唯一無二のエンタメ企業! オリエンタルランドの株はなぜ買われるのか? 〜銘柄リサーチpart.3〜
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株まとめ@元証券マンと言います。
初めての方は、こちらの自己紹介記事をぜひご覧下さい。
これまでの株価分析記事の一覧はこちらです。
普段は割安株中心に、銘柄分析記事を連載形式で投稿しています。
今回の記事では普段とは趣向を変えて、投資先というより1企業として大好きな、(4661)オリエンタルランドについて、詳細を見ていきたいと思います。
とても思い入れのある企業になっていますので、ぜひ最後まで読んで頂けると嬉しいです!
こちらのハッシュタグのテーマにピッタリな企業だと思い、参加させて頂いております。(素敵なテーマですね!)
①オリエンタルランドってどんな会社なの?
オリエンタルランドは、サービス業セグメントに分類される企業で、米国のウォルト・ディズニー・カンパニーとフランチャイズ契約を結び、言わずと知れた東京ディズニーリゾートを運営しています。
やや複雑ですが、キャラクターの著作権や版権ビジネスは、全てウォルト・ディズニー・ジャパンが持っています。
アトラクションやショーの企画に関しても、米国ディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツ及びウォルト・ディズニー・アトラクションズ・ジャパンが担当していますので、オリエンタルランドは実務面の運営のみを行なっている状態です。
なんだかわかりにくいですね笑
また、意外と知られていないかもしれませんが、京成電鉄が約22%の株式を保有しており、資本関係上ではオリエンタルランドは京成グループの企業となっています。
ディズニーランドは鉄道系だったんですね!
京成電鉄についても、以前株価分析記事を書いていますので、こちらもよろしければご覧ください。
オリエンタルランドの収益事業は、以下の4つのセグメントに分かれています。
上から重要度が高い順に並べています。
※各%は、全社合計に占める割合
(1)テーマパーク事業
売上比率:82.7% 利益比率:83.1%
※東京ディズニーランドと東京ディズニーシー、2つのテーマパークの経営・運営。2つのテーマパークの年間合計入園者数は2500万人を超え、2013年には東京ディズニーリゾート30周年イベントが好評を博したことなどにより、入園者数は過去最高の3,130万人となり、初めて3,000万人を超えた
(2)ホテル事業
売上比率:13.6% 利益比率:14.9%
※ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ及び東京ディズニーランドホテルの3つのディズニーホテルと、その子会社が経営、運営する東京ディズニーセレブレーションホテル、浦安ブライトンホテル、京都ブライトンホテルなどを加えた合計7施設
(3)その他事業
売上比率:3.7% 利益比率:2.0%
※複合型商業施設「イクスピアリ」(2000年7月オープン)、リゾート内を走るモノレール「ディズニーリゾートライン」(2001年7月)など
オリエンタルランドの収益・利益ともに、80%以上が2大テーマパークの経営・運営から生み出されています。
ランドとシーすごい!
ただ、ホテル事業のセグメント利益も直近5年はかなりのペースで右肩上がりになってきているので、こちらの比率も今後はより高まってくるかもしれません。
②オリエンタルランドの規模ってどのくらい?
それでは次に、オリエンタルランドの定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:5兆4,135億円 ※2019年12月17日終値
●売上:5,256億円 ※2019年3月期
●営業利益:1,292億円(営業利益率 24.6%) ※同上
●当期純利益:902億円(最終利益率 17.2%) ※同上
●連結従業員数:全社合計 6,007人 ※2019年3月末
今まで見てきた企業に比べると、非常に利益率が高いですね。
営業利益率の24.6%というのは、この規模の会社であることを考えると驚異的と言えます!
(同じサービス業で時価総額1位のリクルートホールディングスの営業利益率は9.7%ほどとなっています)
ただ、いくら利益率が高いと言っても、売上の実に10倍もの時価総額というのはなかなか衝撃です。
ではなぜ、オリエンタルランドの株はここまで買われるのでしょうか?
続いて業績・配当の推移を見ていきます。
③オリエンタルランドの業績と配当金の推移は?
直近3年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
一株利益は横ばいからやや右肩上がりと言った推移で、配当金は右肩上がりと言えますね。
以下は月足チャートになります。
業績推移に比べて、株価が非常に綺麗な右肩上がりになっているところに、オリエンタルランドらしさが出ていますね。笑
オリエンタルランドの株価は14,885円であり、1単元保有するのに150万円近く必要です。金持ち!
こう言った高額銘柄は投機的な売買の対象となることが少なく、また、オリエンタルランド自体が固有のファンのいる会社なので、資産株として個人が保有していることが多く、株価が下がりにくいという特徴があります。
実際、僕が証券マンだった時のお客様で、優待券(パーク入場券)を毎年孫にプレゼントしたいので、値動きを気にせず保有し続けるご老人などもいらっしゃいました。
唯一無二のB to Cエンターテイメント企業であるため、やはり通常の上場企業とは趣が大分異なるように思います。
ちなみに、2019年12月17日終値ベースで、オリエンタルランドの各種指標は以下のようになっています。
⚫︎PER:64.2倍 ※東証一部 同セクター平均 23.7倍(2019年11月末)
⚫︎PBR:5.83倍 ※東証一部 同セクター平均 2.3倍(同上)
⚫︎配当利回り:0.29%
サービス業自体が割高になりやすい業種ではありますが、オリエンタルランドは平均に比べてもPER、PBRともにかなり高いですね。
普段は割安株の分析記事をメインに行っているので、オリエンタルランドの指標はとんでもなく割高に見えます笑
次は、リスクについて見ていきます。
④オリエンタルランドのリスクは?
オリエンタルランドのリスクについて見ていきましょう。
オリエンタルランド社自身は、自社のリスクについて、2019年3月期の有価証券報告書において以下のように整理しています。
(1)ブランド価値の低下リスク
東京ディズニーリゾートのブランドは、ハード面(施設、サービス)とソフト面(キャストのホスピタリティ)の2つから生み出されていますので、どちらかに問題が起きた場合はブランド価値が低下してしまう可能性があります。
ディズニーブランドが崩れるのはあまり想像したくないですね汗
(2)オペレーションに関するリスク
これについては「製品の不具合」「法令違反」「情報漏洩」などを挙げていますが、断トツで怖いのは「製品の不具合」でしょう。
実際、過去に事故なども起きています。
※参考『【観覧注意】東京ディズニーリゾートで実際にあった事故、事件まとめ』
家族連れもメインターゲットですから、親としては危険があるアトラクションは避けたくなると思いますし、短期的には客足が遠のき、ブランド価値低下にも影響すると思われます。
(3)外部環境によるリスク
これについては、「天候」「災害」「テロ・感染症」「景気変動」「法規制」を挙げています。
「災害」についてはクリティカルなリスクと言えます。直接被害がなくても東日本大震災の時のように、レジャーは慎まれる傾向があります。
また、可能性は低いかもしれませんが年間2,500万人も訪れる巨大テーマパークにおいては「テロ・感染症」のリスクもクリティカルになり得ます。
自社ではアンコントローラブルなので外部要因と言うわけですが、非常に怖いリスクと言えます。
⑤オリエンタルランドは今買うべきか否か?
以上、オリエンタルランドについて見てきました。
オリエンタルランド今買うべきか否かについてですが、まず1つの事実としてPER倍、PBR倍というには合理的に考えると高すぎます。
その上で100株で150万円ともなると、そうそう買える銘柄ではありません。
ただ、それでもなお、僕はこの企業を心からオススメしたいと思っています。
ここまで散々数字ばかり見てきてから言うことではないかもしれませんが、やはりオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)には、エンタメとしてもビジネスとしても理屈を超えた大きな夢を感じます。
オリエンタルランドの企業理念は以下のように掲げられています。
自由でみずみずしい発想を原動力に
すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供します。
僕自身も毎年のようにディズニーリゾートを訪れますが、行くたびに非日常感に興奮し、圧倒的なパフォーマンスのショーやパレードに感動しています。(特にダッフィーフレンズが好きです笑)
また、安全面や防災面の意識も非常に高く、東日本大震災の際の優れた対応は、大きな話題となりました。
※president online『なぜ「3.11」ディズニーのキャストの行動力が感動を生んだのか』
ビジネス的な観点からすると、その利益率の高さや業績の堅調さなどが目立ちますが、それはあくまで1つの結果に過ぎません。
オリエンタルランドの提供するエンターテイメントが圧倒的なものだからこそ、人は感動し、応援したいと考えて株を買い、結果として株価が上がっているのです。
⑥まとめ
今回の記事ではオリエンタルランドについて見てきました。
財務数値も色々見てきましたが、ビジネスや投資云々以前に、この会社の理念やエンタメ性が大好きなので、応援するという意味で株を保有したいと考えています。
もちろん好きというだけで銘柄を選んでばかりいると、手痛く損してしまうことも大いにあり得ますので、資金管理だけは慎重に行うことをお勧めいたします。
皆様が儲かる儲からないだけではなく、心から支えたいと思える投資先を見つけられることを祈っております。
本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。
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