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最高の映画予告編

僕にとっての最高の予告編はウォン・カーワイ『天使の涙』。Flying Pickets の「Only you」が流れてきて、金城武がノーヘルでミシェル・リーを乗せてバイクで高速を走り抜ける。このシーンのために映画があったと言っても過言ではない。

映画は『恋する惑星』に入るはずだった画像のつなぎ合わせだから、スタイルしか無い。照明の色、ロケ地、音楽が最高のケミストリーで、全編ミュージック・ビデオのよう。最近だと『Once upon a time in Hollywood』がそういう映画だったけど。

ガス・ヴァン・サントの『マイ・プライベート・アイダホ』でキアヌがリバー・フェニックスを後ろに乗せてバイクで走った場面も最高だったけど。緊張感は『天使の涙』のほうがあったかな。

「惑星から落ちてきた天使たちの、切なく、愛しく、涙ぐましい恋が疾走する」というコピーは明らかに『ベルリン天使の詩』の影響を受けてる。地上に落ちてきた天使たちは、純粋認識者でなく、愚かな当事者となる。でもそっちの生き方のほうが楽しいよっていう映画だった。

今でもネオンが雨に濡れてると、頭の中でFlying Pickets の「Only you」が流れてくるぐらいの衝撃が23年前から残りつづけてる。


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