男性育休をストレスフルな期間にしないための、たった一つの方法。

ぱたりとノートの更新をやめたこの1ヶ月、悩みに悩んでいた。時間の使い方についてだ。

「育休なんかとったら、暇じゃない?」と、よく聞かれる。しかし、全く暇じゃない。むしろ仕事をしていた時より、忙しく感じていた。僕は育休期間中にやりたいことが山のようにあるにもかかわらず、全く手につけることができず、そのジレンマに苦しみ続けていたのだ。

なぜ忙しいのか?

それは、必然的に育児というのは時間が細切れになるからだ。サン=テグジュペリの『星の王子さま』を読んだことはあるだろうか? 途中「電灯をつけたり切ったりする人」が出てくる。詳しい部分は省略するが、この人は1分に1回、電灯をつける(あるいは切る)という仕事をしている。

たかが、スイッチを入れたり切ったりするだけだ。1分のうち、実働は1秒で、休憩が59秒ある。労働時間をぎゅっと短縮すれば、1日の実働時間は、たかだか1440秒=24分だ。しかし、この人は眠ることもできないまま、1日中電灯の下で張り付いている。時給1000円だとして、もしこの人に1日400円しか払われないとすれば、不憫で仕方ない。実質的には、ほぼ終日勤務だからだ。

育児というのも、これに近いタスクだといえる。育児に当てている時間を凝縮すれば、おそらく24時間のうち5〜6時間くらいだと思う。しかし、それでも1時間だってまとまった時間を取るのはむずかしい。いつ泣くかわからない。寝ていたとしても、5分後に起きないという保証はない。常に子どもを意識の片隅に置いておく必要がある。

「よし、昼寝をしたな…本を読むぞ」と決意したシーンを想像してもらいたい。その1分後に子どもが起きたとすれば、あなたはどう思うだろう。子どもは何も悪くない。それでも、とてつもないストレスを感じることがわかるはずだ。そして、夫婦で子育てをしているシーンを想像してもらいたい。僕は「起きたけど、本を読んでいるから、妻に任せよう」と考える。しかし妻は「寝かしつけが不十分だったから、夫が対処すべき」と考える。つまり、押し付けあいだ。どう考えても、健全ではない。これが育休開始から4ヶ月ほど続いていた。「お前やっておけよ」と言って押し付けるのは気がひけるから、結局、引き受けることになる。自分の時間なんてあったものではない。正直、ストレスで死にそうだった。

これを解決する方法

それを思いついたのはほんの一週間ほど前。実践しているのは昨日からだ。その方法とは超・シンプル。1日ごとに、家事担当と育児担当を交代するというものだ。育児担当者はその日1日のミルク、オムツ替え、抱っこ、遊び相手、入浴、寝かしつけ、夜泣き対応を全て対応する。その代わりに家事担当者は、掃除、洗濯、料理、買い出し、ゴミ出しなどなどを担当する。「え?そんなので解決するの?」と思われただろう。しかし、これが効果覿面なのだ。

役割分担の効能1/育児に集中できる

育児の合間に、勉強・読書・動画鑑賞、家事など、何かを成し遂げたいと考えている場合、子どもがグズグズするたびに大きなストレスを感じることになる。しかし「今日は育児に集中する」「やりたいことは明日する」と決意すれば、ストレスを感じることはない。これが精神衛生上、とてつもなく素晴らしい効果をもたらす。

役割分担の効能2/2日に1日、時間がたっぷり取れる。

家事担当の日は、相手に育児を全面的に任せるための大義名分ができる。これが、思いの外効果があった。何かに集中しているときの「聞いてるの?」「手伝ってよ?」というプレッシャーが全くないからだ。家事なんて、自分で計画を立ててまとめて実践することが可能なので、1日のほんの2時間程度まとまった時間を確保すれば済む。つまり、睡眠と食事に合計10時間と考えても、1日12時間の時間が生まれる。2日に一回12時間の完全な自由時間が確保できるというのは、本当に素晴らしい。僕は、じっくりと勉強ができるようになった。これまで空き時間はスマホを眺めてばかりだった妻も、資格取得の勉強を始めることを検討したり、裁縫や本格的な料理に乗り気になったり、計画的な行動に向かっている。

役割分担の効能3/喧嘩しない。

役割をはっきりと分けているので「やってよ」「いやお前がやれよ」という押し付け合いが発生しない。これは育休を乗り切るに当たって、重要なポイントだ。

まとめ

というわけで、まだまだ始まったばかりだが、役割分担を徹底することによってかなりQOLの向上を感じられた。時間がなさすぎてほったらかしにしていたnoteも、復活しようかと思ってきたくらいだ。これから男性で育休を取って、夫婦2人で過ごすという方は、ぜひ参考にしてもらいたい。4ヶ月目にしてようやく見つけた方法論は、拍子抜けなくらいシンプルなものだが、マジでバカにならない。

あとがき

いままでのデータサイエンスと英語の勉強は一旦お休み中。紆余曲折あったが、いまはpythonのDjangoでWEBアプリをつくろうとしている。大いなる目標のためだ。その件についても、近いうちにまとめようと思う。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!