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もうクリスマスは終わっている

メリークリスマス、ミスタローレンス!
ビートたけしの屈託ない狂気の入り混じった笑顔にふさわしい朝を迎えた。
とにかくそんな朝なのだ。
寒波でビュービュー風が吹く寒空の中、取り込み忘れた洗濯物を見ながら、ああ冬だな、とぼんやり思うこのズレっぷり。
そしてその洗濯物は昼前に取り込む。
うん、朝は寒いからね。あんまり外に出たくないから。

しっかし寒波は寒い。本当寒い。
調理のために換気扇回すだけで冷気がガンガンに入って寒い。
結局昼間も外にでる勇気と元気がなくて、あったかいお部屋でぬくぬく。で、出て行くのは夕方。明日の朝の食べるものを買っておかないとね。

スーパーにはまだクリスマスの残り香みたいなものがして、ところどころにクリスマスの遺産が半額だったり定価だったりしながら置いてある。
またスポンジケーキをかって、生クリーム塗りたくってケーキ作って食べるのも悪くないよな、と正直思いながら、特売のパンを握りしめさっさと帰宅。
そうだ!と途中息子の手袋を買わねばと思い出し、別の店へ。その手袋が売ってそうな店の店員に尋ねると
「それはやってません」
と、言われた。
ヤッテナイってなんだろうと思いながら別の品を買い、混雑極まりないレジに並ぶ。

そんなこんなで夕方から5時40分に帰宅し、笑点を観る。三平さんが最後という噂を先週知って、大慌てで帰ってきたのだ(10分すぎてるけど)
相変わらず三平さんは三平さんのままで、でも、ひどく痩せていて、もうあの日から5年も経ってると知り、驚いてしまった。

メリークリスマス、ミスタローレンス!!
ウチにはサンタさんがちゃんときたけど、大人には来なかった。はっ!と気がついてしまった。
もうクリスマスは終わったのだ。
夫へのクリスマスプレゼントは無しになり、私ももちろんなくて、さらに互いに誕生日すら何もない事に気がついた。
結婚記念日に一番最初に気がついたのは私の母で、我々夫婦は忘れていた。いや厳密に言えば夫は覚えていたらしい。でも私は忘れていた。
何もかも、忘れる。
重要でないことは、なにもかもだ。

メリークリスマス、ミスタローレンス。
ずっと昔にこの曲を、必死で夏休みの間練習した。美しく複雑な音を合わせ、不協和音が混ざるにもかかわらず苦味となって深みを増す音色は、弾いていていつも不思議だった。
ピアノの先生ですらも不思議がっていて、でもこの曲にはあの音しかなくて、坂本龍一はすごい人だと知る。

この曲を弾くために、戦場のメリークリスマスの映画を借りようと、レンタルビデオ屋に行った。そして借りたのは戦場のピアニストという非常に重く良い映画で、見終わるまでそれに気づかず、何故坂本龍一でてこないん?曲も違うぞ。と思っていた私は何かが狂っていた。

メリークリスマス、ミスタローレンス。
そしてさよならメリークリスマス。
サヨナラ、イツカ。


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