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皮肉だな、と思ったこと。

YouTubeを垂れ流ししながら、家事をしたり踊ったり、風呂に入る日々が続いている。

おかげさまで子どもたちは、80年代90年代ポップにハマっている。
娘は電気グルーヴを聴きながら、好きな男の子のためにチョコ作っていたし、息子に至っては

「キスキスは〜?」

などと、シャングリラを所望している。

つまり、

どうかしているのである。


正直言って我が家の音楽教育はあまり良いものでは無い。間違いなく趣味が偏りすぎているし、あと妙に古い。
少なくとも、クラシックから雅楽、アフリカンミュージックにロック、キングオブポップ、などなど幅広く触れさせるべきだと思うのだが、気がつけば夫は90年代アニソンしか流さないし、その妻はもっと偏っていて、宇多田ヒカルに宇多田ヒカル、いまはやたらとフライデーチャイナタウンを流しまくる、電気グルーヴシャングリラサカナクションおばさんなのだ。
うーん、宝島が耳に残るぜ。

そんな、得体の知れないミュージックライフを送っているのだが、突如YouTube君が洋楽を薦めてくるので驚いた。

というのも、私も別に邦楽好きってわけでもなくてですね、ジャミロクワイとか大好きですし、スティングも好きなんすよ。
まあスティングはぶっちゃけ2曲しか知らないんだけど、かつては図書館でアルバム借りて聴いて、シェイプオブマイハート以外は刺さらんなぁと思って、そっと返却した記憶がある。

そりゃ、宇多田ヒカルさんもこのリフ使って1曲作るよね。つーかこの映画で丸々1曲作ったよね。
なんならレオン見るよりも、この曲の方がレオンすぎまして、映画を見るよりも映画の生々しさが伝わるという、強烈すぎる曲である。

そんなわけで、切なさは得意なんだよね?とYouTube君が勧めてきたので聞いてみたのが、こちら。

懐い!!

私の中では圧倒的懐さなのだ。
なぜならばある人を思い出しながらずっと、かなりの間、車を運転しながら聞いていたから。

圧倒的に夜というか、夜明けてきな雰囲気。
かなりムーディーなイントロから始まる。
そのコード進行がめちゃくちゃ有名な事も知らなかったが、何よりこの曲がハッピーなラブソングだと言うことも知らなかった。
私はずっと勘違いしていたのだ。
これは悲しい恋の終わりの歌だと。

決してハッピーヒッピーな雰囲気の曲では無い。
優しいしっとりとしたラブソングだが、こんなにロマンチックなことを歌っているとは知らなかった。
よくよく歌詞を見ると、中学生英語レベルでも分かる大人な歌なので、自分の無学を恥じた。
まあリスニングはてんでダメなんで仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。

悲しい恋の歌だけど、その終わりにはささやかな希望の光が見えるよね的な歌だと

勝手に

思い込み、つい最近まで生きていたけど、全然そうじゃなくて驚いている。
私の恋とは全く正反対なことを歌っていて、でも私が思い出すのはいつもあの人で、そのギャップに、泣いた(泣かんけど)。

こんなことってあるんだなーとつくづく思うわけですよ。
夜に、ちょっとアクセル踏んで流れる光を見て、じゃっすたっとぅーおばっと口ずさみながら、あの時の悲しい思い出を振り返るのは最高にエモい行為、だったのですが、それにしたって歌詞が真逆すぎるんですよ。
それこそ宇多田ヒカルのファーストラブ聴きながら魔女の条件思い出すんじゃなくて、GTO思い出す的な。松嶋菜々子しか合ってないよね的な。(もうごちゃつくんでリンク貼りませんすんません)

あんなにも愛されていない恋愛はなかったと、大人になって振り返って思う。
結構最悪な思い出なんですが、音楽はいい。

手に入らない恋をし続けるとは、思った以上にしんどいものだ。
それもひとめぼれだったからタチが悪い。
ひとめぼれは米以外で摂取してはいけない。
私は涙をたっぷり流して学んだ。

何が最悪か、というとですね。
愛されていないことが分かったから、でもあったし、お互いの立場的に周りに話せなかったのも大きかった。とにかく不倫でもなんでもないのに(不倫したことないけど)常に後ろめたく後味が悪かった。

当時、私には 他に好きな人がいたからってのが要因な気がしますが、あそこまで後ろめたかったのって、きっと誰にも言えなかったからなんでしょうね。
半分叶いかけた恋は、ものすごく信じられないほど幸せに感じましたが、誰にも言えないし、彼は時々乱暴だし、最終的に、それはとんでもない奴だぞと、唯一相談できた人に言われました。
まあ薄々わかってたけどさ。
絶対幸せになれないと、見つめられた時に直感したから。

その後、あらたに付き合った彼氏とよろしくやっていたころにも連絡が来た。
君なしでは、僕は退屈な日々だ。
どうかもう一度会わないか会えないか、と。

そのメールが来たのは、大学の仲間との飲み会の真っ最中で、1番盛り上がっている時に連絡が入り、真っ青になったのを覚えている。
いやー、ストーカーになってたらどうしようかとマジで会いたくなくて震えました。
会いたくて震えるより、会いたくて震えている人のが絶対多いと思いましたね私は。

それでもね、好きだった感情はまだハッキリと覚えています。
本人に会いたいとは一切思わないので、今もあの人の居住地は避けて暮らしています。
うっかりすれ違う、なんて事がないように。
もっとも彼は新しい女の子に夢中で、私のことなんぞすっかり忘れてるかもですが。

彼から言われた言葉は、残酷で妙でした。
付き合うことはできない。
でももし君が結婚する事があれば、最後に僕に会いに来て欲しいと。

うーん、なんだか今聞くと想像を絶する最悪さですよね。
あえて語彙力なく表現してますが、とにかく終わってる人なんですよ。でも恋愛初心者には分からないし分かるわけないし、どうしようもなかったなと振り返る。

あーあ、いい曲が台無しな訳なんですが、それでも何故かこの曲で思いだすのは彼なのです。
2人では何もなし得なかったけど、音楽だけは美しくあってほしいと、つい考えてしまう。


あなたのおかげで、こちらから追ってく恋愛はコスパ悪いと学びましたし、投資としても勝率と言いますかリターンと言いますか、なんならパチ屋みたいなモンで、色々効率悪いよねと学びました。

とりあえず恋愛は、好いてくる人にアタックした方が、無駄がない派に成長し、夫と2児を抱えて生きています。


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