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【ブックガイド】その人から目が離せない! トリックスター小説5選

「トリックスター」という言葉をご存じだろうか。
時としてトリックめいた行動で見る者を欺きながらも、
強い興味を掻き立てるミステリアスな人物――。
捉えどころがなく、独自の価値観や美学を持った変わり者――。
例えば、垣根涼介の直木賞受賞第一作『武田の金、毛利の銀』では、
土屋十兵衛長安という異色の才能が物語の推進役を担う。
彼は”奇天烈”と評されるアクの強さと、財政手腕とを持ち合わせ、
猿楽師としてキャリアをスタートしながら、抜擢が重なるのだが――。
魅力的な物語にはこういった「議論を呼ぶ存在」が欠かせない。
そこで今回は、読者を欺きながらも魅了するような小説を、
ジャンル問わず取り上げてみることとしたい。


善と悪の二元論では語れない魅力。「トリックスター小説5選」

垣根涼介『武田の金、毛利の銀』(KADOKAWA刊)

乱世の沙汰も、銭次第。

上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下される。数の信奉者である信長は、敵対する大名の財力を把握する必要があった。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と石見銀山の見定めは不可欠である。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはならない。見つかれば命の保証はない危険な道中である。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向かう。駿河湾の港・田子の浦にたどり着いた三人は、そこで土屋十兵衛長安と名乗る奇天烈な男に出会い――。
 『光秀の定理』『信長の原理』に連なる、直木賞受賞第一作!

カドカワストアより引用

浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫刊)

映画化決定! 圧倒的共感を集めた青春ミステリが文庫化!

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『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 8位
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成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

怒濤の伏線回収に驚嘆の声続出! 青春ミステリの傑作が、ついに文庫化!

カドカワストアより引用

京極夏彦『姑獲鳥の夏』(講談社文庫刊)

この世には不思議なことなど何もないのだよ――

古本屋にして陰陽師(おんみょうじ)が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第1弾。東京・雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院に奇怪な噂が流れる。娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津(えのきづ)らの推理を超え噂は意外な結末へ。京極堂、文庫初登場!

講談社オフィシャルHPより引用

阿部智里『烏に単は似合わない』(文春文庫刊)

史上最年少松本清張賞受賞作

大ヒット和風ファンタジー「八咫烏シリーズ」の伝説はここから始まった!

人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。解説・東えりか

文藝春秋オフィシャルHPより引用

浅田次郎『プリズンホテル』(集英社文庫刊)

任侠団体専用(?)の不思議なホテルに集まる人々の笑いと涙の傑作コメディ。

泣けます。笑えます。癒されます。TBS、テレビ朝日、BSジャパンなどで、それぞれテレビドラマ化もされた、浅田次郎の初期を代表する大傑作シリーズが堂々の文庫化。(解説・草野満代)

集英社オフィシャルHPより引用


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