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同じものを見ていても違う世界が見えてるんだよな

子供の頃。
近所にいわゆる「幼なじみ」と呼ばれる友達がいた。
親同士も仲がよく、兄弟同然のように育った。

その中に、特に仲が良かった”よしえちゃん”という友達がいた。
ある時、幼稚園の授業の中で、お絵描きをすることになった。
園庭で、自分の好きな絵を描くという、楽しい時間。
わたしとよしえちゃんは、あれこれ相談した結果、
一緒に横に並んで、ある大木の前に腰をおろし、
その大木を絵を描くことにした。

お互いに、クレヨンで集中しながら一生懸命に描いていて。
8割方、描けたかな〜と思った時、
よしえちゃんの絵を覗きこんでみた。

そして、その絵を見て、思わず息を飲んだ。

わたしは、主に、
茶色や、黒、赤や黄色といったクレヨンで絵を描いていたのに対して。

よしえちゃんは、
赤やら青やら、紫やらピンクやら…
とにかく色とりどりの色を使って、大木を描いていた。

子供ながらに、その感性に感動してしまった。


わぁ〜〜。
よしえちゃんには、この木が、こんな風に見えているのかぁ。
と。

そして、わたしも、そのよしえ画伯の絵にインスパイアされ(笑)、
猛烈に真似をしたくなった。
実際わたしの目には、そう映らなかったとしても、
ピンクやら青やらの色を加えていった。
そしたら、なんだかとても楽しい気分になっていった。

それを横で見ていて、よしえちゃんもとても嬉しそうだった。


そして大人になった今も思う。
同じもの、景色、人を見ていたって。
世界をどう見つめるか、捉えるかは、人それぞれだ。


当たり前のことのようだけど。
どう視るか。
どう識ろうとするか。
その世界をどう創りあげるかは自分次第で。
そこには、その人らしさが表れる。


子供の頃に、よしえちゃんと描いた大木のように。
これからも楽しく、ワクワクする世界を心に描いていきたい。

もちろんそうできない時だってあるけどね。
気付いたら、グレーや黒のクレヨンを両手に握っているような、ね。

でも、いつでも、また好きな色で、
上描きしてばいいんだ。
これからも、そう世界を見つめられる人でいたいと思う。

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