スパッとわかりやすく、でもドキドキも誘うストーリー
「古典」というと…
「な に ぬ ぬる ぬれ ね」などの様に
五段活用とか、助詞とか覚えたりする、結構「めんどくせ!」と思ってしまいがちな学問のイメージがあるし、私自身も実は現役時代はそうだった。
今は子どもが手を離れて自由時間がちょいちょいあるので、古典文学の源氏物語や枕草子などを現代語訳で(笑)読み返したりするのだが、それらを何冊か読むうちに、昔の文学も意外と読みやすい内容のスッキリとした話で、「私にはそちらの方が好きかも!?」と、いつしか夢中で読むようになった。
原文と現代語訳が並んで書かれている本を読むのも英語と日本語訳を交互に見ているようで、それもまた楽しい。
どこまで読めているかワクワクしながら原文を楽しむのも私にとっては意外と面白いのだ。
たまに子どもの教科書や宿題の古文や漢文をのぞくと、面白い話がのっていることがあって、夢中になって見ていると「宿題返して!」と怒られた事もある。
だから最近では子どもから「母さんが好きそうな面白い話がのってるよ。」とたまに教えてもらえる。(笑)
その中でも一番気に入った話が「売鬼」。
題名のとおり「鬼」が出てくるのだが、ここでの「鬼」は幽霊のことをさす。
この「鬼」とたまたま居合わせてしまった主人公が話の流れから目的地である街まで「鬼」と一緒に行かねばならなくなる。
主人公は、自分が人間である事を「鬼」に幾度となく気付かれそうになるも、のらりくらりとかわしながら街までなんとかたどり着くのだが、街に着く時に「鬼」がヤギに変身したところを弱点をついて元の姿に戻れないようにして「鬼」であったヤギをそのままその街で売ってお金にかえたという話。
主人公と鬼のやりとりも そんな言い訳ある?や、鬼も鬼で なんでそれで納得してるの?とつっこみたくなるので面白い。
最初は怖がっていた主人公も最後は冷静に判断して逆に鬼を売ってお金を得るシュールさは、人間のある意味怖い部分でもあり、ハッともする。
私はもともと「鬼」と言われる鬼・幽霊・妖怪などの不思議な話が好き。
でも、いわゆるオドロオドロしーい話が好きなのではなく、サラッと普通に存在した立場で書かれる物語の方が好きなのだ。
古典や漢文に出てくる話や文にはそういった「鬼」の仲間がサラッと登場人物として現れ、内容もわかりやすく、かつ現実離れした世界観がドキドキもさせてくれるものが結構ある。
何たら活用とかは考えず、
まず現代語訳からもう一度物語に触れてみるのも新しい楽しみに出会えるかも!?しれない。
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