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かっきーのやっちゃいました!! No.007 「私たち」がイキイキと目指せる「ビジョン」を描く#02 描いたビジョンから「実現」を生みだそう!

昨年12月~2月、東京のある企業でのビジョンづくりにご一緒した事例の紹介を通じてビジョンづくりを考える『「私たち」がイキイキと目指せる「ビジョン」を描く」シリーズ第2弾です(結構間が空いてしまいましたが・・・)

第1段では、『「やらされビジョン」にならないための対話のステップ』と題して、他人が書いたビジョンという感覚でなく「自分と重ねる体験」が必要ということ書きました。

今回紹介するケースでは既に会社(グループ)のビジョンがある中で、「自分たちで未来を描いていないのが問題」という問題意識から始まり、チームのビジョンを考えました。

前回のnoteでは、
STEP1:私、私たちを突き動かしているものは何か?
STEP2:私、私たちが心から望む「未来の姿」はどんなものか?
という問いの流れで対話し、目指したい未来のビジョンが表現しましたというところまでをご紹介しました。

かっきーのやっちゃいました!! No.006 「私たち」がイキイキと目指せる「ビジョン」を描く#01
https://note.com/kacky_smile/n/n3363500b2320?from=notice

ここまでで、チーム全員が望むビジョンについて表現され、自分たちがどんな未来を生きたいのかについて言語化もできました。

ここまでできると気持ちは高まり、ある種の達成感も覚えるのですが、ここで終えてしまうと、多くの場合、せっかく描いたビジョンが上手く力を発揮しません。

むしろ、そのまま日常にもどると理想と現実のギャップで「描いたはいいけど、あれはなんだったんだ?」とか「あれはやっぱり理想論だよな」と逆の方向に働くことすらあります涙

私がビジョンづくりをお手伝いする際、最初に提示するビジョンの定義のひとつに、
「自分達の未来の実現に必要な在り方や行動を呼びかけるもの」
があります。

ビジョンや事業計画は、どんなにすばらしいものでも人びとの行動が生まれなければ、絵に描いた餅になってしまうので、行動=アクションが生まれる道のりまでデザインすることにはこだわっています(スマイル・「アクション」なので!)

とはいえ、実現したい未来を表現したビジョンは多くの場合、全体的・理想的なイメージで表現されるので、具体的に何をすればそこに行けるのか、途方もなく遠くに感じてしまうなんてこともあります。

事例の企業様でも、立ち現れたビジョンは本人たちにとって魅力的なものであり、メンバーの気持ちも高まりましたが、中にはこれから何をすればいいのかわからず戸惑いを口にするメンバーもいました。

なのでビジョンができたら、出来る限り間を空けず次の対話のステップに進みます!

次のステップの問いは「ビジョンの実現に必要不可欠なもの(要素)は?」
という問いです。

未来像であるビジョンを実現するためにはいくつかの要素を実現する必要があり、それについてもLEGO🄬ブロックで創造性豊かにアイデアを表現し、未来を構成する要素についての知恵を出し合います。

作品で表現し、共有したら、それを現在いるビジョン実現に向けてスタートするチームのオブジェと未来オブジェの間の空間に、それぞれとの距離関係について対話しながら配置するということをしました。

こうして机の上には、現在と未来の間に「実現のために必要不可欠なもの」が置かれ、「現在から未来への道のり」が表現されました!

【参考イメージ】ビジョン実現に必要なものをマッピングして実現の「道のり」を表現する

構成要素で何を実現すればいいのか明らかにしたとはいえ、不確実性の高いVUCAな昨今、長い未来への道のりの中にはさまざまな出来事が起こりビジョンへの道のりは必ず影響を受けます。

それに対応する自分やチームを作るため、出来事が起こった時のインパクトを乗り越え、それにどのように対応する自分・自分たちでいるかのありようにについても対話することが大事です。

なので、次の問いでは「ビジョン実現に影響しそうな要素(起こり得る事象や変化)は?」を表現します。

ここではポジティブな影響なのかネガティブな影響なのかは関係なく、とにかく「影響しそうなもの」ということで表現してもらいました。

そうして表現された「影響しそうな要素」も、前のステップの「実現のために必要不可欠なもの」と同様に現在オブジェと未来オブジェの間の空間に配置していくと、「実現のために必要不可欠なもの」と「影響しそうな要素」が入り混じった「道のり」ができます。

そしてお次は置かれた要素同士をつなげてビジョンの実現をシステムとして表現します。

LEGO🄬ブロックには様々なつなぐためのパーツがあります。
ひものような柔らかいものもあれば、弾力のある固い繋がりもあります。
メンバーは自分が表現した要素を中心に、どのような「つながりがあるか」を考えながら、つなぐパーツを選び、つないでいきます。


【参考イメージ】要素同士を影響関係でつないでビジョン実現を「システム」として捉える

そして事前にいくつか出しておいた「高い確率で起こり得る出来事」が起こった時、「何が」「どちらの方向」に「どのように」動くかを検討し、実際に要素のオブジェを動かしてみます。

すると、強い繋がりとして固いパーツでつないだものはダイレクトに反応し、柔らかいものは遅れて反応する等、つながった要素同士が連動して動き出します!

近くのものだけでなく、離れたところにある物も影響し、思わぬところに思わぬ動きが現れることもあります。

参加者はその動きを観た自分の心の動き(わくわく、驚き、とまどい 等)に目を向け、目の前の動きが何を意味するのか、自分が取り得る行動は何かを考えていきます。

このようにここでは、構成要素を考えるとともに、それを道のりで起こり得るインパクトを持つ出来事を仮想体験し、その体験から自分や自分たちの在り方や行動について思いを巡らせていきます。

ここまでの過程では、一人ひとりが持っている人生で獲得してきた知恵を出し合い、未来を創る主体である自分とチーム、心から望む未来のビジョンとそこに至る道、システム、起こり得る「影響」に対応する自分・自分たちのありようまでを対話し、描いてきました。

こうした道のりに声を出して参画することを「体験している」ことが、自分とビジョンのつながりをつくり、「自分ごと」として行動することにつながっていくと考えています。

今回はLEGO🄬 SERIOUS PLAY🄬メソッドを使った紹介となりましたが、

1.未来をつくる主体である自分たちの原動力やアイデンティティについての対話
2. そんな自分たちで創りたい心から望む未来についての対話
3. 未来の構成要素と起こりうることをつなげて考え、その道のりで自分はどう在りたいか、何をしたいかの対話

を丁寧に、ひとりひとりの声を出せる状況をつくりながら行うことで、「夢物語ビジョン」や「やらされビジョン」ではなく「自分(たち)が実現するビジョン」となり、更に問いかけることで様々なアクションが生まれると考えています。

最終的には
4. 実際に個人で、もしくは組織化して行動し、それを継続するためのコミュニティの中で対話を繰り返し行うことでビジョンを実現するチームや組織になっていく。

今回の事例では、大きな組織のビジョンがある中で、自分たちのビジョンを描くということをしましたので、どちらかを否定するようなことや押しつけが無いように、随所に両者のつながりを感じられる体験をデザインすることが大切になります。

組織が目指したいビジョンを描くことも大切ですが、実現のために自分ごととして行動を望むなら、描くプロセスのなかで未来を実現する主体であると感じられ、イキイキとした行動が生まれていく(生成される)体験をデザインすることが必要だと考えています。

その後、数カ月経っていますが、事例のチームから生まれた行動が事業部を動かし、会社が激動を迎えているという報告を聞きました。

組織のビジョンを描く目的は、それを実現する主体であるメンバーの行動を生み出し、その行動が新たな対話や行動を生み出していき、新たな行動が組織を構成していく・・・そんなふうに未来が実現することを願いながら、関わる組織が歩む未来への道のりをお手伝いしたいと思っています!

2回にわたり、長い文章になりましたがお読みいただきありがとうございました!


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