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花巻の2つの名物“照井だんご”は宮沢賢治ゆかりの地


JR花巻駅から歩いて5分程度。
よくある田舎のさびれた商店街の一角に、
一層さびれた雰囲気のお店があります。

それが「照井菓子店」です。

飾り気のない店構えで、なかには無機質なガラスケースがあり、
素朴な風合いのお団子が並んでいます。

名物“経木まんじゅう”“お茶もち”は絶品です。

そして「あの名作」のモデルの地でもあります。


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【名物“経木だんご”と“お茶もち”をぜひご賞味あれ】


 市民は幼少の頃より食べてきたであろう経木だんご。
「きょうぎ」ではなく「つけき」と読むようです。
木の皮で出来た経木の上に3つのお団子が乗っています。

「ひとつつまんでパクリ・・・」

と行きたいところですが注意してください。
柔らかいお団子の中には黒蜜がたっぷり入っていて
つまんでひっぱってしまうと生地が裂けて
黒蜜があふれてしまい大惨事になります。

経木ごと口元に運んで直接ガブリといただきましょう。

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お茶もちは素朴な味わいの串にささった団子
クルミとしょうゆで甘じょっぱく仕上がっているお味です。

私はこのお茶もちがナンバーワンだと思います。
めちゃくちゃ好きです。

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【愛のある注意書きが魅力的】

店内はがらんとしています。
ケースも無機質なガラスケース。
そのガラスケースの端に目を置くと手書きの張り紙が。


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生地の特性なのでしょうか、
やはり生菓子なので日をまたいでしまうと
おいしくない(本当にぼそぼそになります)

ご主人の「何としてもおいしい状態で食べてほしい」という優しさと
情熱が伝わってきます。
実に味のある張り紙ですね。



【団子だけじゃない「銀河鉄道の夜」の聖地】


お店の前には石碑が。

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そうここ照井菓子店は宮沢賢治を代表する作品
「心象スケッチ 春と修羅」を印刷した印刷所跡地なんです。

賢治自身もその印刷作業に自ら加わっていたといい、
その経験があの銀河鉄道の夜にも出てきます。

2章で主人公ジョバンニが学校の帰り道に立ち寄るバイト先「活版所」
その活版所がこの照井だんごが建っているこの場所なのです。

「家へは帰らずジョバンニが町を三つ曲がってある大きな活版処に入って・・・」


昔、花巻城があった場所に賢治の通っていた学校があり、
城の特性上敵が攻め込みにくいように変に曲がった道になっていて
実際に3回曲がるようになっています。

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【団子も名所も2度おいしい意外な見どころ】


かなり地元に密着した場所にあり、
ここを訪れる賢治ファンはかなりコアな方々ではないでしょうか。

  観光客に媚を売らない武骨なスタイルで売り続けている照井だんご。
ただ武骨なのではなく、ご主人も奥様もさわやかな挨拶と物腰やわらかい応対が印象的でした。

 ご高齢なのでいつまでも元気に、花巻の名物として親しまれていただきたいですね。

照井菓子店
住所 岩手県花巻市大通2丁目7-6
TEL 0198-23-3849
営業時間 8:00~(売り切れで終了 
駐車場 お店の隣に数台分あり
定休日 火曜日

希望者全員にかぼすステッカーを無料で差し上げます。大変ご利益のあるステッカーとして有名です。