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本当は苦くない エスプレッソの飲み方入門

WFH生活もざっくり1ヶ月くらい経ちまして、会社にあるボタン一つで飲めるオートのエスプレッソの苦味がそろそろ恋しくなってきました。不思議なことにラテ(エスプレッソ+泡立てたミルク)にするとミルクで苦味が抑えられる分雑味が際立つという特徴を持っていました。

私はそれでもぶーぶー文句言いながら誰よりもそのコーヒーたくさん(多分1日に3〜5杯くらい欠かさず)飲んでいたので、ワインをしたり顔で語るただのアル中みたいなのに近い人間なのかもしれません。

というわけで、今日はエスプレッソの話をしたいと思います。お店でしか飲めないので、今は楽しめませんが、エスプレッソほど複雑で魅力的なコーヒーはないということを伝えたいです。

エスプレッソとは、イタリア発祥の抽出方法で、コーヒー豆に圧力をかけて瞬時に旨味を抽出するものです。ドリップコーヒーのようにゆっくり透過するものや、フレンチプレスのように浸漬させる抽出方法とは一線を画しています。

ボタン1個で似たようなものが入る自動機もありますが(ネスプレッソもこれです)、美味しいお店ではマニュアル作業で淹れます。ポルタフィルターというハンドルの付いたカップに細引きの豆を詰め、タンパーと呼ばれる重しで豆をならしていき、エスプレッソマシン本体(サイズ的には電子レンジ2つ分くらいの大きさ)にガチャッと取り付けて気圧をかけて一気に抽出します。出てくる量は非常に少なく、日本酒のおちょこ一杯分くらいの量です。

味がとにかく濃ゆいですが、原液(?)のままエスプレッソとして飲んだり、お湯で割ってカフェアメリカーノにしたり、豆の量を倍(本当は倍ではないが)にしてドッピオにしたり、スチームしたミルクをいれてラテにしたり、チョコをいれてカフェモカにしたり、アイスクリームにかけてアフォガードにしたりと色々とエスプレッソを中心にした派生の飲み物もたくさんあったりします。(エスプレッソドリンクとググり画像検索すると本当にいろんな種類の飲み方が出てくるので面白いですよ!)もしかしたら派生の方が普段から飲むという人が多いと思います。

今回はあくまでこの原液、エスプレッソについてです。

エスプレッソはイタリア発祥です。味にはトレンドがあります。昔は苦味と重厚さのバランスが取れたものが主流でしたが、スペシャルティコーヒーの品質向上により、果実感や、フローラルな甘いものがトレンドになってきているように思います。エスプレッソは浅煎りではなく少し深くしたりするみたいですが、味のトレンドとしては本質的にドリップコーヒーのトレンドと同じです。

イタリアではかなり馴染みが深いと聞きますが、日本でエスプレッソをクイッと飲む習慣のある人はあまりいないと思われます。個人的にはもっと増えてほしいなと思っています。

(完全に余談ですが、スペシャルティコーヒーの店に行ってエスプレッソを頼んで、『エスプレッソは、小さいカップにいれる非常に少量の飲み物になりますがよろしいでしょうか?』と聞かれたことがあります笑)

あの苦くて少ない汁を、どう楽しんだらわからないという人がほとんどではないでしょうか。私もその一人だったのですが、超老舗のカフェアンドロースターでエスプレッソを楽しむイベントで飲み方を知ってからどハマりしてしまいました。

エスプレッソを楽しむのに一番いいスタートは、こうしたイベントを開くお店を探すのがいいですが、なかなかそういう出会いもないと思いますので、ざっくりとその時習った方法が自分流に独自に変化したものを書いてみます。

一番大事な最初のステップですが、まず美味しいエスプレッソが出てくるお店を探すことです。そこでエスプレッソを頼むことです。

完全に押し問答ですがこれは本当に大事です。飲めれば何でもいいわけではないんです!!ーちなみにスタバでエスプレッソを飲むと未来への道が完全に閉ざされるのでおすすめができません。他のを飲みましょう。

エスプレッソは、①温度によってだんだん味が変わります。また②砂糖を入れると味が激変します。するのでその2つを楽しむのが良きです。

温度によって味が変わるのはドリップなどの他のコーヒーでも同じです。エスプレッソは最初に甘味と香りがガツンときます。だんだんとおちついて冷めるとすこし香ばしくなります。

砂糖を入れると苦味が一気に引き果実感が前に出てきます。刺激物なので、砂糖でマイルドにすると隠れていた風味が一気に躍り出ると言う寸法です。最初から砂糖を入れてもいいですが、最初はクレマから甘味と香りがガツンとくるので、私は少しぬるくなった後半で砂糖を入れて飲んでいます。

砂糖を入れた後は、まるで凝縮されて苦くなったフルーツジュースを飲んでいるような錯覚に陥ります。飲み干すと溶けきれなかった砂糖が現れるのでそれをスプーンですくってジャリジャリ食べるのが良きです。

(ちなみに習ったやり方だと、この途中にどんな風味がしたかを詳細にメモをしていくみたいですが、私は結構さぼっています。美味しければどんな味がしてもいいというスタンスです。)

エスプレッソの美味しい不味いの違いです

エスプレッソは成分がかなり凝縮されているため、味が本当にピンキリです。美味しいエスプレッソは旨味がギュッと凝縮され、不味いエスプレッソは逆に雑味が凝縮されます。

美味しいエスプレッソはまず見た目がコーヒーでできた泡(クレマ)で白っぽく、黄金ぽく覆われています、泡には旨味が凝縮し、泡でない部分は少しだけビターです。

一方、まずいエスプレッソは、まずクレマが少なく全体が黒です。味はとにかく苦く、飲んだ後も口の中に苦味がしばらく残ります。温度変化による味の変化もなく、砂糖をいれると果実味ではなく、雑味が際立ってきます。

この二種の味の違いは、ざっくり、豆と、レシピ、そして淹れる人によって大きく変わってきます。

味が凝縮されているが故に、レシピや、再現性による味のブレ幅はドリップコーヒーと比較して、多いという論法です。

豆に対して品質管理を徹底的に行ない、何度も練習して体に刷り込まれベストプラクティスを再現するコーヒーのプロが淹れるエスプレッソと、豆にこだわっていないコーヒー店で、コーヒーにこだわりがまったくない店員が入れるエスプレッソとでは味が天と地ほど違うのは、こうした理由があります。

コーヒーを入れる人の中でも、エスプレッソをいれるプロのことを唯一バリスタという肩書で呼びます。ドリップコーヒーを淹れるプロのことはバリスタとは言いません。これだけコーヒーの中でもエスプレッソは格式があると思っています。

まとめエスプレッソの楽しみ方

1. バリスタがいれた美味しいエスプレッソが出てくる
2. そのまま飲んでクレマを楽しむ
3. 少し冷まして飲む
4. 砂糖をいれて飲む
5. 溶けきれなかった砂糖をジャリジャリ食べる
6. 水を飲む
7. おかわりする(おいしかったら)

どこぞの誰が書いたかわからない、ノーエビデンスの主観を展開してしまいましたが、なんとなくエスプレッソってすごいんだなと思って一人でも飲んでみてもらえたら嬉しいです。


そういえばエスプレッソを飲むときはかならず水が一緒に出てきます。前に行ったドイツのロースターアンドカフェでは、エスプレッソに炭酸水が出てきてなんだか新しい感じでした。(ヨーロッパでは炭酸水を水代わりに飲みますが、コーヒーのチェイサーとして炭酸が出てきたのはここだけでした。)コーヒーと炭酸てなかなか渋くてナイスです。

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