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【I-038】「24年間」って長い?短い?

 私は1969年(昭和44年)生まれです。
自分が小さい頃は、毎年8月になると戦争関連の番組がテレビでも数多く放送されていました。それは、戦争を題材にした映画や、当時を振り返るドキュメンタリー番組でした。
 例えば映画は、山本五十六などの人物を描いたもの、連合艦隊、零戦といった兵器を軸に描いたもの、「ガラスのうさぎ」や「はだしのゲン」といった一般市民の戦争下での暮らしを描いたものと幅広くありました。こういった作品が、毎年8月になると地上波で繰り返し放送されていました。ドキュメンタリーも戦地での過酷な体験を語るもの、原爆被害の悲惨さや空襲の惨さを語るものと、子供にはどれも「重い」ものでした。
 しかし、当時(小学5~6年くらい)は、あえて観ていました。
重たい気分になるとわかりながらも、それ以上に興味があったのでしょう。ドキュメンタリー番組で引用される当時の写真や映像は、全てモノクロだったことが「昔のこと」という感覚に大きく影響していたと思います。
ふとこんなことを思う度に「24年間」という時間を意識します。
日本が戦争に負けたのが、昭和20年8月です。私が生まれたのが、その24年後の昭和44年です。この昭和20年から44年に至る「24年間」という時間を、自分の人生の中の別の「24年間」と比較すると、結構あっという間という感覚なのです。
これを書いている2021年9月から遡ること24年前って、どうであったかと思い出すと、一層不思議な感覚になります。2021年から24年前は、1997年です。この年のことは良く覚えています。

 私は、新卒で玩具メーカーに入社しました。1993年の4月です。すぐに仙台の営業所に配属となりました。そこで勤務すること丸4年。1997年の4月から本社のマーケティング部門に異動になりました。同じ年の9月に家内と知り合い、付き合い始めます。1997年は、自分の中でも節目の感覚が大きく、今でも鮮明に思い出すことが出来ますし、つい昨日のような感覚でもあります。
阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件は、1995年なので、これらはすでに24年以上前の出来事なのです。

 戦争体験者も同じような時間の感覚なのでしょうか。敗戦からの24年間は、日本が劇的に変わった時代でもあります。戦後復興からの高度経済成長、そして東京オリンピック(1964年)。街並みも人々の生活も豊かになっていきました。振り返ると、きっとあっという間という感覚なのではないでしょうか。
 2011年の東日本大震災からも10年が経ちました。この「10年間」は、まさにあっという間でした。寒空の下、延々と歩いて帰宅したことも、月並みな表現ですが、まさに昨日のことのようです。

「24年間」。

 この数字は、敗戦から私が生まれるまでの期間です。たまたま、そんな理由で色々と思いを巡らせたに過ぎません。こんなことをあれこれと考えることが出来るのも人間の面白い部分かもしれません。
 これを読んでいただいている方も是非「時間」を意識して、あれこれと思い巡らせてみてはいかがでしょうか?


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