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文体の舵をとれ(二周目)②

8章に入った。問2も終わり次第ここに追記する予定 問1  新庄秋穂は間が悪い人間だった。  お腹を壊した日に限って好物が夕食に出てくるし、傘を持たないで外に出ると雨が降る。  そんな自分の間の悪さというものを秋穂はよく理解していたから、どこかへ行くときには、慎重に計画をする癖がついていた。  今日、高校からの帰り道に本屋へ行こうとしていた秋穂が、最短ルートではない道——大通りではなくて細い裏路地——を通ったのもそのせいだった。  ふふん、大通りは今日、午後五時から道路工事で

    • 文体の舵をとれ(二周目)①

      「文体の舵をとれ」二周目に参加している。 2週間ごとにやっていたものがなくなると、なんだか寂しくなってしまったし、複数回やることによってさらに文舵筋(ぶんかじ-きん)が発達するだろうと思ってこの修行に再び身を投じることにした。 課題の実作をまたここに載せていく。 一周目をこなした後でさえ、ル=グヴィン先生がたびたび夢枕に立つようになったというのに、二周目のあとはどうなってしまうのだろう……スタンドみたいになるのだろうか。 さて、二周目に参加、と言っても、参加しているグ

      • 文体の舵を取ってみて

        航路を振り返る 2週間に1つ課題をやる。  だいたいそんなペースで進んでいった「文体の舵をとれ」実作&合評会が終わった。合評会は16回行われ、全10章で約10か月かかった。  これを長いと感じる人もいるかもしれないが、仕事をしながら合間にやるのは思ったよりも労力が大きかった上に、課題の一つ一つが脳の使ったことのほとんどない部位を刺激するような難易度だったのもあって、毎回締め切りギリギリ(アウト)で実作を提出していた(すいません)。  そういったギリギリ感もあって、やっている

        • 文体の舵を取(り終わ)った③

           文体の舵を取り終わった。4章は参加できなかったものの、それ以外の課題についてはなんとかやり終えることができた。  (ほぼ)完走した感想(RTA動画以外でこの言葉を使うことになるとは思わなかった)は別の記事で書こうと思っている。 以下に残りの章(第8章~第10章)まで置いておく。​ 第8章 視点人物の切り替え問1(チェスの設定はテキトーです)  ヤオがその決断をしたのは、盤面がミドル・ゲームに差し掛かったころだった。  最初の一手はd4を選択し、黒がd5と受けたのでc4

        文体の舵をとれ(二周目)②

          文体の舵を取った②

           前回の投稿からだいぶ経ってしまったが、今でも文体の舵を取っている。  一人だったら絶対に続いてないので、一緒に取り組んでくださっている方々には感謝しかない。本当にありがとうございます。大学の授業だったらとりあえず出席は足りている、といったところだろうか。  第4章だけできていないが、せっかくここまでやったのだからやりたい。   以下に、現在までに終了したところ(第3章~第7章)まで置いておく。 第3章 文の長さと複雑な構文 問1  雨が水面を叩き、円が現れては消えた

          文体の舵を取った②

          文体の舵を取った①

           最近TLで『文体の舵を取れ』が大流行りしている。  http://filmart.co.jp/books/novel/steering-the-craft/  私もいっちょ取ってみっか文体の舵をよ……ということで合評会に参加させていただいている。課題はどれもやっていて難しいものばかりだが、その分楽しい。考えてもみれば、仕事や学業で文章の内容や論理展開について考えることはあっても、文体それ自体を集中的に訓練した記憶というのはあまりなかった。  以下、私が合評会に出した課

          文体の舵を取った①