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やる気はどうやって生まれる?モチベーションの方程式

皆さんはどんな時にワクワクしたり、行動を起こそうと思いますか?
新しいプロジェクトに取り組む時、誰かに頼りにされた時、または期待していた結果が現れそうな瞬間でしょうか?
このような場面では、実は「動機付け」、つまりモチベーション、やる気が大きく関係しています。


先日、キャリア関連のセミナーに参加したのですが、とても興味深い内容だったので、今日はその学びをシェアしたいと思います。


動機付けの方程式とは?

冒頭で挙げた質問。
この問いかけに対して、セミナーの中で講師の方が紹介してくれたのが「動機付けの方程式」というものです。
それがこちらです。

これら3つの要素が揃うことで、人は行動を起こしやすくなる、つまり「やる気」が湧いてくるんですね。では、それぞれの要素について、もう少し詳しくご紹介します。


欲求

まず、「欲求」とは、外部から与えられるものではなく、内から自然と湧き上がる「自分がどうしたいか?」という意思のことです。さらに講師の先生によれば、大きく2つに集約されるそうで、それが「何が欲しいか?」と「何が嫌か?」ということです。

先生は、具体例としてご自身の経験をお話しくださいました。
あるとき、先生は旧帝大(東大)から教授職のお誘いを受けたそうですが、そのお話をお断りしました。理由は、次の2つに基づいていました。

・何が嫌か? (旧帝大での仕事は窮屈そうだな…)窮屈な環境で働くのは嫌だ。
・何が欲しいか? 自由な環境で思う存分研究に打ち込みたい。

このように、欲求は自分が本当に大切にしたいものに正直になること、そこへの探究がポイントになります。

(やる気を引き出す)誘因

次は「誘因」について。
これは、自分の欲求を引き出す(成立させる)要素、つまりやる気が引き出されるための環境や条件のことです。
例えば、先生がお勤めであった神奈川大学では、自由に研究に打ち込める環境や条件が整っていて、そこに大きな魅力を感じていたそうです。この「自由に研究できる環境」が、先生にとっての「誘因」だったわけです。

(やる気に火をつける)達成期待

そして最後が「達成期待」。
これは簡単にいうと、「自分にはできる!」という自信です。
自分が持っている能力や経験を活かして目標を達成できるイメージが持てると、自然とやる気が湧いてきます。


モチベーションの方程式とキャリア理論

これらの3つの要素が揃うことで、人の行動は促進される、つまりやる気が湧く状態につながります。逆に言えば、このうちの1つでも欠けると(0になると)、やる気や行動が起きにくくなってしまいます。

先生曰く、キャリア支援における理論の多くがこの方程式に基づいていると説明していました。

例えば、私が実施している講座では、組織人としての視点を大切にしたエドガー・シャインさんのキャリア・アンカー理論を用いていますが、今回の話を聞きながら、確かにこの方程式に当てはまっていると思いました。

働く上で、または自分が人生の中で何を大切にしたいのか?(欲求)
その価値観が活かされる環境や機会はあるか?(誘因)
自分がその環境や条件下で実力を発揮できる自信や期待を持てるか?(達成期待)

これらを自分の中で明らかにすることで、モチベーションに繋げることや、一歩踏み出しやすくなるというメッセージは、「動機付け方程式」にまさに当てはまっているな、と気づきました。

さらには、特に、最初の要素である「欲求」が見えにくくなってしまった方などに対して、私たちキャリアコンサルタントは、それを相手の方の中から引き出す支援が必要になってくるのだよ、ということで。
改めて、私自身のモチベも高まりましたよ!


偶然の力を味方に

ここまでの話で、やる気やモチベーションが起きやすくなる仕組みが見えてきたと思います。
でも、キャリアや人生は、いつも計画通りにいくわけじゃないですよね。むしろ、予期せぬ出来事、ハプニングが、自分の進む道を変えることだってあります。

その“偶発性”の大切さを説いてくれたのが、ジョン・D・クランボルツ博士の「計画された偶発性理論(Planned Happenstance)」です。
この理論では、次の3つをポイントとしています。

1. 予期せぬ出来事がキャリアを左右する
2. 偶然の出来事が起きた時、行動や努力で新たなキャリアにつながる
3. 何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスを増やす

もう少し噛み砕くと。
全ては偶然で決まるよ!だけど、その偶然は何も行動しなければ、出来事そのものが、そもそも起こらないよね。だからこそ、積極的に行動することで、いつか来るチャンスに備えておこう!チャンスを掴みやすい状態にしておこう!
ということです。

この行動主義の人間感を大切にしているクランボルツさんの理論も、まさに先ほどの方程式に当てはまります。

この欲求を行動に変えるために、「誘因(目標を持って)」×「達成期待(行動すればいい)」という、この2つの要素を刺激しようと考えた彼の理論のシンプルさこそが、多くの方から受け入れられ、また愛される所以なのだと思います。

目標設定のコツ

「じゃあ、ただ目標を持って行動すればいいの?」と思うかもしれませんが、実はそう単純な話でもありません。本セミナーの中では、「偶発性が起きやすい目標」と「起きにくい目標」があることが紹介されました。

例えば、もし私が「4年後のオリンピックを目指すことにします!」と宣言したら、ほとんどの人は「無理でしょ!」と突っ込みたくなりますよね。
こうした無理のある目標では、偶発性は起こりにくいんです。

一方で、チャンスを引き寄せやすい(偶発性を起こしやすい)適切な目標の設定のコツがあるんです。

それについては、長くなってきたので、また次のnoteでお話ししたいと思います!


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