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【ブックガイド】「生きるのがつらい」と思った時に、そっと添え木になるような小説5選

命ある限り、誰もが迎えるのが死だ。
病を患い、苦しむ日々はこの上なく辛いが、
不慮の事故や、昨今ドキュメンタリー番組で取り上げられた安楽死など、
その結末には実に様々な形がある。
そしてそれらは、一度しかないという点で共通している。
だからこそ死は、私たちをこうも不安にさせ、跪かせることができる。
しかし、その苦しみを根から見据え、
命ある私たちに寄り添ってくれるのが作家だ。
今回は人生の添え木になるような小説を紹介したい。


ミステリ、SF、青春小説 etc. 手法は違えど、描き出された人生が胸に響く小説5選

中山七里『ドクター・デスの再臨』(KADOKAWA刊)

安楽死が救済か、それとも殺人か。中山七里が贈る警察医療ミステリ!

『帰ったら母親が死んでいました。ネットを通して、誰かに安楽死を依頼したみたいなんです』少女からの通報で警察に衝撃が走った。SNSを通じて安楽死を希望する者に処置を施すのは、警視庁捜査一課の犬養隼人が女性刑事・高千穂とともに過去に追い詰めた連続殺人犯〈ドクター・デス〉の手口だったからである。拘置所にいる〈ドクター・デス〉に共犯がいたのか、それとも〈ドクター・デス〉に同調した模倣犯が現れたのか。犬養最大の敵が再び現れる。どんでん返しの帝王が放つ、息もつかせぬ警察医療ミステリ!

出版書誌データベース(Books)より引用

楪一志『レゾンデートルの祈り』(刊行:ドワンゴ/発売:KADOKAWA)

こんなに苦しいのに、生きる意味ってなんだろう。

「あなたも、生きたくても生きられないのでしょうか」

2035年、神奈川県・江ノ島の<ラストリゾート>。
この場所で遠野眞白が出会う人は、誰もが「死にたい」と願っている。
安楽死が合法化された日本。
人命幇助者<アシスター>の眞白は、死に救いを求める人々と正面から向き合う。
暗闇の奥底に微かな「生きたい」があると信じ、希望の光を照らしたい。
もう二度と、あの日の後悔を繰り返さないために。

苦しくても、生きる理由を見つめ直す。
新鋭作家が紡ぎだす、切なくも温かい命の物語。

出版書誌データベース(Books)より引用

辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』(集英社文庫刊)

少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。

「私を殺してほしいの」中学2年生の美少女・小林アンは、同じクラスの「昆虫系」男子・徳川にそう依頼する。ふたりは被害者と加害者として「特別な存在」となる計画を進めるが…。(解説/大槻ケンヂ)

集英社オフィシャルHPより引用

吉本ばなな『ミトンとふびん』(幻冬舎文庫刊)

第58回谷崎潤一郎賞受賞作。

互いに事情を抱え、母親達の同意を得られぬまま結婚した外山くんとゆき世。新婚旅行先のヘルシンキで、レストランのクロークの男性と見知らぬ老夫婦の言葉が、若いふたりを優しく包み込む(「ミトンとふびん」)。金沢、台北、ローマ、八丈島。いつもと違う街角で、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描く極上の6編。

幻冬舎オフィシャルHPより引用

中村文則『列』(講談社刊)

ページをめくる手が徐々に止まらなくなる、最高傑作の呼び声も高い、著者渾身の一作。

男はいつの間にか、奇妙な列に並んでいた。
先が見えず、最後尾も見えない。そして誰もが、自分がなぜ並んでいるのかわからない。
男は、ある動物の研究者のはずだった。

現代に生きる人間の姿を、深く、深く見通す――。

競い合い、比べ合う社会の中で、私達はどう生きればいいのか。
この奇妙な列から、出ることはできるのだろうか。

講談社オフィシャルHPより引用


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