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藤本巧写真展 at 大阪韓国文化院

土曜日の夕方、つれあいと大阪の韓国文化院に行ってきました。

ちょうど昨年の今頃、その時は娘も一緒にこの韓国文化院まで来ました。お目当ては第39回土門拳賞を受賞された藤本巧さんの写真展。藤本巧さんが半世紀にわたって日韓交流の歴史を追い続け、韓国に残る日本式住宅から明治以降に移住した日本人漁民の歴史をたどった土門拳賞受賞作の写真集、『寡黙な空間』がもとになっていました。

今回も、その藤本巧さんの写真活動50周年記念巡回特別展で、『浅川巧が愛した韓国と民藝ーソウル忘憂里と浅川巧の故郷北杜市』と題した写真展です。

藤本巧さんは1949年島根県生まれ。藤本さんのお父様が木工の仕事をしておられ、出雲大社の指物職人でもあったこともあり、お父様は柳宗悦を尊敬しておられたそうです。お父様はその柳宗悦と一緒に、朝鮮半島で日常的に使われていた陶磁器や木工品を芸術として研究した浅川巧を深く敬愛し、ご子息である藤本巧さんのお名前も浅川巧にちなんだのだそう。

今回は藤本さんが在廊しておられる時に訪れることができたので、お話を伺い、一緒に写真まで撮っていただきました。

静謐でまっすぐな作品群は、圧倒されるというより、心の深いところに誰しも持っていそうな、忘れてしまいそうだけれど何か懐かしいものに語りかけてくるような気がしました。
藤本巧さんも、作品と同じく大変誠実な方でした。

50年前、はじめて韓国を訪れた時のわくわく感は今も変わらないのだそうで、ものづくりを仕事とされる人には必須の心持ちだなあ、とも思いました。



ぼくは、アンリ=カルティエ・ブレッソンやロバート・フランク、ウィリアム・クラインなどの作品であるキャンディッド・フォト、つまりスナップ・ショットが好きなので、人物の写真に目が行きました。失われていくものをなんとか記録しておかねば、という静かな情熱で仕事を続けてこられたことに敬意を表します。
画像は50年前の韓国の子供たち。


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