日本の女性は、銀座のクラブママみたいな、「プライドをくすぐり、笑って流す男性のあしらい方」ばかりを洗練させる必要はありません。おかしいことにはロジカルに考えを述べて、会議という名の朝礼、報告、儀礼ではなく議論や対話により問題解決を引き出すような、あるべき会議にどんどん参加すべきです。それが組織の構成員としての立場をわきまえるということです。

私は色々考えて、ここに署名しました。


それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?