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トトロを見たことがない/未体験は宝の山
かまいたちの漫才で、「となりのトトロ」を一度も見たことがないのが自慢、というネタがあった。一度でも見た人は、二度と「見ていない」に戻れないが、一度も見ていない人は、「見る」か「見ないを続ける」かの選択肢を持つからだ。
経験は未経験の消費で、未経験は未来に経験する楽しみの温存だ、と言える。若いうちの経験は財産だというが、未経験もこれまた財産だ。特に、膨大な定年後時間の潰し方を考え始めないといけない50代にとって、良質の未経験コンテンツは宝の山だ。
私は学生時代にサブカルとバックパック旅行にはまって以来、メインストリームのカルチャーからはすっかり置いてきぼりである。若い頃はつっぱってメジャーなものから距離を取ってきた感じもある。今となっては、役に立たないこだわりは必要ないので、マイナー、メジャー問わず、歴史の評価を受けてきた名作を楽しみ尽くすだけだ。
自分にとっての未経験=未来の楽しみコンテンツは下記のようなもの。
①ジブリ:「千と千尋」だけは見た。トトロ、火垂るの墓等、それ以外の作品は未経験。
②村上春樹:「ノルウェーの森」と数冊の短編集以外未経験。
③宮部みゆき、東野圭吾等ベストセラー:映画、ドラマのみ。小説は未経験。
④ドラゴンボール、ワンピース、スラムダンク:平成以降の大作漫画ほとんど未経験。
⑤ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー:最近まで家庭用ゲーム機を持ったことがないため、ロープレは全て未経験。
⑥サザン、ミスチル、ドリカム等:メジャーなシングルカット曲以外未経験。
⑦スターウォーズ、マーベル、ハリポタ等。
毎年新作リリースを待たなくても、ストックコンテンツだけで一生楽しめそうだ。老後、娘に裏技を聞きながらドラクエを一つ一つ攻略したり、孫と一緒にハリポタ映画を初観賞するのも楽しそうだ。
熱心にメインストリームカルチャーにキャッチアップしてきた同輩も、決して老後の楽しみが残っていないと心配する必要はない。古典とサブカルとバックパック旅行が未経験なら、一生楽しめることを保証する。
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