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「世界の絶景」          6.島 その4. イースター島(チリ)


1モアイ像の島

 南米チリから3,800Km、タヒチから4,000Km、南太平洋にぽっかり浮かぶ「絶海の孤島」イースター島。
 人口は3,800人。面積は佐渡島のおよそ1/3。市場もひとつ、教会もひとつのこの小さな島を、住民は「大いなる大地」という意味をこめて「ラパ・ヌイ」と呼ぶ。
 オランダの提督ヤコブ・ロッグフェーンが西洋人として始めてこの島を発見したのが1722年の復活祭「イースター」の日だったことから英語でイースター島と名づけられた。
 この島を有名にしたのは言うまでもなくモアイ像だ。島には小は1m強から大は22mまで、約900体ものモアイ像があるそうだ。島民の主な収入源はモアイを売り物にした観光だという。
 だから上陸するまでは、モアイ以外は見るべきものは何もない不毛の地だと思っていたのだが、実際にみたイースター島は、紺碧の海と、渦巻く波、砕け散る波の輝くような白との見事なコントラストを描くオロンゴ岬や、青空と白い雲を映し湿原のようにも見えるラノ・カウ火山のカルデラ湖、野生の馬が遊ぶ広大な平野、緑一杯のユーカリの林など、手付かずの自然に満ちあふれて期待以上の美しさを持っていた。

紺碧の海に渦巻く白い波
ラノ・カウ火山のカルデラ湖  
野生の馬

2.ラノ・ララク

 アフ・トンガリキの15体のモアイ像が見つめる方向に「ラノ・ララク」という古い火山があった。全てのモアイはこの岩山から切り出されたという。 
 ここには岩から切り出す途中のモアイや、完成したまま放置され、半身埋まったままのモアイが多数残っていた。

モアイ像の製造所

 ラノ・ララク山の上から海のほうみるとアフ・トンガリキの15体のモアイが海を背にして並んでいる感動的な風景が見えた。

アフ・トンガリキのモアイ像

 「正座するモアイ像」もあった。
 正座する習慣というのは世界でもめずらしい。日本文化の多くは朝鮮半島から伝わったものだとされるが、例えば韓国に正座の習慣はなく近隣アジアでも見かけることはない。このことから、「日本とラパヌイの祖先は同じ」という説もあるそうだ。

正座するモアイ像

3.アナケナビーチ

 島の最北端に「アナケナビーチ」というイースター島唯一の白砂のビーチがあった。白砂の入り江とココヤシの林と7体のモアイ像。まるで絵に描いたように配置されていた。ここにある帽子をかぶったモアイの後ろ姿をよく見ると「ふんどし」をつけていた。
 日本から1万キロ以上も離れた南海の孤島で「正座」や「ふんどし」のモアイ像が見られたのは、やはり何かの縁があるのだろうか。

「ふんどし」をつけたモアイ像

 

 

 


 

 

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