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福祉のブランディング vol.5 ダレトク?

こんにちはカドジュンです。1ヶ月ぶりに本編に戻ります。ブランディングの話です。

さて今回、バナー画像をプロレスラーに変えてみました。cocoroharada1024様ありがとうございます。本当は『黒のカリスマ』蝶野選手っぽいのがほしかったのですが、大物かマニアな選手しかみんなのギャラリーにはありませんでした。なぜこんなイラストかというと、私ども老人ホーム業界全国組織広報誌の昨年の表紙で、蝶野選手がモデルとなっていたのです。私のなかでは2019ワースト広報でした。

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全国老人福祉施設協議会(全国老施協)公式サイト

まあ老人ホームの広告といえば、だいたいが真面目さとかひたむきさとかを前面に出すので、すごく草食系というか穏やかです。スタッフもさわやかな笑顔のモデル、とても介護が必要とは思えない高齢者モデルを使ったりしているところが多いですなあ。

その老施協が毎年フォトコンテストを全国規模で開催しているのですが、イメージキャラクターに昨年起用されたのが蝶野選手だったのです。昔からなんというか、老施協は前時代的な広報戦略をやっているところではありましたので、最初の感想は『奇をてらったことをやれば良いわけではない例』と切って捨てました。老施協の公式サイトを見てもらえればわかりますが、トップ画像はフォトコンテストで入賞した素晴らしい日常を切り取った写真たちがスライドで出てきます。そんなイメージが一般的な老施協で、いきなり黒のカリスマを起用しても困惑しか起きません。ヘタするとマイナスにしかなりません。私はプロレス好きなのですごくザンネンでした。蝶野さんも老施協も(笑) まさしく誰が得するの?ダレトク?なのです。蝶野さんの黒歴史にならなければいいなというか、プロフィールにすら残らないでしょうな。

経営とブランディングに共通する大原則ですが、いちばんやってはいけないのが中途半端な打ち手です。老施協がブランディングを戦略的にやってきたかどうかは分かりませんが、それまでは同じような印象だったので少なくとも一貫性はありました。しかし、蝶野選手を起用しとんがった方へ路線変更したかといえば、すぐに元通り。注目を集めるためにタレントを使っても、継続性がなければブランドイメージは定着しないのです。そこが中途半端なのです。

ブランディングは経営方針に大きく左右されます。つまり経営戦略がなければ、ブランディングは定着しません。前回の連載でも述べましたが、まずは事業目的、長期目標、中長期戦略などといった事業計画をしっかりすることが大前提となります。

ブランディングに取り組むのはその後です。事業計画ができればおのずとターゲットが見えてきます。そして、そこに刺さる広報戦略をつくり、具体的な打ち手に落とし込むのが基本的な流れとなります。

とくに労働集約型の介護事業では、広報に予算をあまり割けない経営状況があると思います。効果的に広告を打つため、その方面に明るい人とのコネクションをつくれれば良いアドバイスをもらえるかと思います。

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