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なぜ大人の女性は化粧をしないといけないのか考えた


考えました。
自分で納得するための自分用の考えまとめです。

先日某動画で見たアイパレットがすんごくよくて、メイクって合致すると楽しいなと思うとともにどうしてこんなことしなきゃいけないんだろうとも思ったんですね。
で、考えてました。

結論、「バランスが悪いから」
なんのバランスが悪いのかというと、「縫製された洋服」
つまりさらに言い換えると、「縫製された服を着用するなら化粧をしないとバランスが悪い」です。

順を追ってまとめます。


衣類という人工物とのバランスのために、首から上も人工感を出す必要がある

衣服というのは言うまでもなく人工物です。自然界に存在するものではありません。色も形も。
でもってデザインでもインテリアでも「トンマナ」という言葉があります。トーン&マナーですね。
北欧風インテリアにしたいなら白っぽい家具と明るい木とふわっとした色合いの布と柔らかいランプシェード、インダストリア風インテリアならアイアンの脚、黒、無骨なアイテム、無塗装風の壁、など。

それと同じで、一人の人間をトータルのオブジェとして見た場合。工業的に作られた形と色をしたもので体を覆っているなら、首から上もいくらか人工物っぽくしないとバランスが悪くなるんですね。

人工的=ノイズを減らすということ、ノイズのなさは「清潔感」とも言う

人工的、というのはしみとかしわとかむらとかそういう「ノイズ」をできるかぎりなくしていくことでもあります。なぜなら人工物にはそういうの少ないから。布に自然物っぽいむらとかないでしょうあんまり。このノイズが少ない状態を清潔感と読んだりします。物理的に清潔かどうかはあんまり関係なくて、情報のエントロピーが少ない状態が「清潔感」です。

髪もシャンプーとリンスだけじゃ人工感って足りなくて、アウトバストリートメントなりスプレーなりで多少シリコンぽさ、ウィッグっぽさを出したほうが「ちゃんとした服」には馴染みます。清潔にしていてもツヤが足りないとなんか違う感になってしまう。

手もナチュラル以外のファッションであれば色が入っているほうがしっくり来るんですよね、人工物に近づくから。

この「何もしてない首から上」と「工業的に作られたきちんとした服」との解像度の違い、絵柄の違いを埋めてひとまとまりの統一感にするのがメイクってことなんだろうな、と今の私は考えています。
恋愛漫画の絵柄の体にコミックエッセイの絵柄の頭部が乗ってたり、バトル系少年漫画の絵柄の体におじゃる丸の絵柄の頭部が乗ってたら違うから首から上の書き込みを増やして合わせるんです。

服の人工度に合わせて首から上の人工度も調整が必要

首から上をどの程度人工的にするか? それは着ている服とのバランスになります。天秤の左右です。

無印良品のとくにベージュに近いアースカラーでまとめてるならもしかするとほとんど化粧しなくても違和感ないかも。人体って自然物だから、自然物に近い衣類ならメイクをする必要ってあんまりないはず。

さらに言うとそのへんの葉っぱとかを体にまきつけてるとか、全裸とかならもっとする必要ない。

逆に自然界には絶対に無いツヤツヤてかてかのシルクとジュエリー、エナメルのハイヒール、みたいな場合は髪も肌もツヤツヤにして、まぶたにラメを乗せるくらいでちょうどよくなります。

メイクとは服との天秤の関係。

で、どうして大人の女性はメイクをすべきとかマナーとかって言われてしまうのかって、この、「体と首から上の違和感が大きいと見ている側を不安定にさせるから」。自分が不安定になりたくないからなんとか(具体的にいうとメイク)しろ、を「マナー」って言葉で縛ってるのかもしれないなと考えた次第です。

女性だけメイクしろになる理由

ではなんで女性だけが大学あたりからメイクしろって言われるのか? ですが、三つ理由があると仮定してます。

理由1、中高までは制服を着てるので、メイクをしなくても大きくバランスがくずれないから。

学校の制服ってのはよほど尖った学校でない限り、紺色緑色キャメル色といったアースカラーです。自然物に近い色。前述した無印良品コーデと同じく、人体とのバランスが崩れにくい配色の衣類です。

が、大学にはいってそれアースカラー以外の服を着るようになると、ノーメイクで服と首から上のバランスをとることは難しくなります。

理由2、10代の肌艶マジックがほぼほぼ終了するから。

赤子の肌と髪って本当にすごくて、密度もツヤも本当にすごくて、前述の「ノイズ」ゼロ状態です。だからちっちゃい子供は派手派手な子供服でも全然負けずに着こなせてしまう。ですがそのへんのチュートリアル期間というかボーナスタイムというか保証期間はだいたい10代の終わりで終了するので、アースカラー以外の服を着用するには手をかけて頭部へ人工的な印象を添加しなければいけません。

理由3、女性の服は派手でいろんな形になるけど男性の服はアースカラーから大きくはずれないし形も体に沿ったものが多いから

スカートやレース、フリル系のシルエットは人工的な形です。人体が本来持つシルエットと全然違う。
でも男性の服っていうのはシャツもズボンも人体の本来のシルエットから大きく逸脱せず、色合いもあまり華やかでないものが多いです。
だからメイクしなくても服とのバランスが崩れることはあまりないんだと思われます。

幼女ですら七五三では多少メイクをしたほうがよい

余談になりますがオードリーの春日さんなんかはあの過剰にぴっちりした髪型、ピンクのベストと合わせるにはあれくらいやったほうが良いんだろうなと今回気づいたり。
あと華やかな衣装を着る男性は眉や目、肌、髪型をかなり整えてる人が多いですね。藤井隆とかかなり衣装が派手なときは髪も眉も整えてるかんじある

そこまででまくても、一般の男性でもスーツのときは髭を剃って髪をしっかりセットしたほうが「良い」とされますよね、あれメイクと一緒なんでしょうね。

あと子供は派手な子供服でも初回ボーナスで着こなせる、みたいな話も前述しましたが、それでも振袖やドレスなどを着用する際は多少のメイクをしたほうが可愛くなることが多いですね。リップグロスとかまるからとか。あとスプレーやワックスでヘアセットとか。振袖やドレスは人工物としての圧が強い相手アイテムだから……

でもって長く土地で平民が着用してきた民族衣装ならメイクしなくてもその人種に馴染むようになっている気がします。
日本人の和装(現代の敷居が高い「和服」とは別物です)、ネイティブインディアンの衣類、など。

でもそんな日本人ですらドレス的な衣装、十二単やら狩衣やらでは顔を真っ白に塗って本来の眉毛塗りつぶしてデコに別の眉を描いて歯を黒く塗って、といった「服の情報量に負けない人工度添加」をしていたんですよね。
最近本で読んだんですけど、日本人って江戸時代までは男女どっちも化粧してたそうです。

せめてもの納得の上で適度に楽しく過ごそうね

そんなこんなで「マナーだから」という謎の圧ではなく「全体のバランスをとるため」「女物の服を着てるならやったほうがいいっぽい」という、自分の納得を得ることができました。

この「ようは全身のバランス」って考えていくと化粧のテクニックそのものにも理解しやすくなった気がします。

例えば今はアイラインやらシャドウやらの引き方で目を大きく見せる技術が発達してて、目を大きくするとより華やかな服が似合うようになる、でもそんなふうに上瞼下瞼を大きくすることができても黒目がそのままだとバランスが悪くなるのでアイメイクにはカラコン必須なんだなあ……とか、目の印象をより強めるためには眉毛を薄くする必要があるんだなあ……とか。

まあ別にやりたくなきゃやらんでいいとも思うんですが、マナーとかいう「は?」案件ではなかったことがわかったので、今後も適度に楽しんでいきたいですね。

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