今さらですが、文庫本巻末の「解説」。あれはどう考えれば良いのでしょうか?
”「解説」ってのはね・・・・” みなさんのご意見をお聞かください。
これは、あさのあつこさんの『弥勒の月』です。
見事な時代小説です。一読、ずずずっと引き込まれてしまった。
この文庫巻末の「解説」を、惜しくも逝ってしまわれた読書狂(失礼!)児玉清さんが書かれています。
ぼくは読了したその勢いで児玉清さんの「解説」に行き当たった。
児玉さんは解説に、あさのあつこさん初の時代小説にも関わらず、虜になってしまったこと、あさのさんが、何故この物語を、この時代小説を書かねばならなかったのか、書きたかったのかを的確に解説されていた。
その上で、『弥勒の月』を読まずして、あなたは何お読みになるおつもりか!、と本好きを真正面から煽ってこられる。
ぼくは、児玉さんの小説への限りない愛情、愛着につくづく感じ入ってしまって涙しそうになりました。
まあ、児玉さんのお書きになった『ひたすら面白い小説が読みたくて』を読んでいたというのもあるのですが。
今、文庫本カバーの裏表紙には、大抵あらすじが掲載されています。
本書もほら、
まだ書籍を売る側に居たころから思っていたことですが、裏表紙のあらすじがお客様の購買意欲を掻き立てる、いわゆるセールスプロモーションのツールになっていることに異論はありません。
では、巻末に位置する「解説」は…?
購入された方が、ああ、なるほどそういうことか、と読了後に納得されたり、さらに深く理解されたりということはあるだろう、と。
気に入った作品であればSNSを通してその存在、価値が拡散され、次の購入へつながるという可能性もある。
これが購入前、書店店頭に陳列されているシチュエーションでは、どうなんだろう?
と、時々考えるのです。
どの文庫本の巻末「解説」も優れた見識と情熱をもって書かれています。
いますが、ぼくが老婆心するのは、
こんな「解説」だったらもっと良いのに…
買う前に必ず読んで参考にするのに…
本屋さんは、文庫の「解説」をこの様に活用すればいいのに…
なんか、そんなことなのです。
みなさん、どうお考えでしょうか?
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