見出し画像

マネフォ情シスが解説する「はじめてのテレワーク導入の7ステップ」


マネーフォワード クラウドのカスタマーサクセスを担当している門田です。

新型コロナウイルスの感染防止としてテレワークが広がりを見せています。通勤の感染リスクを考えると自社でも導入したいけど、「何から始めればいいかわからない」とお困りの企業も少なくないでしょう。そんな悩みを抱える企業がテレワーク導入の「はじめの一歩」を踏み出せるよう、テレワーク導入セミナーをオンラインで実施いたしました。

この記事では、第一部「中小企業がテレワークを導入するためのノウハウを徹底解説」より、テレワーク導入の7つのステップについて解説したパートを一部公開します。

※ご好評につき、本セミナーの動画+資料をプレゼントしています。本記事では未公開のコンテンツを含む、セミナー全編をご覧いただけます。目次の「セミナー動画&資料をプレゼント」からお申込みください。

セミナーの対象者&内容

画像1

【解説者】坂本 幸也(さかもと ゆきや ※画像右上)
・マネーフォワードのコーポレートインフラを担当
・社内のIT環境の構築・整備をするエンジニア(いわゆる“情シス”)
・会社や社員にとっての「当たり前」の毎日を守る仕事

坂本:本日のセミナーを担当させていただくマネーフォワードの坂本と申します。テレワークがテーマということで私も自宅からセミナーを配信しています。

まず、今回のセミナーについてですが、テレワークを導入したいけど「何から着手してよいか困っている」という企業様を対象に、導入手順についてお話ししたいと思います。

■セミナー対象者
・テレワーク導入で何から着手してよいか困っている企業様
・テレワーク導入の「はじめの一歩」を踏み出そうとしている企業様

■セミナー内容
・テレワーク導入の標準的な手順

※テレワーク導入の際に「予算」「IT人材」「物資調達」の3つの壁にぶつかることが予想されますが、テレワーク導入時に限った課題ではないため、今回は解決の対象外とします。

テレワーク導入のステップ

それではテレワーク導入のステップについて、順を追ってご説明します。

テレワーク導入には7つのステップがあります。このステップは総務省のサイトで紹介されているものをベースに、表現を平易にして構成しました。

1.テレワーク導入目的を明確にする
2.テレワーク化する対象範囲を決める
3.現状を把握する
4.業務整理・環境構築
5.説明会の開催、教育
6.テレワークの試行、トラブル対応
7.振り返り・評価・定着活動

1. テレワーク導入目的を明確にする

画像2

ステップ1は、テレワーク導入の目的を明確にすることです。そもそも企業は、企業価値を上げるためにテレワークを導入します。

代表的な目的として「働き方改革」「生産性の向上」「人材の確保・育成」「事業継続」「コストダウン」の5つが挙げられます。

ここ数年は「働き方改革」の観点からテレワークを導入する例がよく見られましたが、足元では新型コロナ対応として「事業継続」の観点、あるいは従業員の感染リスクを軽減するという目的での導入が増えていますね。

テレワークを検討する際、導入目的をしっかりと固めておかないと、途中で目的を見失ってしまい、失敗する可能性が高まります。

2. テレワーク化する対象範囲を決める

画像3

テレワークを導入する際、すぐに全ての業務を切り替えようとせず、対象範囲をしぼって進めていきます。このテレワークの対象範囲を決めるという作業がステップ2になります。

対象範囲は、次の4つの観点から考えていきます。

1. 対象者
誰が、あるいはどの部署が、テレワークをするのかを決めます。切り口として、業務単位、「部長職以上」といった職種単位、「産休育休前の従業員」などのメリット享受単位などがあります。

2. 対象業務
どの業務をテレワーク化するのか、反対にテレワーク化しないのかを考えます。

3. 実施場所
どこでテレワークをするのか、自宅なのか、移動中なのか、カフェなのか、サテライト拠点なのかを決めます。

4. 実施頻度
こちらは見落としがちな観点です。終日なのか、1日数時間なのか。毎日なのか、週数回なのかといった頻度を決めます。

3. 現状を把握する

画像4

続いて、ステップ3は現状を把握する。テレワーク導入には、様々な前提の見直しが必要です。そのために、導入前の現状を把握し、その時点での過不足を確認します。

1. 就業規則がテレワークに対応しているか確認します。

2. テレワーク実施候補者の労働時間制度と雇用契約を確認します。

3. テレワーク時の人事評価制度、勤怠・業務管理方法を確認します。

4. テレワークの申請方法と承認フローを確認します。

5. セキュリティルールがどうなっているか確認します。ここは重要です。
情報の取り扱い、情報の持ち出しの可否、持ち出し方法について確認します。

6. 現在のIT環境の確認です。テレワーク実施候補者と職場にいるメンバーが円滑に業務を進めるためには、勤怠管理や業務管理ツールのオンライン化はもちろん、Web会議システムやコミュニケーションツールの導入が必要となります。

4. 業務整理・環境構築

画像5

続いて、ステップ4が業務整理・環境構築です。テレワーク導入に向けて、このステップが最も重要となります。

1. 業務整理
既存の業務フローをテレワークに切り替えるのが難しい場合には、業務フローの見直しを行います。

2. 情報セキュリティ対策
セキュリティポリシーの整備や、対策システムを導入します。

3. ネットワーク環境の整備
会社側は、社外から社内ネットワークに接続できるような仕組みを用意します。自宅側は、インターネット環境を整えます。

4. テレワークのためのITツールの導入
コミュニケーションツールをはじめ、業務で利用しているシステムの見直しをしていきます。

5. テレワーク実施者の利用端末の確認
オフィスで使っている機器をそのまま転用するのか、それとも新規購入するのか、従業員が個人で所有しているPCを使うのかなどを決めていきます。

6. テレワーク運用ルールの整備
コミュニケーションルールや、出退勤・休憩時の声かけ、日報などのホウレンソウを整備していきます。

5. 説明会の開催、教育

画像6

ここから全社を巻き込んでいくステップになります。テレワークを実施する本人はもちろん、その上長や同僚にも説明を行います。

また見落としがちなのがテレワーク実施者のご家族です。「パートナーが急に家で仕事をしはじめた!何があったんだろ?」とご家族を驚かせないよう、資料配布などの対応をしましょう。

説明に盛り込む内容として、まずはテレワークの目的・必要性、組織体制などが必要になります。また、テレワークに関わるITツールなどの操作説明も必要になります。

さらに、在宅時にITトラブルなどが発生すると、会社への連絡手段がなくなる恐れがあります。在宅でのトラブル時の対応方法も用意しておきましょう。

6. テレワークの試行、トラブル対応

画像7

ステップ6は、実際にテレワークを行う段階となります。テレワーク試行直後は、様々なトラブルが発生します。

・テレワーク実施者のリテラシー不足
・コミュニケーション不足による業務不備
・テレワークできると思っていた業務が実際はできなかった
・システムやネットワークの不具合・高負荷

などの問題にぶつかることになりますが、一つ一つ解消しながら前進していきます。

新型コロナの影響で、特急でテレワーク対応をしている企業が多いと思いますが、本来ならばテレワークの試行期間は6か月(少なくとも3か月)が望ましいと考えられています。

7. 振り返り・評価・定着活動

画像8

ステップ7が、振り返りと評価です。テレワーク導入はゴールではなく、そこからが新たな業務手段のスタートです。評価と改善を繰り返しながら、テレワークを定着させていきます。

上図に記載している量的評価・質的評価を行っていきましょう。数値化が難しい項目もありますが、まずは関係者にアンケートを取ることをおすすめします。また、その際に5段階評価と併せて「その理由」を聞くと、関係者自身が考えるきっかけになるのでよいでしょう。

以上が、テレワーク導入に向けた7つのステップとなります。

まずはここから始めてみよう

ここまで導入ステップをお話ししてきましたが、「とはいえ、何から始めたらいいんだろう?」という方もいらっしゃると思います。

そうお困りの方に向け、「ここから始める、テレワーク化に向けた業務・システム変更」をご紹介します。

画像9

1.  社内ファイルサーバを廃止
社内にいないと使えないファイルサーバは廃止し、インターネットから使えるクラウドストレージを導入しましょう。

2. チャットツールを導入
日常的なコミュニケーションをチャットで行えるようにしましょう。普段からチャットを使いこなし、対面でのコミュニケーションと同等レベルまで引き上げておきます。そうすることで、テレワークを本格導入する際に、「コミュニケーションにおける不安や懸念」が軽減され、阻害要因を減らすことにつながります。

3. ビデオ会議・電話会議の活用
最初は照れを感じるかもしれませんが、普段の会議と同じように自然にふるまうことを意識すると、徐々に慣れていくと思います。

4. テレワークの鍵とも言えるペーパーレス化
紙を伴う業務を減らしていくことが肝心です。

5. 電子化
ペーパーレスと同時に行いたいのが電子化です。例えば、ホワイトボードの予定表をクラウド化する。電話のメモはチャットで連絡する。タイムカードの打刻はクラウド化するなどの電子化を進めます。

6. パソコンのモバイル化
デスクトップPCは移動に不向きなので、必須でなければノートPCに買い替えていくことをおすすめです。

マネーフォワードのテレワークを支えるクラウドツール群
また、マネーフォワードの全社テレワークを支えているクラウドツールを一部抜粋してご紹介します。コミュニケーションツールをはじめ、バックオフィス業務、人事評価、カスタマーサポートなど、様々な業務でクラウドツールを活用しています。

画像10

以上、第一部よりテレワーク導入の7つのステップをご紹介しました。少しでも皆様のお力になれば幸いでございます。(セミナー完)

セミナー動画&資料をプレゼント

ご好評につき、本セミナー全編の動画と資料をプレゼントしています。本記事では未公開のコンテンツを含む、下記内容をすべてご覧いただけます。下記URLよりお申込みください。

■突然始まったテレワーク、中小企業への導入ノウハウを徹底解説 & お悩み相談セミナー

第一部:中小企業がテレワークを導入するためのノウハウを徹底解説

テレワークを実施するにあたり、導入までのステップ、導入のポイント・対策、よくある質問、推奨ツールなどを解説しています。

第二部:マネーフォワードのテレワーク移行担当者によるお悩み相談会
実際にマネーフォワードのテレワークへの移行を実施してきた担当者が、当社の事例をご紹介を交えて、皆様から寄せられたご質問に回答しています。

■お申込み
下記URLよりお客様情報を入力し、お申込みください。
https://seminar-moneyforward.smktg.jp/public/seminar/view/2293

おわりに

テレワークのニーズが急速に高まり、導入や整備に苦心されている中小企業の方も多数いらっしゃると思います。また、すぐ導入とはならずとも、新型コロナウイルス感染症の終息がまだ見えない中で、何かしらの対応を始める必要があるとお考えの方も少なくないでしょう。

本セミナーが、皆様にとって働き方を見直すヒントにつながれば幸いです。小さくてもいいので、まずは一歩を踏み出してみましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?