一級建築士試験_19【最短エスキース法】正確で早いエスキース案の手順①-⑥
皆さんこんにちは。
Kaede Architectのなかむラテです。
学科試験が終わってから1ヶ月が経ち、製図試験受験する方たちは、ここまで作図時間の短縮に全力を注いできたかと思います。
どうですか?2時間半切れるようになりましたでしょうか?
私の会社の後輩達もなんとか2時間半を切れるようになって来ました。中には2時間弱で書けるという人までいます。
が、しかし、合格出来る図面かと聞かれれば怪しいです。2時間で書いた図面を見ると、『書きミス』が多いです。
例えば、吹抜け線。2階の床がない部分にはしっかりと一点差線で書いているのに、1階の「上部吹抜け」を書き忘れているであったり、下部の庇を書き忘れていたり、PSを書き忘れていたりします。
それでは「2時間で書けた」とは言えません。
皆さんも今一度、図面を見返して、『書きミス』がないことを確認した下さい。それが要求されている『防火設備』であれば、一発不合格となり得ることを忘れないで下さい。
そして、今しっかりと注意して、習慣化することができれば、問題ありません。
前置きはさておき、私は、【図面を2時間半より早く書ける必要はない】と思っています。
皆さんも今後分かると思いますが、課題文を読み解き、自分でエスキース案を作って、作図した時、「あれは書き忘れてないか」、「あれも書かないといけなかった」と焦ることになると思います。
今2時間弱で図面を書けたとしても、課題や模試では、2時間半、若しくは3時間掛かってしまうものです。
正直言います。
【2時間を切る必要はない】
全ての課題や模試で『ランク1』、製図試験本番でも30分余ってる落ち着いて、チェックが出来ていた私は、
【2時間半以上掛けて丁寧に書いていました】
何故そんなに余裕を持って、図面を仕上げられたのかというと、
答えは、「正確で早いエスキース」が出来ていたからだと自負しています。
実際、模試でも誰よりも図面を書き始めるのが早く、そして図面を2時間半以上掛けて丁寧にミスなく書く。これが私の強みでした!!
資格学校のエスキースを見ても、余計なことをたくさんしているという印象です。
その検討意味あるの? と思うものも多いです。
資格学校では、「普段の設計とは切り離して考えろ」なんて言われるかもしれませんが、私は決してそんなことはないと思います。
以下は私が実際にやっていたエスキースをお伝えします。
▼昨年のとある課題のエスキース(S資格S9課題)です。
検討が少ないと思いませんか?
正確なエスキースを最小限にしているつもりです。ほぼ手戻りはありません。
逆に検討が多いと思う方は、手戻りしたことはないですか?なければ良いのですが、一発で解くためにはこのくらいの検討は必要だと考えています。
よって今回のコラムでは、私が実際に行っていた、【正確で早いエスキース】についてお伝えしていこうと思います。
******《START》******
【正確で早いエスキース案とは・・・】
《正確で早いエスキース》において、何が最も重要なことかというと、手戻りが少ないことです。上記に添付した写真は、しっかりと検討をしていますが、余計な検討を省き、迷いなく進めるようにしているので、誰よりも早くエスキース案を完成させることが出来ています。
この方法は私が通っていた資格学校(S資格)のやり方と個人的にやり易いと思ったことをミックスして編み出した方法です。
また、実際のエスキースを添付しながらご説明しますが、本年の試験の課題はまだ基本課題だということなので、昨年課題(2018年度課題S資格S9)を参考としています。
本年の課題である【美術館の分館】は、大きな居室(展示室等)もあるかと思いますので、作年の課題でも参考になるかと思います。
また、今後、本年の課題においても、エスキース例を作っていこうと考えています。そのエスキース例は、極力下記に記した方法で行いますので、出来れば本コラムを先にお読み頂ければと思います。
①【課題文をちゃんと読む】
これがエスキースを早く完成させるポイントの1つ目です。
というより、読み落としをしないことで手戻りなく進められることが可能になるというものです。
読み落としした状態でエスキース案を作っても、その案は無意味です。だって、読み落とししてる時点で、解けてはいないからです。
更には、前回のコラムで書いたように、「課題文に眠るヒントを見つけられたか」ということも重要です。
「あれ?もしかして、こうして欲しいってことか?」と気付けたら、楽勝でエスキースはまとめられます。
▼詳細は前回コラムをお読み下さい。
②【コンセプトを作る】
私の資格学校では、エスキースの最初の段階で「記述問題を書くためにキーワード出しをやれ」と言われていました。
しかし、始めの頃はみんな書いてるけど、気づいた時にはやってる人がいないってことになりました・・・。
ただそれは、「記述問題のため」と言われるからやりたくなくなるだけで、私は結構重要だと考えています。
だから私は少しだけ意識を変えるために、《コンセプトを作る》って感じで書いていました。必要だと考える理由は下記の通りです。
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