日々読み #46
9/11 晴れときどき雨
学び直す機会なのかもしれない。
言葉がけひとつ、ケアひとつ、モノの選び方ひとつ、モノの使い方ひとつ掘り起こすことができることに気がついた。一度ものにした知識や技術だけで戦っていくのはナンセンスだなと思った。
畑の土なんかでもそうだけど、掘り起こして地中の土たちに外気を吸わせないとどんどん土の質が悪くなるというのを聞いたことがある。それと同じで一定期間が過ぎたら、また掘り起こして、土の間に空気を入れるというのをしなきゃならないのだろうなと思った。
新鮮で健全な土じゃなければ、いい作物は育たない。粗悪な土であれば得られる作物もそれなりだ。
どうせやるならいいものを。
9/12 晴れ
訪問看護師で写真家の方の写真を見た。
すごく良かった。訪問ならではの良さが詰まった作品たちは美しかった。
自分がやりたいことを形にしていて、共感と尊敬の気持ちを同時に感じた。
その人はどうやらウェブでコラムを書いたり、医療系雑誌の写真を撮ったりと看護師という枠組みにとらわれない活動をしているようだった。
妻に昨日知った写真家さんの話をした。雑誌を渡すとしばらく見入っているようだった。
試しにInstagramで検索してみると、おそらく本人らしきアカウントがあった。いろいろ迷った末にメッセージを送ることにした。文章はできるかぎり丁寧にメッセージを送った。返事が来るかはわからないし、興味も持たれないかもしれないけれどこちらは受け取ったよというメッセージだけは本人に送りたかった。
9/13 晴れ
今日は事件があった。
今までまったく歩くことに興味がなかった人が日課としてあるくことを生活に取り入れたのだ。
これまでも本人に歩ける力はあったけれど、一度体調を崩してから諦めてしまったようで家の中を車椅子で移動する日々が続いていた。
まだ若いということもあり僕らは何度もポジティブな声がけを行っていたが、本人の意思は固く車椅子から離れることはなかった。
皆、今の機能をなるべく落とさずに過ごすことを目標にして関わっていた。
ある日、突然のことだった。
「朝、100m歩いた。明日も歩くよ。」と。
青天の霹靂とはまさにこのことだった。
かれこれ3〜4年ほど経って、本人の気持ちがパッと変わったのだ。きっかけはわからない。
いつも暖簾に腕押しだなあと思えてしまうケアにも少しは日々、蓄積がしていく何かがあるのかもしれないと思った。
9/14晴れ
昨日の変化について考えていた。
自分に置き換えて考えてみると少し納得できる気がした。
ある日、突然今まで苦手だった食べ物に挑戦したくなる感覚だったり、途中で辞めていた英語の勉強をまた始めてみたりそういうものに近いのかもしれないと思った。
となると行動の後にどういう反応を周りがしてくれたら嬉しくて、つい続けちゃうようになるだろうかと考えた。
自分ごとにして考えてみるとすんなり次の一手が見えたり、気持ちの動きが見えてくる気がする。
9/15 晴れ
訪問の合間にスナックあくしすのPodcastを聞いていた。岡崎智弘さんの回ですごく面白かった。中でも好きなことの話になって、「集中して黙々とやること」が好きと答えていたのが印象的だった。
どうしても好きなことを聞かれると名詞で答えたくなるが、岡崎さんは好きな状態を挙げていて、そんな答え方もあったのかと気付かされた。
名詞を挙げると限定的になりすぎて答えにくいけど状態で答えるというのはすごく答えやすいし、自分の感覚にとてもマッチしていた。
関係ないが、ガリバン印刷というのがあるらしい。
今は使われていないアナログな印刷方法らしいがとても楽しそうだった。メルカリで出品されていて13000円だった。何かに使えないかな。
9/16 晴れ
今日は掃除をしている最中にキセログラフィカに新たな新芽が出てきていることに気がついた。
一度は肥料のあげすぎで葉焼けして葉や成長点まで黒くなってしまった。もうダメかと思ったがなんとか持ち直し、中からは綺麗な新芽が覗いていた。
単に望ましい変化に嬉しいという感情もあったけれど、何よりキセログラフィカが持つ生命力に心を動かされた方が大きかった。
考えてみれば、ぼくがシャッターを押したくなる瞬間や僕が嬉しくなる瞬間には生命力という共通項があるということに気づいた。当然例外はあるだろうけど、案外いい線いっている気がする。
僕はは生命力を感じる時やそれに欠かせないものが好きなのかもしれない。毎日スレッズを上げ続けていて良かった。
9/17 晴れ
どうやらあと数週間で毎日日記を書き続けて1年になるようだ。
あまり何日続けたとかそういうのは気にしていなかったけれど、まとまった期間続けてこられたのは嬉しい。
自分の中で続けようと決めたことをちゃんと続けることができたのは、自分への信頼度みたいなものにすごくいい気がしている。誰かが言っていたけれど、自分が自分との約束をひとつひとつ守っていくことは自分が自分を信じるために必要なことなんだという言葉もある。
1年続けられたのだから、この先も、他のことも続けていけるのかもしれない。
やめないでいること、継続していくことこそが何かを成し遂げるには重要なんだと思う。
これからの数週間も続けていこう。
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