レンズを通じて視る世界は 見慣れた光景でも 新鮮な驚きに出会える
2017年4月〜2019年3月まで、認定NPO法人Kacotam(カコタム)で「カコタ部写真部」の部長を務めていました。
カコタ部とは
カコタ部は、2017年4月、Kacotamが普段学習支援で関わる子どもたちからのニーズを受けて、学校や家庭以外の場所で、大学生、社会人のメンバーに教わりながら、学年・学校文化の異なる子どもたちが集まり、自分の好きなこと・興味のあることを継続的に深められるKacotamの部活動としてできた活動です。2019年3月末をもって、カコタ部としての活動は一度終了し、子どもの「やりたい」をカタチにするプロジェクトに引き継がれました。
写真部
カコタ部写真部は、「レンズを通じて視る世界は 見慣れた光景でも 新鮮な驚きに出会える」をスローガンに、テーマを決めて写真を各自で撮って持ち寄って講評会をしたり、様々な場所やテーマで撮影会を行ったりしていました。
スマホやSNSの普及で、写真を撮ることや共有することは、子どもたちの日常に溶け混んでいます。そういう意味では、写真の世界への入り口は広がりましたが、「自分の思い描いた写真を撮りたい」というのは、なかなか一人では達成しにくいことに変わりないように思います。
また、気の知れた人たちと行くぶらり撮影旅は格別です。カコタ部写真部では、「撮る人を撮る」「撮る人を撮る人を撮る」「撮る人を撮る人を撮る人を撮る」......という「撮る人を撮る」シリーズが撮影会の途中で発生することがしばしばでした。最初はスタッフが、活動の記録写真として撮っていたはずが、子どもたちも撮る様になり、「撮る人を撮る」の連鎖が生まれました。気の知れた仲間同士での撮影会だからこそ、気兼ねなくできたことなのかなと思っています。
カレンダープロジェクト
活動1年目の総括として、子どもが撮った写真を使ったカレンダー(壁掛け・卓上)を制作しました。
2017年4月〜2017年12月に撮影した写真の中から、各月の季節感にあう写真を子どもたちに選んでもらいました。
ちなみに、7月を飾った「水浴びをしたトマト」は、iPhoneにクリップでつけられるマクロレンズをつけて撮ったものです。
写真部の活動のときには、スタッフの一眼レフカメラを子どもに貸し出して使ってもらっていたのですが、子どもとスタッフの人数が合わないときには、クリップ式のスマホ用レンズを貸し出して子どもが自分のスマホで撮ることもありました。
普段なかなか手にすることのない一眼レフカメラを使えるというのも写真部の活動の楽しみでしたが、スマホのクリップ式レンズも興味を撮影の幅を広げる、安価で手軽に使えるもの(100均でも販売されている)として興味を持ってもらえたのかなと思っています。
部長としての想い
写真部としての活動は、写真にそれなりに興味はあれども、実は「写真」というよりも、「気の知れたKacotamの人とどこかにお出かけできる」と言うことの方が子どもたちにとっては大きな活動理由になっていたような気がしています(初期の頃は特に)。
それでも、活動を積み重ねていく中で、写真に対して真摯に向き合う瞬間が垣間見られることが増えていき、その後の趣味にしてくれた子もいます。
また、被写体のことや、撮影会のついでに立ち寄った場所では、”生々しい学び”があふれていたように感じています。
スタッフ側のスケジュール調整や、運営予算の問題、猛烈な雨男(!?)の存在により、なかなか思っていたほどの頻度で撮影会ができなかったのは心残りですが、少なからず、子どもたちにとっても、スタッフにとっても、心に残る時間を過ごせていたのなら、嬉しいなと思います。
活動の軌跡
カコタ部の活動の軌跡は、他の部活動(イラスト・軽音)を含め、CAMPFIREのカコタ部のファンクラブページで見れます。
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「ブラック部活」「体罰」などで、負の側面が最近取り上げられがちな部活動ですが、関わる人がそれぞれ「好き・興味」を深められる場としては貴重な場だと思います。
高校教諭時代、やりたい部活動をできたかどうかで、学校生活を「よく」過ごせるかどうかの分岐があったことは忘れがたいです(必ずしも部活動でなくとも、学校の中で自分が活躍できる場でも良いとは思いますが)。
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