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相手が受け取りやすいボールを投げる フィードバック上手になりたい

お世話になっている人の中で、フィードバックが最高にイケてる方がいる。例えマイナス点を伝える場面でも、その人の言葉は耳にすーっと入ってくる。そしてマイナスのフィードバックを受けているのに、その人の温かさが伝わってきて、その人のことがますます好きになる。

すごいなぁ、と思う。
私は、フィードバックすることに苦手意識があるので。

フィードバックにも、good & more と大きくは2パターンがあると思う。
goodなフィードバックは、相手に「ここが良かったです!」と良い面をお伝えするので、比較的ハードルも低いし、心理的負担もないのだけど。

その逆なのが、moreのフィードバックだ。
「もっとこうしたら良いと思う。」
「改善点があるとしたら…」

これをお伝えする時には、色々な感情が湧く。
「そういう自分はどうなのよ?」
「相手を傷つけないだろうか?」
「怒りはしないだろうか?」
自分の中で、ワーワーと色々な声が渦巻く。


実際、相手を怒らせてしまった経験もある。

・・・・・

以前、キャリアコンサルタントの資格取得のためにスクールに通っていた。
そこでは、コンサルタント役、クライアント役に分かれて、何度もセッションのトレーニングを行った。
そして、その時に必ず付いてくるのが、相手(コンサルタント役)へのフィードバックだ。
これが毎回しんどかった…
だけども、良い面だけでなく、その逆もお互いにフィードバックし合うことで、より良いコンサルテーションを行える様になるためには、このフィードバックが大切だということも理解していた。


ある日、初めましての方とペアを組むことになった。

最初は私がクライアント役。
コンサルタント役だったお相手の方は、私がクライアントとして話している間、あまり私の方は向いてくれず、体を半分横にしながら、机においたメモを取りながら、ふんふん、と話を聞いてくれた。
一生懸命メモをとってくださってはいたけど、なんというか、話を共感的に聞いてもらえているなぁ、という感覚は少し持てなかった。

それがすっごく不快だったという事は、もちろん一切ない。
だけど、good & more でフィードバックをする、という事は決められていたので、私はその事を素直に伝えた。
もっと言うと、good よりも more の方のフィードバックを多めにしてしまった。

そしたら、その方の表情がみるみる不機嫌になっていった。
仕舞いには、話を聞いてくれていた時の様に、体をクルッと横に向け、私の事は見なくなり、ノートにひたすら何かを書き続けていた…



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…うわわ、やっちまったぁぁぁ!!!

動揺したまま、次に私がコンサルタント役をやる番になり、今度はフィードバックを受けることになった。
点数は、5段階で全ての審査項目が2だった。
フィードバックもめちゃくちゃスパイシーだった。


正直に伝えることが、必ずしも正しい、と言うわけではないのだ。
と痛みと共に学んだ、とても良い経験となった。


キャッチボールをしていたって。
仮にいくら自分が速い球を放れるからといって、それを相手構わずバンバン放っていいわけではないのだ。
相手に合わせて、相手が受け取りやすいボールを投げる配慮というもんが必要なのだろうな、と。
more のフィードバックをするということも、そういうことなんだろうな、と今になって思う。相手に受け取ってもらいやすい配慮をする。


冒頭にあげた素敵なフィードバックをする方は、その点が本当に絶妙で、真似したいなぁといつも思っている。


私は元来せっかちで、また物事をできる限り早く解決したいタイプなのだけども。今、学んでいるコーチングの中でも、その癖が時折顔を出す。

だけど、その方は、こんな風にフィードバックしてくれた。

いいね!テンポがとてもいいよ!
話がね、どんどん先に進む気がして、すごく話しやすかったなぁ。
でも、じっくり考えたい、答えがすぐには出てこないよ、という人にとっては、ひょっとしたら「急かされているなぁ」という感覚になることもあるかもしれないね?


ですよねぇ。
って。すっごい素直に受け取れる。
オブラートに包むとかそういうことじゃなく。ちゃんと伝えてくれている。

私がせっかちだと思っている自分の性分を、テンポがいい、なんて言う言葉で返してくださるのだ。
なんと、温かいこと…

直したいと思っている癖も、ネガなことだけでもないのだな、全否定する必要はないのだな。
私の一つの味だ。
それを相手に合わせて調合していけば良いのだ。
そんな風に思えてくる。


私も more のフィードバックを温かく伝えられるようになりたいなぁ、と思う今日この頃です。


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