最愛の貴方へ

 拝啓 〇〇君へ
 この手紙を読んでいるということは、私はもう向こう側に行っているのかな?
 私がいなくなって、生活が大変だろうけど早くいい子を見つけて早く幸せになりなさい。なんて格好のいいこと私は言えないけれど、大好きな君には幸せになって欲しいと思ってるのだけど…君はいつも、無茶ばかりするから凄く心配なんだよ?
 でも、私はもう君と会えないから新しく何かをしようっていう時は、この手紙のことを思い出してね。
 こんな事を書いているけどさ、私は本当に死んじゃうのかな?と思ってしまって実感が湧かないや…確かに体調は悪いし、出来ていたことも出来なくなってきているし…それでもやっぱり死じゃうっていうことが良く分からないんだ。
 じいじにばあば、それから父さんも母さんもみんな健康に生活してるからさ今まで、身近な存在が亡くなるっていうことがなかったからかな?
 きっとさ、私が死んでいなくなったらみんな私のことなんか、直ぐに思い出せなくなるからそう遠くないうちに、いつも通りの生活に戻るのだろうけれど、それがちょっぴり怖い。
 だから君だけはどうか、私のことたまにで良いから思い出しいなって思うの。誰か一人でも思い出してくれる人がいたると思えたらすこしだけ私の気持ちが楽になれるから…

 ねえ、〇〇君。夜に二人で家を抜け出して星を見に行ったことあるの覚えてる?あの時、二人があってそれから空を見上げたら流星群が降っててすごく綺麗だったよね。
 私が死んだらあの星たちの一つになってまた、君に会いにくからあまり寂しがらないでいいよ。
 七夕の年に一度だけ、恋仲の人同士が逢えるっていう御伽噺おとぎはなしがあるくらいだからきっと逢えるよね。
 だからじゃあね、は言わないでよ?また逢おうね〇〇。
                                敬具

追伸
 あんなこと書いておいて変だけれど、最後にこれだけは書かせてね。
 向こうに行っても貴方のことをずっと愛しています。


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