冨田智嗣

難病持ちの専業主夫です。できる範囲で家事・育児の日々でしたが、娘は大学生に。

冨田智嗣

難病持ちの専業主夫です。できる範囲で家事・育児の日々でしたが、娘は大学生に。

最近の記事

『おねはん』の話

 昭和9年生まれの母は6人きょうだいでした。一番上に姉、続いて長男、母、妹が二人、末っ子に母と同じ干支、つまりひとまわり下の弟。祖母は3人流産したそうで、『おかあちゃんは、ずっとおなか大きかった』と母はよく言っていました。  一番上の姉は、家族から愛着を込めて『おねはん』と呼ばれていました。幼児の時に高熱を出し、重い半身麻痺と知的障害が残りました。子供の頃はそれでも朗らかにきょうだいとも遊んでいたようなのですが、長ずるにつれ精神を病みました。ぼくの知っている叔母の『おねはん

    • 春はあけぼの

      春は年度始まりだけれど、季節の変わり目なので、良いスタートを切るのが難しいです。 今月初めに、急な冷えも重なり、お腹をひどく壊してから調子が悪く、ハングル書堂にも参加しようかと思っていたのに行けずじまいでした。 きょうは雨。にぶい腹痛が治らず、ただ横になるしかないです。痛みが持続するのは辛いです。持病が悪化していなければいいけれど。家族にも迷惑をかけていいことがないです。 体調管理は節制を固く守れば良いのでしょうが、なかなか難しい。ぼくは長年の不眠症なので、良い生活リズムの

        • 共感するということ

           年が明けました。昨秋からの体調不良が長引き、例年になく気持ちが片付かないまま年の瀬を迎えるなか、会員として活動のお手伝いをしている『韓国の原爆被害者を救援する市民の会』の会報発送作業に出向きました。  帰宅後、一緒に作業をした会長の市場淳子さんと松田素二さんご夫婦から、顔色のすぐれないぼくの体調を案じたメールがつれあいに届きました。ぼくは、つれあいの指導教官でもある松田さんへ、自分の最近の体調を綴ったメールをお気遣いへのお礼も兼ねて書きました。すると、すぐにまた松田さんか

        『おねはん』の話

          はたらく、生きる、病む、老いる

          ゆううつな年の瀬です。 年末年始くらいは、穏やかに過ごしたいですが、秋の終わりから体調がすぐれず、検査もまだ控えているので気分も晴れません。 自分なりに動けるときは、専業主夫らしく、いろいろと働けている気にもまだなりますが、寝込んでしまうと家のこともほとんどできず、家族にも迷惑をかけるばかりです。 こんなんで生きていていいのか、まだ生きていたいですが、自問自答の日々が苦しく、身体の不調に拍車をかけてしまいます。 働くとはどういうことなのか、生きていくとはどういうことか

          はたらく、生きる、病む、老いる

          喫茶・古本・中古自転車

          カフェ・喫茶店をやってみたいと思ったことのある人は、少なくないのではないでしょうか? 長くて奥行きのあるカウンターを備えた、ニューヨークのダイナー風のお店のオーナーなんてかっこいいな、と若い時には思いましたが、今はそういうお店にお客として行くのはいいけれど経営する根性はないです。 もし何か商売ができるとすれば、ハンディキャップのある人も含めて、つまり興味のある人なら誰でもお店に働きに出られるような喫茶と軽食のお店に、古書店と、リペアした中古自転車の販売店を一緒にしたショッ

          喫茶・古本・中古自転車

          生産性とのたたかい

          体調ひどいですが、大阪の漢方医まで来ました。医者に滅多に行かない人というのは、ただただ羨ましいですね… たたかうのは苦手なのですが、ほかに言葉が見当たらないので、きょうは生産性とのたたかいについて… 『生産性』という言葉が世間を賑わしたのは、自民党の女性議員がこの言葉を使ってからでしょうか。女性の場合は、子供を産む・産まないが取り上げられることが多いと思いますが、男性は家族が養える『甲斐性』の有無でしょうか。 時代を映し出す新しい言葉、ある意味ネガティブな流行語のように

          生産性とのたたかい

          藤本巧写真展 at 大阪韓国文化院

          土曜日の夕方、つれあいと大阪の韓国文化院に行ってきました。 ちょうど昨年の今頃、その時は娘も一緒にこの韓国文化院まで来ました。お目当ては第39回土門拳賞を受賞された藤本巧さんの写真展。藤本巧さんが半世紀にわたって日韓交流の歴史を追い続け、韓国に残る日本式住宅から明治以降に移住した日本人漁民の歴史をたどった土門拳賞受賞作の写真集、『寡黙な空間』がもとになっていました。

今回も、その藤本巧さんの写真活動50周年記念巡回特別展で、『浅川巧が愛した韓国と民藝ーソウル忘憂里と浅川巧

          藤本巧写真展 at 大阪韓国文化院

          空振り…

           きょうは先週の検査の結果を聞くべく長堀橋の診療所まで。  JRで行こうとタクシー飛ばしましたが、貨物列車と人が接触して上下線とも不通。30分後くらいに復旧予定だが延びる可能性もあるとのことで路線変更、タクシーで阪急電車へ。  どうも人身事故とは少し違うようですが、ホームドアは税金を入れても完備してほしい。事故による遅延のたびに明日は我が身かもしれない人々がグチをいう世の中は間違っていると思います。  震災のあった2011年は、日本の総死亡数は前年より減少したそうですが

          空振り…

          家事なんてバカでもできる

          子どもの頃、母がぼくに家の手伝いをさせるときの決め台詞は、『家事なんてバカでもできる』でした。 バカでもできる家事を専らにしているのだから主婦はばかだ、と言いたいのではもちろんなく、家事なんて簡単なのだから、難しくてできないと言って逃げるのは男の子でも許されない、と言い聞かせたかったのです。 ぼくがいろんな経緯があって主夫をしていられるのは、小学生の頃から、雑巾の絞り方に始まり、さまざまな家の手伝いをさせていた母の躾も大きいと思っています。 母は女性運動に関わっていたことが

          家事なんてバカでもできる

          女性の基本的な喜び…

          娘が小さい頃、デザイナーの大橋歩さんが手作り感覚で発行していた雑誌『アルネ』を好きで買っていました。既刊のものをバックナンバーで揃えた分が多いので、買いはじめたのは発行からかなり後になってからのように思います。 中でどうしても忘れられない記事があります。輪島で塗師をしている夫を、職人さんとともに面倒を見ている主婦に取材したお話なのですが、彼女の『人に食べさせたり、子供を育てたりすることは、女の人の基本的な喜びだと思うの』というお話を読み、育児真っ只中のぼくは強烈な違和感を感

          女性の基本的な喜び…

          たぶん今年最後の秋日和の週末、けれど寝てばかり

          日曜の午後、天気は下り坂ですが暖かい週末。きょうはつれあいがコリアンタウンで学生を連れてのフィールドワーク。韓流好きの娘も一緒に。 ぼくは、フィールドワークのあと梅田で家族と待ち合わせて…と今月初めにはみんなでそんな計画。それが体調崩して、検査結果にも参ってしまい、寝込んでしまった。 自分なりに、持病とつきあってきましたが、たたかうのは苦手。『たたかう』という漢字も嫌です。 全力で、も苦手かな。ゆるすぎる人生でしょうか?こうでもしないとなかなかやってこれなかったかな、と

          たぶん今年最後の秋日和の週末、けれど寝てばかり

          検査の日々

          患っている病気は潰瘍性大腸炎、長らく寛解しているのですが、元々が虚弱なせいか、しんどい日々です。 長梅雨のような夏に苦しんだ後、秋には体調が上向き、よく食べて、わりとよく歩いたのですが、11月に入って、原因不明の全身の痒みと胃腸の不調。 かゆみはお腹の調子が悪いと出ることがあるのですが、一日二日で治ります。今回は痒みが強めで続くので、かかりつけ漢方医を受信、血液と腹部エコー。 血液はビリルビンが3.0と高め以外は問題ないそうです。ビリルビンは体質性黄疸ということで普段か

          検査の日々

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          こんばんは。冨田智嗣といいます。同居人はつれあいと娘一人の3人家族。 娘は大学生になりました。主夫という言葉も最近は珍しくないと思いますが、自ら望んだのではなく、他に仕方がなかったからですが、なんとか50年以上やってきました。 思いつくまま、趣味や世の中のこと、病気のことなど綴っていきたいと思っています。 よろしくお願いします。 追記:写真は2015年、チェコ ・プラハのプラハ城にて。海外は韓国のみで、僕の体では欧州は遠くて無理、と思っていました。つれあいに引っ張られ、何度

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