見出し画像

1DX3ユーザーによる EOSR3評価vol.2(ソフト設計/バッテリー編)

前回のVol.1投稿から3か月近く合ってしまったが、やっと重い腰を上げてVol.2を書こうと思った。今ここを書いているのは04.29の朝7時である。
過去の内容をご確認頂いてない方は以下参照。

vol.1(外装編)
vol.2(ソフト設計/バッテリー編)
vol.3(撮影性能編)
vol.4・・・?


前書き

今回は操作/設定メニュー編といった内容だが、前回のVol.1で操作(物理)はだいぶ書いて締まったので、実質的にソフトウェア的な意味で書いていこうと思います。
Vol.3から作例を混ぜて実際にこのR3ならではな所を書こうと作例を貯めています。
(先に言うと、2400万画素ってのは嘘で4000-5000万画素ぐらいあるんじゃないかと思える位何故かめっちゃ綺麗です。


さて、ここから今回のVol.2始めます。

メニューについて

R3になって1Dからまた少しだけメニューが変わった。
大きな点は1DX3にもアップデートで実装されたが、一部のメニューがカテゴリー変更された。

例:クイックメニューカスタマイズ

EOS R3の画面
1DXMk3の画面

同じ名前のまま、カテゴリーが変更された。
そして、同じ名前をしているが実際に編集される「クイック設定」も異なる。
1DXⅢの場合はこちらの画面をカスタマイズ可能であり

1DXⅢのクイックメニュー

R3の場合はこちらのカスタマイズを指している。

R3のクイックメニュー

ミラーレスになり、使用法が変わった為の改変だろうか。
R3にも、1DX3と同じデザインのクイックメニュー画面は存在するがこちらは編集ができない。もちろん、逆も然りで1DXはR3と同じ画面の編集ができない。

R3のクイックメニュー(旧)

この画面を編集できないのはR3だけでなくR5やR6も同様であり、むしろR5やR6にはなかったクイックメニューの編集機能がR3になって違う形で帰ってきたと言える。
ちなみに、5DⅣは1DX同様のクイックメニューの編集ができた。
R5はその点切り落とされてしまっている。

私は、1DXⅢや5DⅣにあったクイックメニュー(旧)にストロボの調整、時間や色調整等を設定していた。
これらは撮影の際に変更もしくは事故防止で確認する項目であり、あってたり前の存在であったためR3の仕様変更は素直に困っている。
特に、外部ストロボの設定は必須だったため、現在はカスタムボタンに割り振りをしている。

私の1DXⅢクイックメニュー

その他、メニューの改変が入ってる物がある。
クイックメニューから設定しようとした時だけ表示される物だ。

クイックメニューから入ったときの表示
標準メニューから入った場合
メニューの場所

クイックメニューから表示した場合、振り分けだけでなく表示カードも同時に選択できる。が、通常のメニューから入った場合は上記の写真の様に記録と表示は別だ。
ついでに言うと、表示カードの設定は別ページにあるため、マイメニューに入れるか、クイックメニューから入らないと手間が掛る。

CanonのWebページもそうだが、新機能や新デザインは確かに良い。
しかし、それらはあくまで新規/所定の方法から入ったとき限定でしか閲覧できず、"従来の方法や設定から見ると更新されていない"といったことが多々ある。
表示が変わるとわかりずらいと言った時代に付いてこれない人もいるだろう。だが、こっちの方が良いと思い開発したのであれば勇気と自信を持って一気に変えて欲しいと私は思う。もしくはこのクラスのカメラ限定でもいいのでファームで選択できるようにするぐらいの融通を利かせて欲しいと思う。

メニューまとめ

その他、メニューのカテゴリー変更やデザインの変更は上に挙げただけでなく目に入るだけで実は数件はある。

そもそも、仕事に慣れない道具を使うなという話は置いておいて、
1DXと全く同じ使い方、感覚でいきなり仕事で使うと必ず戸惑うシーンが出てきてしまうと思う。
その為、併用するのであれば仕事で使う可能性がある機能は全て「マイメニュー」に設定したうえで使う事を強くお勧めする。

ファインダーの変更

分かり切ったことだが、R3はミラーレスだ。
1DXⅢはフラグシップのレフ機。
多くのレフ機ユーザーは「ファインダーどうなの??」って心配していると思う。
AFについては少なくともCanonのミラーレスは心配されてる印象がない。
事実、AFは100%全てにおいて良くなった言っても過言ではないと思う。

では件のファインダーだ。

眼鏡ユーザー評価

まず、R3は「視線入力」がデジタルで初めて搭載されたカメラでありであり、よく「眼鏡ユーザーには」と言う心配を聞く。

視線入力について述べる前に、1つ先に絶対忘れてはならない事がある。
Canonのミラーレスは眼鏡ユーザーに優しいという点だ。
ミラーレスのファインダーはEVF故に、表示範囲を変更できる。
眼鏡ユーザーはあえてEVFの表示範囲を小さくすることで、「ファインダーの端まで見えない」といった現象を解消することができるのだ。

全画面で表示するか、縮小表示するか選べる


まず、両視力0.2以下乱視、左右遠近別のガチャ目の眼鏡ユーザーに3度キャリブレーションをしてもらい試した。
結果としては、「画面隅っこ」は精度が落ちるが、中心部についてはキャリブレーションを重ねることで良好に視線AFは使える。
といった結果だった。

この隅っこというのも、少なくとも本人談曰、貸した1DXⅢのファインダーAF範囲内よりかは広い気がするとの事だった。

私自身も眼鏡ユーザーだが、少し不便なのは「眼鏡をアイキャップに押し付けた方が安定する」という点だ。裸眼勢からしたら当たり前だが、眼鏡ユーザーからすれば、眼鏡は何にも触れさせたくない。汚れるからだ。
本当に視線AF含めしっかり使いたいのであれば、コンタクトが良いのは相変わらずだ。

また今回、斜視矯正用など、特殊眼鏡ユーザーの知り合いが居なかったため、そちらは評価がで来ていない。

フレームレートについて

次に、EVFで心配されるのが「ブレる」ことだろう。
R3は120fps(正確には119.88)まで対応している。

一見少し話が逸れる。
FPS等瞬発性が求められるゲーム分野でもEVFの様にモニターのリフレッシュレートは問われる。
一般的なテレビが30fpsであり、PC用モニターが60fps、ゲーム用となると120‐240fpsが販売されており、近年360fpsが出てきたところだ。

私はゲーム用で240fpsのモニターを使用しているが、これをシステム的に120fpsに制限したところでそこまで大きな違いは分からない。
60fpsは顕著に違いが分かるが、120と240の違いは正直殆ど分からない。
20代前半の目の感想となる。

話を戻すと、上記の理由から実際に経験したうえで私としては120fpsあれば十分というのが素直な感想だ。
車や野鳥の飛翔(1200㎜クラスで画面半分サイズ)であれば問題を感じない。
ゴルフボールや弾丸といった超速で飛翔する物を撮影したい人は、1DX3をお勧めする。それらをフレーミングできる人が存在するなら、だが。


見え方の違いについて

OVFはリアルな光だが、EVFはモニター越し故か
・霞んで見える
・色が違う
・明暗が分かりずらい
という方もいるだろう。
そんな方にはR3から「OVF ビューアシスト」という機能が実装されている。

アシスト無し
アシスト有り

上記の写真は公式ページから持ってきたが若干分かりにくいだろう。
簡単に言うと、「現在人間の目で見たときと同じ明るさ、色に合わせて表示するよ」といった機能だ。

なぜこのような機能があるのか、レフ機しか触ってこなかったユーザーの多くは知らないだろう。
ミラーレスで見える世界は一般に表示シュミレーションと言って露出はもちろん、色温度等も表示された後の「写真として出る写り」を常に表示してくれるのが多い。
それらは本来、目で見る世界とは大きく異なることもある。

その為、レフユーザー向けに作られたのが本機能である。
もちろん、人間の目で見た世界を再現している為、前述の「表示シュミレーション」とは併用不可だ。

露出の勉強したいし、レフの様な世界が良い!って人は是非Canonが態々実装したこのOVFビューアシストを試してみると良い。
ただですらファインダーに拘りを持っており、さらには世界No1シェアのフラグシップカメラを作ってる会社が作るシュミレーションである。
信頼するだけの材料は揃っていると思う。

ただ、ミラーレスならではの良さも否定しないで欲しい。
是非表示シュミレーションも試してほしい。
便利過ぎて恐らく手放せなくなる。
ただし、露出に対する勘は鈍るし身に付かなくなるのでその点は覚悟が必要だ。

再生機能の進化

今回のR3は30コマ/sで撮影ができる。
楽しくトリガーハッピーした後に写真の確認は地獄絵図は間違いなしだ。
今回のR3はそれら地獄絵図を解消する機能が盛りだくさんとなっている。

一括削除の追加

連射で撮影したものは、削除する際に「連射撮影したものを一括で削除」という選択しが追加された。1DXⅢだと連射した物が全てゴミだった場合、1つずつ削除する必要があったが、今回から欲しい物だけレート保護しそれ以外を一括削除することが可能となった。

連射撮影時、先頭表示の追加

先ほど、連続で撮影した物を一括削除できると述べたが、それらの先頭1枚だけを表示することも可能となった。

具体例を出すと、1秒ずつ計5回撮影したとすると、写真は全部で150枚にもなる。前回連射したシーンを見るためには30枚も戻らなければならない所だが、R3は「シーン送り」という機能で3枚に圧縮して確認ができるのである。(めちゃくちゃ便利)

バッテリーについて

ミラーレスは一般にレフ機の半分も電池が持たないと言われる。
安心してほしい。R3は「かなりバッテリー持ちは良い」と言える。

公表されている1本のバッテリーで撮影可能数についてみていこう。
R3はファインダー表示で620枚、モニターで860枚となっており、
1DXⅢはファインダーで2850枚、モニターで610枚だ。
実に4倍以上も差がある。
1DXⅢのバッテリー持ちは確かに化け物じみているが、それに慣れた人からすると620枚は不安しか感じないだろう。
(D6とかいう魔物は置いておいて)

問題はこの公表値はCIPA規格だ。
内容は以下画像参照。

CIPAの電池寿命測定法

魔物と称したNikonD6があるが、
CIPA規格で測定した場合、3580コマである。
一方連続撮影モードでNikonが設定する撮影法で撮影した場合は8670コマとなる。

D6のバッテリー情報

Nikonの測定法は開示されていないため不明だが、恐らく実用的な使用法だろう。その結果、バッテリー持ちは2.5倍弱まで伸びている。
ここからCanonの実際のバッテリー持ちを想定した場合、R3で1501枚1DXⅢで6902枚となる。

今回実用的ではなかったため表示しなかったが、NikonのミラーレスフラグシップのZ9についてはCIPA規格で700コマ
Nikon基準だと5310コマとなる。
実に7.5倍の差。どーゆ―ことだってばよ。
(もしかして、Nikonちゃん秒120コマで算出した?)

660GBのカード1本丸々一杯になるまでISO100に設定したR3でシャッターを切り続けた結果、減った電池量は3%だった。
1日に1501枚バッテリー交換不可能な状態で撮るユーザーがどれだけいるか不明だが、これらの状況から考えるにR3のバッテリー持ちは「問題ない範囲」であると全然言えると思う。
もちろん、1DXⅢと比べれば消費量は早い為いつも消費する量より1.5倍ぐらいは多く持って行った方が良い。

余談だが、R5はCIPA基準で220枚となっており、R3の半分以下となっている。(Nikon方式で考えると550枚弱)
R5は確かにバッテリーの減りが早いと言われるが、R3は2.5倍弱は最低でも持つはずなのでプロといえど9割以上のR3ユーザーからすれば実用範囲だと思う。

ちなみにだが、R3もType-Cソケットから給電/充電が可能だ。
三脚立てて撮影する場合はTypeCに繋いでおくことで「給電撮影」をすることでバッテリーは一切消費しなくなる(バッテリーは指してないと起動しないが)
もちろん、充電も可能なので楽な撮影や軽い旅行程度であれば充電器を持っていく必要は無くなった。この進化はとてもでかい。(充電器がデカいのでね)

最後に

とりあえず、実際にR3を買うに当たってみんなが気にしそうなR3についてまとめてみたがどうだろうか。
今回はだいぶ内容がモリモリとなってしまったが、果たして全文読んだユーザーは何人いるのだろうか。

Noteはコメント機能があるため、もしこれについてまとめて欲しいとか
「実際どうなの?」とか書いてない事であれば是非送ってほしい。

この後、元気が続く限り実際の写り、AF性能等を書いてきます。
Vol.3がいつまでも出なかったら、たぶん忘れてるのでDM下さい。

ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?