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ガバナンスカバなんすバカナイス?

先に断っておくが、ムーミンの事を書いているわけではない。
ムーミンの悪口を言いたいわけでもない。
ムーミンがカバと間違えられて動物園に連れられるというサイコな回もあったけど、ムーミンは妖精である。
ムーミンは妖精のくせに、盛大に山火事を起こしたりするが、決して悪気があるわけじゃない。多分、だけど。

かつて、ムーミン好きの友人がいた
ムーミンブームが終わると彼女はBLにどハマりした。
振り幅が激しすぎて引いたが、彼女の体型はムーミンにそっくりだったので、そういうことかと思った。
彼女はコナンくんも大好きで、あのお話に出てくるお薬をつくりたいって、熱望していたっけ。

彼女は、有名大学を卒業した後、ガバナンスがガバガバで、コンプライアンスだけはギッチギチに守る会社に就職した。
彼女はその両親に似て、手堅いキャリアを手にしている。私はそのことに驚いた。
彼女、本当は医者になりたくて、解剖と人体実験がしてみたいと、ずっと熱望していたから。
きっと何か犯罪を犯すだろう、私はそう思っていた。


ねぇ、ムーミン。
あなたが妖精って本当なの?
わたしだって子どもの頃は、あなたのことが好きだった。カバなんて思ってもみなかった。
だけど毒舌でおばあちゃんみたいな声のミーは嫌いだったし(嫌いというより怖いに近い)気がつけばニョロニョロは角栓にしか見えない年齢になった。
スナフキンはフーテンの寅さんに見えなくもないし、なんとなくムーミン自体も横暴に見えることがある。

ああ、ムーミンよ。
あなたは薄汚れた大人には、カバにしか見えないのか。

ああ、いとしの白いカバよ。
もう一度、あなたが妖精に見えたあの頃に返してほしい。
いいだろうといってあなたは大きな口を開けた。
ああ噛み砕かれる。
その直前で目は覚めた。

確実にカバだった。
生々しい動物園の匂い。
強いあの子はいつだってカバ。
強いあの子はいつだってカバ。
強いあの子はいつだってカバ。
強いあの子はいつだって……

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