【イベントレポート】劇場アニメ「ふれる。」完成披露試写会レポート「あの花」「ここさけ」「空青」の3人が贈る最新作がついに完成!
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、「心が叫びたがってるんだ。」、「空の青さを知る人よ」の“青春三部作”を手掛けた3人のクリエイター・長井龍雪(監督)、岡田麿里(脚本)、田中将賀(キャラクターデザイン・総作画監督)が新たにオリジナル長編アニメーション映画「ふれる。」を制作。10月4日の公開に先駆けてノベライズ『小説 ふれる。』(角川文庫刊)も好評発売中の本作。完成披露試写会には3人のほか、メインキャラクターを務める永瀬廉(小野秋役)、坂東龍汰(祖父江諒役)、前田拳太郎(井ノ原優太役)が登壇し、上映後の興奮冷めやらぬ会場を熱く湧かせた。
文/高関聖子
永瀬廉、坂東龍汰、前田拳太郎らが参加する劇場アニメ「ふれる。」完成披露試写会レポート
不思議な生き物“ふれる”と暮らす青年3人の友情物語
劇場アニメ「ふれる。」
劇場アニメーション映画「ふれる。」は、東京・高田馬場を舞台とした青春ファンタジー。同じ島で育った幼馴染みの秋と諒と優太。3人は20歳になって東京で共同生活を始める。彼らの心は幼い頃から深くつながっていて親友同士だったが、それは島から連れてきた不思議な生き物“ふれる”の特別な力が関係していたのだった……。
いつでもどこでも以心伝心な3人を演じた永瀬廉、坂東龍汰、前田拳太郎。俳優として活躍する彼らは今回、オーディションでそれぞれの役を勝ち獲った。劇中では3人の日常を描くシーンが多く、お互いの身体に触れ合えば互いの心の声が聴こえてくるという特別な関係性を、声、吐息、間合いで自然に表現している。
この日は上映終了直後のイベントということもあり、会場には感動の余韻が残っていた。そんななか、巨大スクリーンに永瀬、坂東、前田の姿が映し出され、「皆さんこんばんは!」と挨拶。すると会場からは驚きの歓声が漏れた。笑顔でわちゃわちゃしながらカメラに向かって手を振る3人の空気感は、劇中の秋、諒、優太そのもの。やがて劇場の壇上へ移動し、クリエイター陣3人とも合流し、舞台挨拶が始まった。
秋、諒、優太を演じた3人が
劇中さながらの仲良しぶりをアピール
長井監督は、「映画が無事完成して、今はただただホッとしています」と安堵の様子を見せ、岡田は「今日という日を迎えられて、皆さんに観ていただけたことが本当にうれしいです」と挨拶。田中も「皆さんにご覧いただいて、本当に監督同様、ホッとしているところです」と笑顔でコメントした。
続いて永瀬は「短い時間ですがどうぞよろしくお願いいたします。もう皆さん、映画を観られたということで……映画どうでした?」と問いかけると、大きな拍手と歓声が返ってきた。その様子を見た永瀬はニッコリとうれしそう。一方で坂東は、「実はこんな大きい劇場で舞台挨拶をしたのは初めてなんです」と緊張を隠せない様子。挨拶の途中で緊張のあまり噛んでしまったところを見逃さなかった永瀬がすかさずツッコミを入れて笑いが起きた。そして前田も「僕もドキドキしながら入ってきたんですけど、皆さんのお顔を見たら、すごく楽しんでいただけたのかなと。安心しました!」と語った。
そして、MCとともにゲストが観どころを紹介していく。長井監督は「(不思議な生き物の)“ふれる”が登場するのですが、スタッフ一同、力を尽くしたのでとても可愛く仕上がっています」とマスコットキャラクターをアピールし、岡田は「主人公たちの友情。本当にこの御三方がキャラクターに命を吹き込んでくださいました」と青年3人の友情劇をアピール。田中は「仲のいい3人が、映画が終わったあとに果たしてどうなっているのか……楽しみにしていてください」と、エモーショナルなストーリー展開を紹介した。
クリエイター陣の話を聞いた永瀬は、「秋たちがそれぞれ成長していく姿は、どこか自分と重なるところがあった。キラキラした青春の延長線上にあるもの、“ふれる”を介して展開されていくものの一つひとつを肌で感じ、楽しんでいただけたら」と、キャラクターたちの心の揺れや繊細な感情をアピールする。
永瀬廉、坂東龍、前田拳太郎が
オーディション合格エピソードを披露!
イベントでは、オーディション合格時の様子がキャスト陣たちの口から明かされた。「できることは全部やりきりました」と言うのは永瀬。「合格したよとマネージャーさんから連絡をいただいたとき、表参道を歩いていたんですけど、マジでこうなっちゃって…」と、動揺でウロウロしてしまった様子を再現してみせると、坂東も前田も大笑い。坂東は「実はオーディションの日が(実家に)帰省する日とかぶっていたのですが、チケットをキャンセルして受けさせていただきました。なので、落ちるわけにはいかなかったんです(笑)。合格の連絡がきたときは、ひゃー!って叫びました」と興奮した様子を語った。そして前田は、「実はめちゃめちゃファンでした」と、長井監督&岡田&田中の作品のファンであることを初めて告白。「中学に入る前くらいからファンでした。この御三方とお仕事できる可能性があると思ったら、もうすごい野心むき出してオーディションを受けてました」と熱く語る。
最後はキャスト3人を代表した永瀬が、「この作品は皆さんの心に触れて、心を震わせるような感動作になっています。皆さんが観て感じたその感動を、大切な人に伝えていただいて、末長くこの作品を愛していただけたらと思います」と述べてイベントをしめくくる。
青年3人の友情と“ふれる”の秘密を描くなかで、人間の心の複雑さや他者との距離のとり方など、生きづらさもテーマにしている本作は、社会と関わり合って生きる大人たちにとって共感度の高い作品。公開時には、青年たちの心の揺れを繊細に描くノベライズ『小説 ふれる。』とともに、ぜひ劇場へ足を運んでほしい。
■劇場アニメ「ふれる。」
メインキャラクター紹介
小野田 秋(CV:永瀬 廉)
高田馬場のバーでアルバイトをしている。口下手で、幼い頃から感情がたかぶると手が先に出てしまう。諒、優太とは島の幼馴染み。
◆
祖父江 諒(CV:坂東龍汰)
不動産会社の新卒社員。体育会系で運動神経抜群。2人の兄貴分。
◆
井ノ原優太(CV:前田拳太郎)
デザイナー志望の服飾専門学校生。コンプレックスが多めでたまに卑屈気味なところも。
■書籍作品情報
映画「ふれる。」公式ノベライズ作品!
同じ島で育った幼馴染、秋と諒と優太。東京で共同生活を始めた3人は20歳になった現在でも親友同士。それは島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」が持つテレパシーにも似た力で趣味も性格も違う彼らを結び付けていたからだ。お互いの身体に触れ合えば心の声が聴こえてくる――。それは誰にも知られていない三人だけの秘密。しかし、「ふれる」に隠されたもう一つの力が徐々に明らかになるにつれ、3人の友情は揺れ動いていく――。
■映画作品情報
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