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ピエール・エルメのレシピで作るフィナンシェ・キャレ・ブラン

サリュー!ケイチェルおじだよ。

焼き菓子のなかで1番美味しいのはフィナンシェではなかろうか、とおいたんは常々思っている。マドレーヌのようにヤワではなく、ポキっと折れそうなソリッド感とふんわりしっとり感の絶妙なバランス。初めて行く洋菓子店では最初にフィナンシェを買ってみたくなるし、どのコンビニで買っても、ファミマでさえもフィナンシェは美味しい。てかコンビニのフィナンシェではファミマが多分1番美味しい。大概のものが不味いファミマだけど、焼き菓子(とファミチキ)だけはレベルが高いのが不思議だ。

なーんて、フィナンシェ(ファミマの)への愛を語ってる割には、おいたんは1回しかフィナンシェ作ったことなかった。

このときはエルメのレシピ本買う前で、ネットのレシピを見て作ったんだったな。

先週メープルシフォンを作ったときに余ったメープルシロップを消化できるお菓子はないかと『ピエール・エルメが教える焼き菓子ブック』を見てたら、"フィナンシェ・キャレ・ブラン"というのがあったので、そのレシピでフィナンシェを作ってみようと思ったわけだよ。

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ちなみに"キャレ・ブラン(carré blanc)"というのは「白い四角」という意味だけど、「イスパハン」や「アンフィニマン」みたいなエルメのお菓子シリーズのタイトルらしい。メープルクランベリーを使うのがこのシリーズの特徴のようだ。

ただ、ピエール・エルメ・パリのサイトによると、「"キャレ・ブラン"というのは、古き良き時代に、子供に見せられない大人向けテレビ番組を意味する印として使われていました」とのこと。何がなんでもどんな味なのか探求せずにはいられなくなるような「大人向けならぬ食通向けのお菓子」というコンセプトらしい。

それはさておき、ここから先はマニアックな話になるので製菓オタ以外の方は適当に読み飛ばしてくれ。

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まずは、初回にしては上手くできた前回のフィナンシェの反省点から。細かいことを言えばキリがないのだろうけど、最大の問題点は裏面の焼き。

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ところどころ浮き上がってボコボコしちゃったんだな。さらに言えば一般的にフィナンシェの裏面は、フチにホワイトラインが入って真ん中が四角く焼き色がついてるのが理想らしい。まあ使ってる型がそもそもフィナンシェ型じゃなくて100均のスティック菓子用シリコン型だから、理想の焼き色までは求めないけど、デコボコなのは何とかしたい。

エルメ本によると、まず焼く前に予熱で天板を温めないといけないらしい。さらにYouTubeでフィナンシェ関連の動画見てたら、型にバターを塗りすぎると浮き上がりの原因になるそうだ。今回のエルメ本では、サラダ油を薄く塗ると書いてあるので、そうしてみよう。気をつけるのはこの2点かな。

では材料です。

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<ピエール・エルメのフィナンシェ・キャレ・ブラン:スカッド>
粉糖:40g
アーモンドパウダー:30g
ヘーゼルナッツパウダー(空焼き):5g
メープルシュガー:55g(→50gに変更)
強力粉:40g
ベーキングパウダー:1g
卵白:100g
転化糖(トリモリン):5g(→煮詰めたメープルシロップ15gに変更)
焦がしバター:65g(バター80gから作る)
ドライクランベリー:50g

昨日のクイズ、見事「フィナンシェ」を当てられたパタさんancoさんが優勝です!パタさんのスイーツ探偵レベルがヤバいことになってるのに驚愕!もう探偵としての力はユイじょりさんを超えたんじゃなかろうか。ancoさんは以前エルメレシピのケークシトロンを作って頂いただけあって、さすがです。

その他の方々のお答えですが、前の記事にも書いた通りフィナンシェは全卵ではなく卵白のみを使い、粉が少なくて水みたいにゆるい生地が特徴なので、同じ材料で他の焼き菓子にはならないと思われます(まみげさんのバタークリームダックワーズは、BPを使うのがありなら可能?まみげさんは自己採点でお願いします)。

で、多くの方を惑わせたらしいヘーゼルナッツ。エルメのフィナンシェはどれもヘーゼルナッツパウダーが使われるのが特徴らしいけど、先週TOMIZに買いに行ったら100g600円くらいして、思わず買うのを躊躇してしまった。

そこで、ヘーゼルナッツなら普段おやつとして食べてるロカボナッツに入ってるじゃん!てことで、毎日一袋ずつヘーゼルナッツだけ取り出して収集してたわけよ。

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これをパウダーにすればいいんだよね?たまたま空き瓶を取ってあったソルトミルでパウダーにしました。

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ちょっと時間かかったけど、分量の5gちゃんと取れた。

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他の下準備としては、ドライクランベリーを細かく刻みます。

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焦がしバターを作ります。

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焦がしバターも以前はcookpadで見た作り方で混ぜずに泡の具合を見て最後に濾すやり方をしてたけど、YouTubeでパティシエの人がやってた泡立て器で混ぜながら泡と色の具合を見て、濾さずに使う方法を採用。ぐっと楽になったわ。鍋底を冷水で冷やす容器がなかったので濡れ布巾にジューと当ててすぐに計量。

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型に指で薄くサラダ油を塗って、絞り袋にクリップを付けて準備しておきます。

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強力粉とベーキングパウダーを振るい合わせておいて、下準備は完了。あとは混ぜるだけです。

最初にアーモンドパウダー、ヘーゼルナッツパウダー、メープルシュガー、粉糖を泡立て器で混ぜ合わせます。ダマがなくなるようにしっかりと。

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ふるい合わせた強力粉とベーキングパウダーも混ぜます。

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ここに卵白の半量を入れてよく混ぜます。

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レンジで煮詰めたメープルシロップを入れて混ぜます。

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残りの卵白を2回に分けて混ぜます。

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焦がしバターを入れて混ぜます。

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最後にドライクランベリーを混ぜて、生地のできあがり。

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絞り袋に入れます。

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型の8分目くらいの量を絞り出します。

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フィナンシェの生地はかなり緩いので、絞り袋の先を親指で摘みながら絞り出しを調整します。最初はぎこちなくて、結局スプーンで量を調整した。

ここで、オーブン200度で天板を3分空焼きしました。うちのトースターみたいなオーブンは「すぐ高音になるので予熱不要」なタイプなので3分だけ。普通のオーブンの場合は予熱時に天板を入れとけばいいと思います。

レシピ本だと190度に落として9分なんだけど、とりあえず200度のまま様子を見て11分焼きました。

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フィナンシェは全体にしっかり焼き色が付くように焼き切るのがフランス流という話も聞いたことあるけど、エルメのキャレブランはやっぱり「白い四角」を目指すべきなんだろうなあ。まあ第1陣は様子見。

すぐに型を裏返して網に取り出します。

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型離れが良くなくて、1本折れた。他のやつも少しボソっと剥がれたところが。でもまあ基本平らにはなってるようだ。

まだまだ生地は余ってるので第2陣。今度はサラダ油をさっきより多めに塗って、210度で10分にしてみた。途中天板を反転。

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今度は型離れもいい。

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表面。

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型の性質上、縁の焼き色が左右の2本は3辺に、真ん中の2本は上下2辺にしか付かないようだ。まあこれは仕方なし。

生地はぴったり第3陣まで取れました。欲張って残り全部詰めたら8分目超えたかも。でも絞り袋の扱いには慣れてきた。

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今度は210度9分、途中反転。

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量が多くて少しはみ出したけど、焼き色はこれが1番いいみたい。

全部並べてみました。なかなか壮観。

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全部で24本あるはずなのに20本しかないね。もちろん、フィナンシェは焼き立てが1番美味しいって言うので、4本は熱々をすぐ食べました。いやーこれ、食べたら天国に行けるやつだわ。めちゃくちゃ美味しい。

iPhoneの写真加工でエルメ本っぽくしてみました。

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つまみ食いしながらお裾分け用のラッピング。

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冷めても美味しいわ。クランベリーの酸味と仄かにメープルの味も感じられて、今までに食べたフィナンシェのなかで1番美味しい。

ちゃんとしたフィナンシェ型があればいいんだろうけど、マドレーヌ型に比べてフィナンシェ型って全然売ってないよね。5000円くらいのやつならあるけどさ。年に1〜2回しか作らないお菓子にそこまでは出せないから、しばらくは100均のスティック型で工夫しよう。

あと、フィナンシェにもマドレーヌみたいに「ブードット」という"おへそ"があるのが良いと言う人もいるみたいだけど、おいたんはマドレーヌのへそすら美しくないと思うのに、金の延棒みたいな形であるべきフィナンシェで"へそ"なんてとんでもない!と思うんだよなあ。今回はエルメ本のフィナンシェみたいに少しぷっくら割れ目が出たけど、これすらない方がいいと思ってしまう。でもこの辺は人それぞれ意見が違うところが面白いんだけどね。

というわけで、note製菓勢のみなさんはぜひフィナンシェを。製菓勢じゃない人はファミマにGOだ。

おわり。

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