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頑張りすぎてしまうあなたに見てほしい。癒し度120%のNetflix韓流ドラマ「サイコだけど大丈夫」

いい! Netflixの韓流ドラマが、ことごとく良いのです。第4次韓流ブームきた、と言われている昨今ですが、納得してしまいます。

今日はその中で、心の底から癒してもらった「サイコだけど大丈夫」について、思いの丈を綴ります。

ストーリーや登場人物が素晴らしくて、とめどなく思いが溢れ、語りたい事が多分にあるのですが、今日はその中でも、特に以下のような方に、是非見て欲しいと思うポイントに絞って書いていきたいと思います。

<このドラマをオススメしたい人>
・頑張りすぎてしまうあなた
・責任感が強く、時に自己犠牲も厭わないあなた
・でも、ちょっぴり、そんな自分に疲れてしまったり、しんどくなってしまうあなた

では早速!

そんなに我慢を重ねなくて大丈夫。

キム・スヒョンさん演じるムン・ガンテは、幼い頃に母を無くし、自閉症スペクトラム症と発達障害の兄、ムン・サンテと暮らしています。
心優しいガンテは、サンテを守ることが生きる意味であり、兄との世界が全てです。

でもドラマを見始めてまず気づいたのは、サンテの前で見せる、ガンテのそこはかとない愁いを帯びた笑顔です。
人の感情が読み取れないサンテは、表情を見て感情を解釈します。
そのため、例え苦しい状況の時でも、ガンテはサンテを心配させたり不安にさせないために、笑顔を見せてきました。
口元は微笑んでいても、目元はどこか悲しそうな表情は、長年色々な感情を笑顔という仮面の奥に押し込めてきた、彼の我慢の人生を物語っています。

「心を自ら閉ざすから自閉症って言うのよね」
途中、そんなセリフが出てきますが、心を長いこと閉ざしてきたのは、サンテだけではなく、彼を側で支え続けたガンテもしかりだったのだと感じます。

甘えることもできず。
自分のことは二の次、三の次。
重く辛い人生を一人で背負い込み、ずっと我慢をして、耐え忍ぶ毎日。

何重にも重なっていく、我慢の殻は、いつしか彼の心を固く厚く覆い尽くしてしまったのでしょう。
サンテ以外の人と深く交流することも避け、唯一兄弟の側で暖かく見守る親友ジェスでさえも、ガンテの本心が分からないし、分からない彼をそのまま受け止めて接しています。
ガンテにそんな存在の人がいてくれて良かったですが…

覆い尽くしてきたからこそ、これまで人生の重圧に耐えてここまでこられたガンテを見ていると、一人で背負い込まなくて大丈夫、時には頼っていいんだよ。
と、見ていて、とても狂おしい気持ちにさせられます。

あなたという存在を解放して大丈夫。

そんな兄弟の前に現れるのが、反社会的傾向のある“サイコ”な童話作家コ・ムニョンです。
彼女もまた数奇な運命を辿ってきた一人で、感情のコントロールができない、という面があります。

ガンテはムニョンに出会った時に、幼少期に思いを寄せていた相手だったことに気づきます。
また、ムニョンの方でも、ガンテに対して好意をいだき、何とか彼に近づきたいと思うものの。
固く心を閉ざしたガンテと、感情の自制のきかないムニョンは、すれ違ってばかりで…

ですがガンテは、ムニョンの童話を読み、その真意に触れたことで、彼女の表出してない心の奥にある、悲しさ、孤独感、そういった部分に気づきます。
そしてその感情が自分の中にあるものと重なっていることに気づいて涙します。
また、反して感情や欲望をむき出しにしてしまうムニョンを見ていて、自分の中に蓋をしている感情や欲望にも気づいていくのです。

次第に、自分の中の感情に目を向け始めたガンテ。

これまで見ないようにして蓋をしてきた感情や欲望に目を向けるということは、ガンテにとってどれだけ苦痛だろうか、と思います。だってそこには痛みを生むことは100%わかっていることだから。


人は変化、そして変容を恐れるものです。
例え今が最高の状態とは言えなくても、仮に幸せとは言えなくても、多少の居心地の悪さや不満があっても。
自分を変えたり、心に従い、変化や行動してみようとすることは、それはそれで怖い。
だからこそ、葛藤や不満をいだきつつも、結局安心な元の状態へ戻ろうとするのだと思います。

だからこそ、ガンテの揺れ動く心の様子が痛いほど伝わってきました。


弱いあなたで大丈夫。

人はみんな、強くて、そして弱い。
両側面があるのが当然だし、それがその人の魅力。
頭ではわかっていても、やはり人は強くあろうとします。
弱い自分をダメだ、と思ってしまいがちです。

ガンテも兄を、そしてムニョンを守ろうと、強くなろうとした。
でも、弱くていい。
弱いあなたも、あなた。


ジェスがガンテに伝えた言葉で、

「認めたら楽になるぞ。お前は弱いんだ。全然強くない。」

というセリフがあります。

ガンテが本当に強くなれたのは、彼が自分の中の感情に向き合い、そして弱さを受け入れ、晒すことを覚悟できたからだと思います。


普段、つい自分の至らなさ、未熟な部分に目を向けがちで、そんな自分を追い込んでしまいがちな私。
弱音が吐けず、甘えることが苦手な私。
本当は大丈夫じゃないのに、大丈夫だという顔が得意な私。
我慢していることすら格好悪くて、見ないふりをしてしまう、頑なな私。


でも。
人は完璧じゃなくていい。我慢ばかりしなくていい。


このドラマで、そう言ってもらえている気がして、私はとても救われた気持ちになったし、癒されました。
自分の心に正直になり、弱ささえも自分で受け入れることができたなら。
今よりも、自分が好きな自分になれるし、強くもなれるのだと。

そして自分から変わることで、周囲の人も、世界も。
きっと変化していくのだろうな、と思います。


ドラマが進むにつれ、口元は微笑んでも目元はとても悲しそうなガンテの笑顔に、変化が生まれていきます。
心の奥底の本当の声を隠すことができず、目に現れてしまう。
そのキム・スヒョンさんの素晴らしい「目で語る演技」にも、ぜひ注目してみてください。

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