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家を買った話(前編)

最近家を買った。

家といっても中古マンション。しかも築30年。
一般的に言って無難な選択肢ではない。
それでもその決断に至るまでは、我が家なりの悲喜こもごもがあった。
せっかくだしそんな思い出を残したくて、今キーボードを叩いている。

お茶でも飲んでゆるりと読んでもらえたらと思う。

家を買いたいパートナー、買いたくない私

私は一生賃貸派だった。
私はちょっとだけ昇進し、年収でいけば家は普通に買えた。会社のお友達のおじさまからは「家買わないの?」と驚かれた。
内心「むーりー!!」と絶叫。
そのころの働き方といえば、毎日ではないにしろ繁忙期には23時まで会社にいる生活。(私は徹夜せず終電で帰る派。)
やりがいもあって楽しくもあるけれど胃薬と友達の日々。
ーこの生活はいつまでもできるものじゃないー
おじさまと私では、体の作りが違う。男と女の、持って生まれた馬力の違いを思えば、甘い言葉にそそのかされるわけにはいかない。
家を買ってローンという借金を背負えってしまえば、この働き方から逃げられなくなる。
だから一生賃貸がよかった。賃貸なら、その時の収入に見合った物件に移動すればよいから。年を取っても賃貸に入居できるかは心配だったけれど。

ところが人生は面白くて、結婚したパートナーは、家を買いたい派だった。

結婚して1年過ぎたあたりから、家の購入について、ぽつぽつ、会話でジャブを打つようになった。

「いつまでも狭い家はね…」
パートナーが様子見のフックをかます。

「家を買うのって、お金かかるらしいよー」
私もけん制のパンチをうつ。
ちなみにその時点では私の収入が高く、私が世帯主だ。

我が家は大喧嘩はあまりしない。空気が悪くなったら黙る。
で、ほかの話題にすりかえるのだった。

苦楽を共にし、お互いに協力してこそ夫婦と思い直して

私は、家を買いたいパートナーのことを、甘いと思っていた。
私がどんな思いで働いてるかも知らないでー
分かってくれない。ちょっと孤独にも思っていた。

でもぽつぽつとジャブを打ち合ううち、私はだんだん分かってきた。
パートナーが家を買いたいと言っているのは、合理性目線じゃない。
パートナーにとって、それは人生の夢らしかった。

実は同じように揉めたことがある。結婚式でのことだ。
私にとって結婚式、披露宴は夢の舞台だった。
大きくなくていいけどちゃんとやりたい私と、そうでないパートナー。
結果として、私のパートナーは、自身は望んでいなかっただろうけれど、譲ってくれた。家族友人を呼んで結婚披露パーティーをすることができた。パートナーは写真を撮られるのが苦手だったのに、心頭滅却してウエディングフォトに写ってくれた。(100枚は撮った。)

「分かってくれない」なんて思ってたけど、私のほうこそ、パートナーのことを、ちゃんと分かろうとしたかな。
人生は一度きりしかない。縁あって夫婦になってくれた彼のその一度を、私の「買いたくない!リスクを負いたくない!」だけで決めていいのかな。
だんだんとそう思い始めた。
まあ結婚式と家じゃあ、金額は違うんだけど、人の気持ちって金額じゃない。

そんなわけで私は、ちゃんと調べることにした。
住宅購入の本を買った。
Excelで家計の貯蓄計画を整理した。子どももできて、家も買う前提で、貯金はいくら必要か。毎年の目標貯金額を立てた。
「この金額が40歳までに現実にためられたら、家も買えるかもね。
 でも私も子供ができたら今のように働けないと思うから、
 必ずとは言えないんだけど。」
私はそうパートナーに伝えた。
私もパートナーの夢に協力して貯金することにした。
万が一私の収入に陰りがみえて、途中で現実的にできないことがパートナーに分かれば、きっとパートナーも分かってくれる。(そしたらためたお金で世界一周旅行に行ってもいいし。うっしっし)
でも、不可能と結論がでるまでは、勝手に諦めるのをやめよう。

こうして、我が家の住宅購入物語はスタートしたのだった。


いったんここで切ります。
後編は「ご縁のある家を探して~家の高騰が止まらない!~」。
よかったらまた読んでください。

余談1:貯蓄計画の整理の件

つくった表はこんな感じ。罫線とか色分けなし。定年後70歳まで出来事を整理。毎年いくらためたらお金が必要なタイミングに目標額がたまるかを可視化。(家の修繕、こどもの大学受験、老後資金)

これ以降も表はつづくよ

最初は毎月の家計を細かく分析することからやってみたんだけど、どうもふわふわしてつかみどころがなくて。目標の貯金額を決めるほうを先にやることにしたら、結果、毎月どうしていったらいいかも明確になった。あたりまえか。
こういう作業してると、一年間に稼げるお金は決まってて大きな買い物したかったら早めにこつこつやらんとGame Overだなって、世知辛い現実に背筋が寒くなったのだった。

余談2

適応障害なのに家買うとか大きな変化大丈夫?と思う方がいたら。
今は毎日不調というわけでない。好調と不調の波がいったりきたりしつつフェードアウトするのを待ってる時期。なので体と相談して、周囲と協力して、少しずつ無理しないようにやってるので大丈夫。なおこの時期に急いで職場復帰しても、不調のときに迷惑をかけるのです。中途半端に戻ってもむしろ迷惑。そう厳しくも言ってくれたあの人にありがとう。
あとほんと近所間の引っ越しだったのもある。