時間欲にはキリがない。

「あぁ忙しい」「時間があったらアレができるのに」「休みが欲しい」そんなセリフを一度も口にしたことがない人はたぶんいないと思う。人は、時間さえあれば万事解決するような錯覚を覚え、いざ時間を得ればYouTubeで時間を浪費する。そして次の日には「時間がない」とのたまうのだ。それは僕も同じ。

「育休さえ取れば何でもできる」そんな風に考えていた。だが、実際は毎日「時間がない」という焦燥感に追われている。本屋で読みたい本を見つけては「時間があったら読めるのになぁ」と諦める。スケジュールアプリを開いては「今月はもうこんなに予定が埋まっている」と嘆く。勉強時間は1日3時間確保したとはいえ、別の予定があればキャンセルだ。ここ最近はほとんどできていない。

なぜ自分はこんなにも時間に追われているのか。今を生きることを説く仏教から学び、似たような主張をする自己啓発本もいくらか読んできたはずなのに。効率化をして時間を作る方法も、学んできたはずなのに、まだ時間が足りないと感じる。

結局はお金と同じだ。時間を欲するのは、果てしない煩悩だ。年収アップの幸福感は1年も持たず、さらなる年収アップを求めるようになると聞く。きっと時間を得られたことで生まれた幸福感の賞味期限はもっと短いのだろう。

時間は有限。そんなことはわかっている。今を生きることが大切。そんなこともわかっている。だが、次々に欲するのが人間だ。この時間を無限に欲する煩悩と向き合うことは避けられない。大切なのは、その煩悩に振り回されないことだ。

いっそ、座禅しようかと思ってきた。時間がないから諦めていた座禅。忙がば回れという言葉に、今は従ってもいいのかもしれない。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!