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しらふで秋の中にいるよ

2021/10/某日

日常は、お惣菜みたいな色をしてるな。。。

と、朝駅を降りて仕事場に着くまでの道とか、ふと仕事中に窓の外を眺めては、昨日もおとといも一年前から変わらない見慣れた景色をおもったりした。
朝来たらもう日が暮れていて、日々が巻きで進むうちに人生も消化されてゆくような感じがして焦るので、とりあえず流されないように、よく立ち止まっている。
それはけっして仕事場の人間になりきれていないようで面倒でもあるのだけれど、私はきっと、この最後の意地を手放したらおわりである。
植木の茂みや、そこからしーんと晴れた青空に伸びる高い木がいっぱいに紅葉している。もう街は、秋の盛りの中!autumntime's in bloom


2021/10/某日

席でパソコンと向かい合っていたら、のどかなおじさん社員が
「くどきにきたよ・・・なんて・・・」
と今までにない声のかけ方をしてきた。

不意打ちだったのでびっくりして、思わず
「ええ〜どうぞ!」
とわけわからないことを口走ってしまった。


2021/10/某日

続けてのどかなおじさま社員の話。
彼は、糸切りバサミを手にした派遣の男性スタッフの前に立たされていた。
何だろうと思って近寄ってみると、
どうやら新しくおろしたばかりのスーツじゅうに縫いつけられた「仕付け糸」を切ってもらっているところらしかった。
彼はキューピー人形のように両腕をひとしい高さでキープしながら、
「ポケットやなんかが綴じられているから・・・こういうファッションかと思ってた・・・」
と呟いていた。

ワンピースのジッパーを上げてもらう少女みたいな佇まいの彼の周りはちょっとした人だかりになっていて、
その中になんと、仏の先輩もいた。

うわーい!!!ひさしぶり!
最初視界に先輩が映った時、いるなんて思っていなくて
"ぜっっったい先輩だけど、ぜっっったい先輩なわけない。。。"
とマボロシかと警戒したが、どうやら色々残した手続きとかデスク周りのものを引き取りに来たみたい。本当の出勤最終日だ。
さっそくウキウキお喋りしていたら、のどかなおじさま社員に負けずおとらずのおっとりした間や、独特な言葉のチョイスが先輩のまんまでなつかしかった。

イスに引っかかっていた随分使い込まれたような蛍光グリーンのエコバッグが自分のものかどうしても思い出せなかったらしく、
「・・・いる?笑」
と聞かれたので、せっかくだからもらった。

席に戻って、エコバッグ特有の畳み方に超苦戦していたら、もどかしそうな視線を感じた。
見ると隣でビートルズのパイセンがそわそわしていて、こう、こうだよ、と忽ち畳んでくれた。

ビートルズのパイセン、ひさしぶりに仏の先輩と会ってうれしそうに喋っていた。なんだかいい雰囲気だったなぁ。
パイセンの方が全然年上で、彼らは元々営業グループの直属の先輩後輩だ。
仏の先輩たちの代が入社してきた時、彼は周りから見てもとてもはりきって研修をしていたらしい。
仏の先輩と同期の、やなせ先輩情報だ。


2021/10/某日

上司が「おれの人生落ちっぱなし、ローリング、ローリングストーン」と半笑いで言っていた。

(ときに音楽以上に切実なローリング感だ。。。)
と思った。
私は、仕事場にいる人たちの人間みがとても好きだ。結婚とか、キャリアとか、しがらみとか、自然にしみだす人生のあじわいを感じる。


2021/10/某日

『在宅の時いつも寝てるでしょ?』

と聞かれてぎくーっ!!!としたものの、

「えぇーひどいそんなわけないですよᕦ(ò_óˇ)ᕤ」

と笑って返す夢を見た。

夢でよかったけど、多分現実でも、同じ返しができると思われる。

ちなみに、私は仕事の進み具合が心配だと家に帰ってもお茶を淹れながらパソコンを開いちゃうし(残業代に入ってない)、逆に在宅ではちょくちょく寝てる。ほかほかとベッドに入ってる。
ルール的にはよいことではないけど、、まぁとんとんくらいかなぁ。ふふ。


2021/10/某日

考課表で、上半期の自分の働きを自己採点する。
仕事のがんばり具合や、マナーなんかを含めたぜーんぶの項目で、〈合格点〉にまるをつけてみた。
急に自己肯定感どしたーってなるかな。笑
ま、十分がんばってるしこれくらいまるつけていいでしょうっと思った。気分がよかった◎


2021/10/某日

後輩のユリちゃんとランチ。
カワイイ彼女から、すっごいカワイイエピソードを聞いた。

四月に入社した彼女の代はこの前ちょうど半年経ったらしく、ささやかなお祝いで、仕事終わりに同期の女の子三人組(しなだれかかりそうなサキコちゃんなど)で遊園地に行ったらしい。

率直なきもち。
「えーーーーなにそれーーーー(T ^ T)(T ^ T)(T ^ T)(T ^ T)」
って感じだった。
そんなかわいいことあるん、、、
涙を浮かべてしまったよ。
しかもメリーゴーランドやコーヒーカップにしか乗らなかったというから、誰か絶叫系だめな人いたの?と聞いたら、
(・・・ハイッ。!笑)
とユリちゃんが細長い手をすっとあげた。
私が絶叫ダメだから、二人には申し訳なかったケドきゃわたんなのにしか乗ってないんです、と小さい鈴がしゃらしゃらと鳴るような小声。
"きゃわたん"てコトバも久しぶりに聞いて、脳内でパッとパンジーの花が開いたみたいな気持ちになった。

そんなユリちゃん、クリームパスタを食べながら、同じことでミスしちゃった、とか仕事のできなさでずーんと落ちこんじゃうと少し涙を浮かべていた。
しっかりものすぎるくらいに見えているし、なんなら入社して半年でこれだけできるってすごいな、と思っていたから、それを聞いて意外だったな。

やっぱり仕事の中だけじゃなかなか感じてることってわからないし、立ち止まって、これからもっと話せたらいいな!

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