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クラロワリーグ | ライキジョーンズ - 私のCRLベストゲーム

2019年6月23日、CRL Asia 2019 Season1 Playoffs Match6。
「あの試合のために超練習して対策して勝ったのを鮮明に覚えてます」


2021年、『クラロワリーグ』の仕組みが大きく変わって、3年間続いた”チーム戦”の歴史が終わり、全く新しい”個人戦”の年間大会が始まることになりました。新しいものは新しいもので楽しんでいくにしても、そうは言ってもさびしいなあ、という感情がファン的には残っています。

そこで、このタイミングで、3年間のプロリーグ団体戦の思い出だったり”CRLでのベストゲーム”だったりという共通のテーマで、プロ経験者の方々にお話をうかがってみたいと思いました。

第10回は、ライキジョーンズ選手編です。

ライキジョーンズ TwitterYouTubeInstagramMildom
「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ(CRL)」で活躍した日本人プロ選手。日本のeスポーツチームPONOSに2018年~2020年の3年6シーズン在籍した。選手としては2v2を中心にトータルに活躍したが、ムードメイカーにしてエンターテイナーなキャラクター性の面でもチームにリーグに欠かせない存在であった。決まり文句は「いーっ、やっちゃうよ!」。
2021年はFAV gamingのストリーマー部門として活動していく事になった。
近況としては、YouTubeの企画「破産道」でお金が無くなるわ、クラロワ界隈の桃鉄で最下位になり”TikTok周遊”という地獄のような罰ゲームを引くわで、本人曰く「ラッキーですね!!」な毎日なのだそうだ。



1.プロリーグでチーム戦を闘ってきて

――クラロワリーグ(CRL)の仕組みが今年2021年に大きく変わって、3年間続いたチーム戦が終わり、個人戦の全く新しいフォーマットになりました。
プロチームに所属してリーグ戦を闘ってきたプロ経験者として、この大きな変更をどう受け止めていますか?

ライキジョーンズ
寂しい気持ちは勿論あるんですけど、この変更は合っていると思ってます!

1年目の世界大会は日本開催なのもありYouTubeで同接(同時接続数)4万もあったのに比べて、2年目と3年目は半分の2万同接でした。
なので、何かの変化はさせるべきでそこは仕方ないと思ってます!

――YouTube Liveの同接に言及された方が初めてなのでお聞きするのですが、ライキ選手は自分の試合の同接の多い少ないは気になった方でしたか?

ライキジョーンズ
僕個人の試合は見てないけど、ポノスが出た時の同接は気にしてます!


――プロチームの所属経験者として、チーム戦と個人戦にはどのような違いがあると思いますか? 

ライキジョーンズ
選手の目線だと、KKのようなプロ選手を続ける人以外は世界一を目指して練習することはなくなるのかなと思いました。

俺もだけど、世界で1番を目指すよりも自分の活動(YouTubeやMildom)の方を優先しなきゃ行けないので。当たり前ではあるけど、チーム戦の時のような熱量を持って練習は出来ないかなと思いました。

――「選手」と「ストリーマー」の違いですね。

ライキジョーンズ
ファンの目線だと、単純に見る理由がなくなると思いました。

現状のリーグは問題点は多くて、配信がどこでやっているのか分からない、ルールが複雑で分からない、見たい選手がどの時間か分からない、長すぎるなどがあって。

元プロとかは最低限の宣伝(配信先のリツイートなど)はするけど、見てもらう努力はチーム戦の時よりしなくなるし、アマのトップやプロ歴が浅かった人などは配信先の拡散などもしないので、なかなか厳しいなーと。

もちろん実力が出やすいとか、知名度は低かったけど上手かった人が成り上がれるとか、個人戦のいいところもあるんですけど、、、
ネガティブですみません笑

――いえいえ。1人のクラロワファン、1人のSupercellクリエイターとして僕も2021年のCRLには危機感をもっています。たとえば、2月のマンスリー予選中継でのライキさんの奮闘には涙ぐましいものがありました...。
いいことがあったとするなら、”実況解説のライキさんと一緒にあの日の混乱を経験できたよね”というのは、将来的にいい思い出というかネタというかになりそうな気はしてます。

ライキジョーンズ
本当にそんな大きなことしたつもりはないけど、そう思ってくれる人もいるんですかね笑。いたら嬉しいです笑


――思い返せば、CRL初年度2018年はアジア3拠点を転戦、2019年は韓国開催で外国暮らし、2020年はコロナ禍のオンライン開催と、同じリーグ戦と言っても毎年コロコロ仕組みが変わる中で選手の皆さんはリーグを闘ってきました。
いまふりかえってみて、あれは特に大変だったなーという思い出はありますか? 逆に、あれは最高に楽しかったなという思い出はありますか?

ライキジョーンズ
大変なのも楽しかったのも2019年でした。

特に大変だったのは、みかんさんとフチが赤犬と青雉だったことすかねwww。7割みかんさんが悪いけどw

楽しかったのはシンプルにみんなと暮らしたことですかね。
俺は同居に関してストレスは全然なかったので、普通にクラロワしたりジム行ったり風呂入ったりみかんさんと言い合いしたり、楽しかったなあ!

――『ワンピース』の赤犬と青雉! それはそれは笑

(PONOSフリースロー対決 前編中編後編


――プロリーグの団体戦を長期間のシーズンにわたって行っていくと、練習などでチームメイトと過ごす時間も長くなりますし、試合会場などで対戦相手と顔を合わせる機会も少なくなかったと思います。
一番印象に残っているプレイヤーを1人挙げるとすれば誰になりますか?

ライキジョーンズ
やっぱ、みかんさんかなあ。

1年目からガチでお世話になったし、みかんさんにクラロワ教えてもらわなきゃ1年目で俺のプロ生活は終わってたと思います。
俺がちで下手だったんすよねww

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――みかん坊や選手ほどの師匠もそういないでしょうが、ライキジョーンズ選手の教わり力というか弟子力というか成長力も類を見なかったとファン的には思ってます。上手くなるために人に教わることに躊躇がなかったと言うか、ガンガン教わりに行っていたと言うか・・・。
この姿勢は元からそうだったのでしょうか、それともプロ入り前の社会人生活の影響があったのでしょうか?

ライキジョーンズ
もともと聞くことに抵抗がないのでガンガン聞く派ですね!

社会人生活では、「ただ聞くだけではダメ」ってことは教わったくらいですかね笑


――ライキジョーンズ選手は、3年間6シーズン、PONOS一筋でプロ選手活動されました。選手だけでなく、監督・コーチや他部門の選手、社員さんをひっくるめた「PONOS」というプロチームは、あなたにとってどういう場所でしたか?

ライキジョーンズ
まじであったけえっすポノス!

いい人しかいなかったし、この3年間ポノスに対して不満を持ったことがなかったですね。常に最高の環境を整えてもらってたと思います。

「こんなにいいんすか」っていろんな面で思ってました笑。


◆ ◆

2.私のCRLベストゲーム

――ライキジョーンズ選手が出場したCRLの試合の中から、一番印象に残っている”ベストゲーム”を選ぶとしたら、いつのどの試合になりますか?

ライキジョーンズ
2019年シーズン1の”勝てばWCGに参加できる時”のBenZer戦です。

――2019年6月23日、CRL Asia 2019 Season1 Playoffs Match6の対Chaos Theory戦ですね。Set2(1v1)にライキ選手がBenZer Ridel選手を2-1で破り、決勝進出とWCG出場が決まった一戦でした。

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――あの試合を選んだ理由をおしえてください。

ライキジョーンズ
「勝てば世界大会(WCG)&決勝進出」という状況で出たのと、あんときのBenZerマジで強くて。あの試合のために超練習して対策して勝ったのを鮮明に覚えてます。

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――あの試合に臨むにあたってどんな準備をされたのか、くわしくおしえてください。

ライキジョーンズ
オーダーは1週間前くらいに決めて、あとはひたすらBenZer対策をしていました。

(BenZerが得意とする)迫撃をBANすることにして、迫撃以外の全てのデッキを対策してた記憶があります。みんなに練習を付き合ってもらったけど、特にRADと立ち回りを研究しながら勝てるまで何十戦もしてもらいました。

俺は反復練習が得意なので、BenZerのように”超上手いけど同じデッキを出す相手”には割と得意な印象があります。俺の反復練習に「地獄だー」とか言いながら、みんな嫌々付き合ってくれたのを覚えてますww

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――その「地獄」という単語で練習量が伝わってくる気がします笑。
あのPlayoffsでのPONOSの状況は、まずKIX対OGNの勝った方との試合があって、それに勝てば同じ日にCTとの試合が待っていました。1試合目に勝つ前提で2試合目の起用と対策をしっかり準備していたということですね?

ライキジョーンズ
はい!
なので1試合目は確か全部出ないで、チームメイトに任せてた気がします。


――試合本番についてくわしく教えてください。試合中はどんなことを考えていましたか? 勝敗を分けた要因は何だったのでしょうか?

ライキジョーンズ
あんまり詳しいことは覚えてないんですけど、緊張がおさまらなかったのと本番の手札把握が苦手なのもあってずっと独り言を言ってました。

相手からしたらウザかったと思います笑。

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――”ライキ選手と言えばプレイ中の独り言”みたいなところもあります。具体的には相手デッキや手札の把握が目的なのでしょうか?

ライキジョーンズ
緊張しいだったんですけど、2vは緊張しなかったので「喋ったらいんじゃね?」的な感じで紛らわすためにやってました!

――謎が解けました!


――デッキ選択では、Game2のラヴァクローン採用に驚きました。あのデッキを選択肢に入れたのはどなたの発案だったのですか?

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ライキジョーンズ
確かSB選手(当時Talon)がラヴァクロでBenZerに勝ってたからだったと思います!(※Week8 Match64)

違かったら・・・もともとラヴァクロが好きだったからですかね笑

――どっちですか!笑


――Game2で追いついた後(BO3の1-1)に、相手がタイムアウトを取りました。フチ監督、みかん坊や選手とあのとき何を話したか覚えていますか?

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ライキジョーンズ
「倒してコメント付きでアーカイブ見るわ!」的な感じだったと思います笑


――試合に勝った時の気持ちをおしえてください。

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ライキジョーンズ
最近の世界大会とかもそうでしたが、意識的にではなく勝った瞬間無意識で叫んだり机ぶっ叩いたりしてます。

ほんとにそんくらい嬉しいんすよねえ。ごめんね、机!


▽ライキジョーンズ選手自身によるふりかえり動画


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3.プロ選手経験から得たもの

――「eスポーツ」という言葉が新語・流行語大賞のトップ10に入ったのは2018年のことで、男子中学生のなりたい職業2位が「プロeスポーツプレイヤー」になったのは2019年のことです。CRLはクラロワにとって初のプロリーグでしたが、そもそも日本ではプロゲーマーという存在自体が黎明期で今も発展途上のあたらしい職業です。
そんな「プロゲーマー・eスポーツ選手」を実際に経験してみて、なる前の予想通りだったこと、予想と違っていたことはありましたか?

ライキジョーンズ
予想通りだったのは、自分で作戦を考えて自分で練習して自分で試合するめちゃくちゃ楽しい仕事だってことですね。

予想と違ったことは、正しい努力では無かったり、考えが足りて無かったりする”ただの努力”だと、何の意味もなく簡単に負けることですね。

――”正しい努力”、ですか。重い言葉です。

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――プロとしての活動には、公式戦や試合に向けた練習はもちろん、写真撮影や取材対応に、チームの動画撮影やイベント参加なども含まれ、多岐にわたり忙しかったことと思います。
プロ選手としてのありとあらゆる活動の中で、「今、自分はプロゲーマーをやっている!」ともっとも実感できたのはどんなときでしたか? 

ライキジョーンズ
成人式で会う人会う人に「プロゲーマーなんでしょ?」って言われたことですかね笑。

――eスポーツが世の中に広まってきたとはいえ、同窓生にプロゲーマーがいたらそうなると思います!笑 


――プロとアマチュアの大きな違いの1つは、注目度の大きさとファンの存在だと思います。ライキジョーンズ選手にとってファンとはどういう存在でしたか?

ライキジョーンズ
優勝した時や世界大会に出た時に「ファンのおかげでここまで来れました」って言うけど、アレはきれいごとじゃなくてマジで。

どんなに練習しても勝てない時や大事な場面で自分のせいでチームが負けた時、今までには感じたことがない絶望感?的なのがあって普通にメンタルいかれるんすよね。そこでの応援コメントとかがあって「またやらなきゃ」ってなって気持ちになるんすよね。

生活の支え的な存在すかね?w

特に嬉しかったのは、韓国まで試合見にきてくれたのですかね。応援してるチームの試合があっても普通行けないっすよ。一人で来てくれた人とかもいてマジ感謝マジ卍って感じでした!

――プロとして活動していくということは常に結果を突き付けられることでもあるので、緊張感や重圧は大きいでしょうし、結果のよしあしによって周りの評価が180度かわるようなアップダウンも激しかったことと思います。
難しい状況や苦しい時に心がけていたことや、何が支えになって乗り越えることができたのか、おしえてください。

ライキジョーンズ
さっきと全く同じ答えになっちゃうんですけど、ファンの声ですね!


――最後の質問です。2020年12月をもって、「プロゲーマー・eスポーツ選手」としての冒険にひと区切りがつきました。この冒険で持ち帰ることができた”宝”や、この経験から得られたものがあるとすれば、ライキジョーンズ選手の場合、それは何でしょうか?

ライキジョーンズ
ひとつなぎの大秘宝ですね。
わかりやすく言っちゃえば、ワンピースですかね(決め顔)。
冒険したものにしか分からない的な深い深い意味を込めてます!

――深すぎてよく分かりませんが・・・『ワンピース』が完結したときにでも正解をお聞きしたいと思います。本日はありがとうございました!■

【取材日:2021年3月5日。DMでのやりとりをインタビュー形式に編集】



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+ オマケ:ライキジョーンズのTikTok周遊

クラロワ界隈「桃鉄」の罰ゲーム、”TikTok”。ライキジョーンズがライキジョーンズたる所以を知るための貴重な資料ということで、ここに並べて掲載させて頂きます。(彼の「領域展開」はここから始まった!)



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+ Information

ライキジョーンズ 
・CRL: PONOS(2018-2020)
・Clan: トレジャーハンター
・Best Trophies: 8370 
・Best Season: 56th (2020/12)
・Titles: 「第1回最強クラン決定戦2016」準優勝、「CRL Asia 2018 S1」優勝、「CRL世界一決定戦2018」ベスト4、「CRL Asia 2019 S1」優勝、「CRL East 2020 FS」ベスト2v2デュオ、「CRL世界一決定戦2020」3位
・SNS: TwitterYouTubeInstagramMildom


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Good game!


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