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【2011年、転職活動記~26歳はじめての転職活動でボクが考えたこと~】6_最終

2012年4月6日:終わりと始まり 

 S社社員としての勤務一週目が終わった。

 N社にするかS社にするか、迷いに迷ったあげく、S社に決めた。決め手は、商社の方が若いうちに海外転勤の可能性が高いから。N社については取締役にも外国人が多く在籍し、非常にグローバルな印象があるが、グローバルゆえに海外法人の社長は現地生え抜きの社員が就任することが当たり前となってきており、日本が本社とはいえ、日本人が現地のCFOとして派遣されることは稀であるし、派遣される場合でもかなり経験を積んだ40代~50代の社員が派遣されるようだ。その点、商社については若いうちに海外を経験させておこうという風潮がいまだに強い。個人的には現地のCFOは現地の生え抜きが行うべきであるとは思うが、自分の一個人としてのキャリアを考えた場合には若いうちに海外にいけるということは魅力的である。

 S社においては、主計部に配属された。一日目からいきなり残業し、その後終電まで飲みに行くことになったことにはさすがに驚いているが、今のところ、新生活は刺激が多くて楽しい。新卒の時とは違い、気持にも余裕があるから、この状況を楽しむことができている。今日、課長とここ数年でのキャリアプランの面談があったが、その時にも「どっしり構えてるな!」と言っていただいた。取りようによっては、入ったばかりなのにずうずうしいな、というようなニュアンスにもとれる場面だったが、持ち前のポジティブシンキングでいい方向に捉えることにした。みなさん、元気ですか。ぼくはなんとかやっていけそうです。

 この転職が成功だったのか失敗だったのか、それはまだわからない。数年後にはじめて分かることだろうと思う。けれど、転職したいと思いながら働いたあの日々から抜け出し、大学院で将来ビジネスパートナーになりうる友人を得て、いま新たなフィールドで仕事ができていること、この過程については成功したと思っているし、自分を褒めてやりたいと思っている。

確かに転職は人生の一大事だと思う。でも一方で転職だけで人生が大きく変わるとも思わない。
大学一年のとき、心理学の授業を履修した。その講義のなかで、今でもはっきりと覚えているが、その人が生まれてからどういった人間に成長していくかについては、大きく二つの要因の掛け算であると言っていた。一つは周りの環境。もう一つはその人の質だ。この要因で説明するならば、転職は周りの環境を変えることでしかない。環境を変えたところで、その人の質のいかんによっては、環境が変わっても成長するとは限らないし、周りから評価されるとも限らない。自分が評価されないのはこの職場のせいだ!なんて思って転職する人が、次の転職先でも往々に評価されないのは、まさにこれだ。ちなみにここでいう人間の質とは先天的なものも後天的なものの両方が含まれる。
つまり、僕らにできる事は与えられた先天的な資質をどうやって活かして、何を後天的に育てていくか、その時に自分の成長にあった適切なフィールドを選ぶ、ということなのだろう。

もう転職なんてしない。なんて言わないよ、絶対。
面接でも一度もそういったニュアンスで話さないようにしたつもりだ。きっと辛抱できない若者である自分はこれからも自分の成長にあわないと感じたフィールドからは、交代を告げられる前に自分から去ってしまうだろう。けれども、その時に温かい拍手で見送られるのか、はたまたブーイングをあびるのかは、そのフィールドを去るか去らないかということじゃなくて、そのフィールドで何を残したかにかかっているのだと思うのだ。だから、僕はこの新境地で与えられた仕事を全力でする。それでダメなら仕方ないじゃない。

最後に。この転職活動をしている間に好きな歌ができました。その歌詞を紹介して、さよならにします。ありがとう。

『さよならCOLOR』
作詞:永積 タカシ 
作曲:永積 タカシ

そこから旅立つことは
とても力がいるよ
波風立てられること
嫌う人ばかりで

でも 君はそれでいいの?
楽がしたかっただけなの?
僕を騙していいけど
自分はもう 騙さないで

サヨナラから 始まることが
たくさん あるんだよ
ほんとのことが 見えてるなら
その思いを 僕に見せて

自分を貫く事は
とても勇気がいるよ
誰も一人ぼっちには
なりたくはないから

でも 君はそれでいいの?
夢の続きはどうしたの?
僕を忘れてもいいけど
自分はもう 離さないで

サヨナラから 始まることが
たくさん あるんだよ
ほんとのことが 見えてるなら
その思いを 捨てないで

サヨナラから 始まることが
たくさん あるんだよ
ほんとのことは 見えてるんだろう
その思いよ 消えないで
その思いを 僕に見せて


おしまい

2011年、転職活動記は以下6記事となります。他も読んでいただけるとありがたいです。
2011年12月21日:事のはじまり
2012年1月19日:楽しいこととすべきことは少しずれたとこにある
2012年1月24日:誰がダルビッシュを笑えるだろうか
2012年2月5日:若者はなぜ3年で辞めるのか
2012年2月23日:決断のとき
2012年4月6日:終わりと始まり(←本記事)


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