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『いい人』に出会える安全基地

この記事は、Kacotam × 寄付月間2023アドベントカレンダーの5日目の記事です。

 スタサポ(拠点型学習支援)へるすたでぃ(水)拠点で、コーディネーター(ボランティア)を担っている「しゅんご」が、Kacotamで活動するモチベーションについて書きました。

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 平日ど真ん中の水曜日。17時半ごろに会社を抜け出し、Kacotamの活動拠点がある麻生へ向かう。21時過ぎに活動を終えると、再び会社に戻り、残りの仕事を片付ける。帰宅が日付変わる頃になることも少なくない。
 会社員とKacotamの〝二刀流〟生活は、端からは大変そうに映るだろうか。実は、この場所では珍しいことではないし(三刀流以上の方も!)、つらいと感じたことはない。
 自分の本職はメディア。30歳になった昨年、あたたかな思いを持つ人々を「外」から第三者として写し取るだけでなく、そうした方々の「内」に入り、当事者として活動できる場がほしいと思うようになった。そうした場に、ずっと前から目を付け、新聞記事をスクラップし続けていたKacotamを選んだ。
 メンバーになって20ヶ月が過ぎた。この原稿で説明を求められている「続けているモチベーション」や「意義」はたくさん見つかっている。ひとつには絞りきれないでいたが、締め切り前日に核となるものが見つかった。この日に開催されたメンバー研修で講師を務めたKacotam歴6、7年にもなる元利用者メンバーの言葉がヒントになった。拝借したい。

 「(カコタムは)いい人たちがたくさんいる団体って、ずっと思っていた」。

 そう、Kacotamは、たくさんの「いい人」と出会える場なのだ。それが、自分が活動を続ける最大のモチベーションになっている。

 研修では、5人程度のグループに分かれ「子どもと接する上で意識していること」と「カコタムの特徴」を話し合った。答えを記した付箋は、どのグループも50枚以上集まり、それらを貼り付けた模造紙はわずか数分で埋まった。

 本好きのメンバー有志が月1回程度開く「オンライン読書会」。それぞれ好きな本を自由に紹介するイベントは、気付いたら子どもたちとの関わり方談義に花が咲くことがほとんどだ。

 日々の活動後に行われるミーティングではこんな議論が行われている。

「高校2年生の子、数2Bできなくて焦っているけど、そもそも受験に必要な科目なのかな。調べておきます」
「でも、受験科目じゃないからって手を抜いていいのかな。本人の為になる?」
「ていうか、あまりに勉強勉強の話ばかりだと、塾っぽくてカコタムの理念に反しないかな」
「まずは本人が本当に望んでいることを、ちゃんと聞き取ることが必要かも」。

こうした白熱した議論を引っ張るのは、無償ボランティアの大学生たちだ。

 昨夏発行された、メンバーの思いがまとめられている冊子を開いてみる。「いろいろなことに『きっと大丈夫だよ』と言えるようになれたら」「突然ボソッと。その心の声を大切に受け止めたい」「大人になるのが楽しみになるような社会を目指したいから、自分は楽しそうに生きている大人でありたい」——。胸打たれる数々の想いが並ぶ。

 団体名の由来のように、考えて(カ)、行動して(コ)、楽しむ(タム)。そうやって子どもたちのことを、深く想っている「いい人」は、社会にはこんなにたくさんいる。そう知れたこと自体が、少し大げさに言えば、自分にとっても「安全基地」になっている。

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