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生徒のスピーチコンテストで号泣

教師になって初年度から、英語のスピーチコンテストに関わらせてもらえたご縁で、もう10年近くスピーチコンテストに関わらせてもらいました。

初任校では規模が小さく、参加を希望すれば全員がステージで発表する機会があり、特訓次第で入賞もできました。当時はベテランの先生が指導されていてとても勉強になりました。

異動後の学校ではそれまでスピーチコンテストに出場をあまりしていないようでしたが、スピーチコンテストに出るのが当たり前だと思っていた私は普通に色んな生徒に声をかけ、今でも忘れない「高校4年生」に出会います。

そして、もう一つ忘れられないスピーチコンテストがあります。
それは、担任していた生徒たちで2名出場しましたときのことで、今から6、7年前の話です。

2人とも高校三年生なのにも関わらず、秋まで一生懸命練習して地区大会に出場しました。

ちなみに、この年は私自身も全国高等学校教員スピーチコンテストに出場した年でもありました。今から思えば、高校3年生の担任で多忙にも関わらずよく自分もスピーチ大会に出ようと思ったもんだ、と思います。
一緒に出場されていた先生の中に「教員はただでさえ忙しいのに、スピーチコンテストに出場しようと思われた私たちは相当変わっていますよね」とおっしゃていましたが、本当にその通りかもしれません。
ただ、私自身は学生時代にスピーチの経験も全くないまま指導だけをしていたので、自分も挑戦したかったのです。

英語スピーチって実際にやってみると本当に難しいのです。ALTに教えられたようにいうと言うことが本当に難しい。しかも文章はもちろん暗記ですし、なかなか思うようにできません。自分が経験してみて初めて、言われたことをすぐに習得する生徒、上達していく生徒を心から尊敬しました。

そして、その年の地区大会で発表した生徒の発表は素晴らしかった。
指導もして、何度も聞いているスピーチ内容なのにもかかわらず、話のメッセージとも相まって聴きながら感動して号泣していました
終わった後に、みていらっしゃった他校の先生が「すばらしいスピーチでしたね」と声をかけてくださったのも忘れられません。

もう一人の生徒も完璧なスピーチをして優勝しました。感無量。
自分の言葉で自分のこと、考えや経験、価値観を語るこの活動で生徒の英語力が向上するのは間違いありませんが、それだけでなく内面性を見つめたりオープンにすることで人間的にも成長する場面に出会うことがあります。

もしかしたら、それが英語スピーチのいちばんの楽しみかもしれません。

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