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日々読み #43

8/21 晴れ

熱が下がらない。
ロキソプロフェンも飲んでいるが、あまり効果なし。
カロナールも合間に500mgずつ内服してなんとか、寝ていられる。
基本的には熱が高くて苦しい。背中がビキビキと凝っている。節々も痛みも熱の乱高下に合わせて、増減するのが、本当にきつい。しつこい痰の絡んだ咳も出始め、体が軋むような感覚に襲われる。
少しずつ喉の痛みが出てきていた感じではあったが、しんどさが優っていたのかあまり気にしていなかった。夕方になってくるにしたがって、熱よりも喉の痛みが増してきた。
喉風邪のちくちく痛いなんてものではなく、ただれのような痛みだ。もはやカミソリを喉につっこまれている感覚だ。
菊池成良が言ってたのはこれだったのか。
痛み止めも効かないし、辛い以外の言葉がなかった。
夜中も何度も起き、眠りは最悪だった。


8/22晴れ

夜に喉痛で何度も起きたけれど、騙し騙し寝ていたが限界が来た。
はちみつや白湯などを飲むと一瞬はいいけれど、すぐに痛みが襲ってくる。
絶望感と共に、誰もいないリビングでアニメをみて過ごした。起きてると少し楽だ。
喉の痛みだけでこんなにも人は消耗するものなのだなあと思った。この苦痛は学びになっている気がする。
忘れないようにしたい。


8/23 晴れ

今日もしんどい。喉の痛みは相変わらずキレキレで衰えを知らない。体は動くようになったが、熱と怠さは残っていて、煮え切らない。
溜め息ばかりついてしまう。
今日も妻は身の回りのことをしてくれた。
感謝しかない。
こういうことはちゃんと書いておいて、いつか妻への感謝が薄れそうな時にみて思い出そう。
そして未来の自分はこれを読んだら妻が喜びそうなものを渡そうと、思って欲しい。
未来の自分、頼んだよ。


8/24 晴れ

今日は喉が急に楽になってきた気がする。
唾を飲んだり、あくびをしたりすると激痛は走るが、そこまで苦しさが改善してきた。疲れやすさはあるけれど、発熱も落ち着いてきた。
鼻水はしつこくて、匂いと味は全くわからない。
早く感覚が帰ってきてほしい。


8/25 晴れ

久々に外にでた。日差しってこんなに強かったかな。
ずっと家で安静にしていたから、足の筋肉が落ちた。人は足を使わないとすぐ歩けなくなることを理論的には知っていたけれど、自分の体を通じて再確認する。

コロナのせいで味覚と嗅覚が落ちている。大まかな味だけはわかるが風味は全く感じられない。お腹は空くし、食べられるが楽しくない。食事は感覚の機微がとても大切なことに今更ながら気づく。
高齢の方や味覚障害がある人たちが「食べたいけど食べたい気持ちが起こらない」と言っていたことを思い出す。どうしたら食べたくなるのだろう。考えたい。

コロナになってからというもの知識に体験が肉付けされていく感覚があった。

もちろん知識は大事だが所詮知識だ。数値的な記号的なものだ。体験がなければそれは真に共感できないもの。
僕はこの苦しさをしっかり味わい尽くさなければならない気がした。味わい尽くした先に見えてくるものがある気がする。


8/26 晴れときどき雨

今日も妻と内見に行った。
若干予算オーバーだったがもう少し頑張れば買えそう。
海から近くて、お庭があってとても魅力的だった。
とても魅力な家だったけれど同じくらい目をつぶらなきゃいけないところや信じなきゃいけないところもあって悩んでいた。
あと2件ほど候補があるとのことで次の物件に向かう。
次に案内されたところも築浅で綺麗だった。けれど土地の小ささから来る閉塞感が強くて、住むには厳しかった。

しっくり来ない。
次が最後の物件ということもあって、気が重かった。
足早に内見を済ませて、次の物件に向かった。

大きな山の裾野にある一軒家についた。
到着してまず感じたのは息苦しさを感じない広さだった。リノベーションしていることもあってすごく綺麗だったし、何より立地が良かった。今までのどの物件も自然はあったけれどここまでの密度ではなかった。
僕は自然との距離感が近いところでの方が落ち着くようだ。
少し気になることはあったけれど、それよりも感性が合う気がした。山の麓で静かに佇むその家が気に入った。


8/27 晴れ

昨日の出会いから一夜明けた。
妻は「わくわくしてよく眠れなかった」と眠い目を擦りながら言っていた。
妻も相当気に入っているようで、嬉しかった。
まだ見つけただけで購入はしていないから喜ぶのは早いけれど、ほくほくな気持ちは僕も変わりなかった。
 
今日は髪を切りに行った。
お店に着くと友人が先に切ってもらっていた。予定を合わせたわけではないのに、世間は狭い。
この地で出会った友達は皆、馴染みの店を共有している。だから少しの間会っていない人の情報も自然に入ってくる。都会と田舎の間みたいな感覚はこの街の魅力の一つなのかもしれない。

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