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小学生の親と夏休みの自由研究

うちの子供達(小学生)の夏休みの自由研究に付き合うこと9年目。わたしも既に自由研究サポートのベテランの域に入っているのでこの時期に考えをまとめておこう。うちの子供達が通っているのは中野にあるTCSという学校。そこでは自由研究には仮説が大切と指導される。

①そもそも問題はなに?

仮説というのは、問題に対する「仮の答え」のことだから、自由研究で仮説を持つためには、解きたい問題を持つことが必要。それを宿題のために見つけようとすることで、自由研究は最高につまらなくなる。子供の普段の会話から「疑問」に思っていることを抜き出してあげることで、本人が本当に「解きたい問題」にたどり着く。子供はいつも目の前のことに夢中なので、夏休みに突然「自由研究」といわれて、何を問題として解きたかったかを忘れる「突発性記憶喪失」に苛まれる。ここは親がもっともサポートしたほうがいい部分だ。解きたい問題があれば自由研究の大半は終わったのと同じ。

②知識がないと仮説は持てない。

仮説とはパターン認識。過去の経験や読書などの形式知の蓄積から、因果を予測することができたとき、そこに「仮説」が現れる。問題を解く時に、投資が必要な場合も多い。例えば夜の動物の行動を見るためのサーモグラフィーとか、お金をかけないと取れないデータとか。ここは親が出ていって、どういうデータベースがあるとか、こういうデバイスがあるというアドバイスができる。ファクトの集積の先に良い仮説があるのはビジネスと同じ。

③中毒と夢中は違う

なにか「夢中」になれることを研究したらいいじゃんという軽いノリで「YouTube」とか「ソシャゲ」とかを研究テーマにする場合が少なからずある。ただ、そういうコンテンツは「どうやったら中毒させられるか」を深く研究してプロが作っているコンテンツ。例えば小学生が自分で面白みを感じるまで「核融合」について調べるのは時間もお金もかかる。面白くなるまで時間もお金もかかる「スローコンテンツ」は親が支援してあげることが大切。そうでなければ子どもたちの時間はaddictiveなものにどんどん奪われていく。

④面白いかどうか

これは個人的な問いかけなんだが、子どもたちには「そんなことやって面白いの?」という質問は必ずする。宿題のためにやっつけでやろうとしていることは絶対面白くならない。面白くないならむしろそんなことに時間を使わない方がいい。

この時期になると内田和成さんの『仮説思考』を引っ張り出して眺めること9年目。大変お世話になっております。


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