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日本で教師しながらオンライン海外留学

わたしは公立高校教員ですが、念願の大学院進学(博士課程)のために、休職をして去年の9月からアメリカのキャンパスで勉強をする予定でした。

それがご存知の通り、新型コロナウィルスの影響でオンラインになり、すでに秋学期(Fall 2020)が終わり、もうすぐ春学期(Spring 2021)も終わろうとしています。(あと残すは、宿題ひとつのみ!)
この2学期間の授業は全てオンライン受講でした。

そこで、出た私の一つの結論。

留学せんでも海外留学できるやん!

もちろん、オンライン授業ですから直接授業を受けるのとは違うこともたくさんあります。しかし、できることもたくさんあるし、学びの質や刺激としては全く申し分ない思いがありました。
しかも仕事しながら学べるなんで、サイコーすぎやろー!!!!!!

働きながら大学院の勉強を続けること

については、大変だろうという意見もあると思いますが、日本でも大学院と教員の二足の草鞋の先生方は結構いたりします。ツイッター上で斎藤ひでみという名前で教員の働き方改革について声を上げている西村裕二先生も大学院へ進学されたとつぶやいておられたのを目にしました。

また、アメリカでも同じように教員をしながら大学院へ通う人はいますし、現地へ留学したとしてもキャンパスでアルバイトをする必要があることを考得ると働きながら学ぶことはそれほど珍しくもありません。

オンラインの学びかた

私の通う大学院ではCanvasというプラットフォームが導入されています。Google Classroomのようなものを考えると近いと思いますが、これを使って授業の連絡、宿題の管理、ディスカッションなどを行います。
それにZoomが加わって授業が行われるようなイメージです。

授業中は講義もありますが、ZOOMのブレイクアウトルーム機能を使って、少人数でのディスカッションあり、授業外に生徒同士で集まってZOOMでディスカッションをあり、宿題も音声メディア共有・提出、プレゼン、作文、フィードバックなど様々です。

強いて言えば、時差があることでの制限はありますが、授業に出れないときは録画したものを後で共有してもらったり、個別のミーティングをするときも早めに予定を設定したり、自分から「私は時差があるからこの日ならOK」と先に打診しておくとみんな配慮してくれます。

また大学の先生方もいまは全てオンラインでのオフィスアワー制度なので事前にしっかりと予約を入れておくと時間をとって質問したりも可能です。

インフォーマルな集いはもちろんできませんが、今は何れにせよ新型コロナウィルスの影響でどこにいてもそれは簡単ではないことです。それでも面白いことに、小さなグループでプロジェクトをしたり、議論をしたりしてお互いをオンラインでも知っていくと親しみが増え、授業がなくても連絡を取ったり、どうでもいい話をWhatsAppで送ってみたりと友達はできるものです。

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先日も、仲良くなったレバノン人の友達が折り紙が大好きという話題になり、こんな写真を送ってきてくれました。
もはや「好き」レベルを越えていますよね。すごすぎて笑えましたが、こんなコミュニケーションも楽しんでいます。

オンラインの大学といえば、University of the Peopleというのもあるようです。私もこれは最近まで知りませんでしたが、オンラインで有名なだがいくの授業が取れたりとかなり優秀なプログラムで驚きました。
興味のある方はぜひ検索してみてください。

また、コロナの影響も後押しして、オンラインで受講できるプログラムは大学院レベルでも増えているように思います。
私の通う大学院でもオンラインで博士課程を受講できるプログラムもあります。もし、ご興味のある方は本気で探してみればその方法は色々あるのではと思いますし、これからは海外のどこからでも同じ質の教育にアクセスすることが選択の一つになる時代になるのだろうと思います。

海外の大学院のメリット

なぜ、わざわざ「海外」の大学に留学する必要があるのかと思われるかもしれません。

<海外大学院進学の3大メリット>
批判的思考、視点が得られる。
世界中のリソースへアクセスできる。
多様な人々と出会うことができる。

最大のメリットはやはり批判的な視点を得ることができるということにつきます。また、様々なリソースにアクセスできるという点でもメリットは大きいです。私の通う大学はオンラインでも世界中の文献にアクセスしたりダウンロードしたりできるようになっています。また、学会へも生徒割引があったりしてありがたいです。
日本の大学院にはいったことがないので、比較はできませんが、多様な背景を持つ人々に自分の問題意識を話すことでまた新たな気づきを得ることができることも魅力の一つです。

そして、それを日本にいながらできているなんて、ワンダホー。

アメリカはワクチン接種率が上がっており、秋にはキャンパスが再開するということでこの夏には渡米を予定していますが、今のこの状況も捨てがたい!と思っています。

これからは、自分の実情に応じて、日本からでも海外の教育にアクセスができる、「オンライン留学」ができるそんな時代になりそうだなと思っています。


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