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【もと会社役員に聞く】副業ライターって実際どう思いますか?

もとローム役員の山葉さんに、副業ライターへの考えをインタビューしました。

山葉さんのご経歴

山葉さんは半導体エンジニアとしてキャリアをスタートし、ヤマハ、ローム浜松、ローム※本社を経て、49歳でロームの常務取締役に就任。超円高の影響で退任後も半導体関連会社の取締役を数社務めていらっしゃいました。

「働ける内は働きたい」を自ら実践するために2022年62歳で独立し、現在は64歳。
経営支援アドバイザーおよび大学の特任教授・客員教授としてご活躍。日本の半導体産業復活に向けたプロジェクトにも参画しています。

人生100年時代に向けて、キャリアやシニアの働き方についてのご講演などもされていらっしゃいます。
2023年には「誰とでもどこででも働ける最強の仕事術」という書籍も出版し、好評発売中です。

※ロームは1958年創業の半導体メーカー。東京証券取引所 プライム市場に上場しており、従業員数は連結で約23,000人。自動車や産業機器、情報通信機器など幅広い分野に製品を供給。高い技術力と世界展開を実現しているメーカーです。

ローム株式会社 - ROHM Semiconductor

山葉さんと私はXで知り合い、同じ静岡県出身、製造業勤務、以前かなり近所に住んでいたなど共通点が多く、今回お話を聞かせていただく機会を持ちました。

会社役員時代は副業について懐疑的だったという山葉さん。
Xでの発信を通じてどのように考えが変わったのか?などをお聞きしました。
私自身副業ライターとして、会社に副業申請を受理されてWebライターをしています。受理はしてもらっているものの、経営層からどう見えるものなのかは気になる日々。そんな私の疑問に答えていただきました。

もと会社役員の方に副業についての本音を聞ける機会はなかなかありませんよね。ぜひ最後までお読みください!


2018年の副業解禁、経営層の反応は?

--国策として副業解禁が話題となったのは2018年です。その頃山葉さんは会社役員でいらっしゃいましたよね。社内の反応はどうでしたか?

(山葉さん)正直会社で話題になったことはありませんでした。管理部門などは動いていたのでしょうが、自分を含めた周囲の経営層たちも興味を持っていなかったというのが実情です。内心では、副業をする時間があるなら本業の仕事の深掘りや知識を深めるべきだと考えていました。

と言うのも、私がいた会社はどれも歴史の長い製造業で、一社に定年まで勤めるのが当たり前でした。そこで経営層にまでなる人はやはり余暇も仕事に充ててきた人が多いです。「自分がそうやってきたんだから」という思いはどうしてもあります。
でも今思えばそうやって余暇も仕事をしてきた人達だから、経営層にまでなってるんでしょうけどね。

独立後のお考えは?

--その後山葉さんは、役員の座を自ら退いて62歳で独立。書籍の出版後はXで働き方やキャリアについての投稿を積極的にされていますよね。
そして私のような一介のライターとも気さくに話してくださる(笑)
このきっかけは何でしょうか?

(山葉さん)Xなどで色んな方と交流していく中で、副業を単純な副収入ではなく『スキルアップ』だととらえている人が多いのだと知りました。
会社員を辞めて独立する前に副業で事業を試したり、かばたさんのように育児で本業に時間的制約がある人がスキルアップを目指すという側面があるのだと。
時代が変わって働き方も多様化していきていますので、副業にも色々な側面があるのだと知って見方が変わってきました。

--ありがとうございます!山葉さんは自身が独立され、オンラインを通じて会社以外の方々と関わることが増えたのでそう思ってくださるようになったんですね。そうは言っても、今会社にいらっしゃる経営層の方々は副業についてどう考えていると思いますか?

(山葉さん)独立前の私と同じように思っている人が多いと思いますよ。
私の肌感覚ですが、50代以上でSNSをやってる人は本当に少ないです。
閲覧だけの人はいるかもしれませんが、発信してる人はほとんどいないんじゃないかな。
Xでは副業してる人が本当に多いように感じるけど、実社会で出会うことありませんよね?そういう世界ですから、会社の経営層で副業=スキルアップなんて思う人はほとんどいないです。

そういう意味でも、副業をするからには会社から要求されるレベルはきちんとクリアするべきだと思います。他の同僚たちと比較して明らかに求めるレベルに達していない、明らかにモチベーションが低いといった場合には、副業より転職を考えたほうがいいと個人的には思います。
とは言え本人の自由なので、副業申請があれば受理しないわけにはいかないんですけどね。

--確かに他の同僚と明らかに差がある部下に副業申請されても、上司としては不受理にはできないものの困ってしまいますよね。上司にも本音と建て前があることは意識したいところ。自分としては身が引き締まる思いです。

人生100年時代を見据えたキャリアへの考え方とは?

---先程転職の話も出ました。山葉さんは著書の中でも、辞めるつもりがない人にも転職サイトへの登録を勧めていますよね。

(山葉さん)転職を考えていない会社員でも自分の市場価値を意識することは非常に重要だと思います。
会社員時代には直属の部下にも勧めていました(笑)
やはり会社員だとキャリアのたな卸しをする機会も外の世界を知る機会も少ないんですよね。
転職サイトに登録するために職務経歴書を書けばキャリアのたな卸しになりますし、自分に届く求人情報を見て自分の何が評価や期待される部分なのか知るのはとても重要だと思います。

60歳や65歳で定年を迎えても、その後5年10年と働く時代になってきています。若いうちから自分の市場価値を意識して、上げる努力をしていった方がいいと思います。

--人生100年時代。会社員でも常に自分の市場価値を意識しないといけませんね。

副業する人に求めたいものは?

--最後に『こういった人の副業であれば応援できる』などがあれば教えていただけますか?

(山葉さん)先程も話した通り、スキルアップのための副業であれば応援できると思いますよ。
例えば、かばたさんの副業の執筆経験が知識やライティングスキルとして会社でも活かせるのも良い事例だと思います。
他にも、会社員時代に「自分はいずれ起業する」と社長に宣言して週4勤務をしている後輩がいました。彼は自分の起業のために転職やMBA取得などもしていて、自分の目標に向かって非常に一生懸命でした。そういった『人として応援できる』態度なら、心から応援できますよね。

--本日はありがとうございました!

■山葉さんの書籍のご紹介

『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術』では、生産性を高め、どこでも通用するスキルを身につけるための具体的な方法が紹介されています。
これからの時代に必要な働き方を学び、自身のキャリアを自己主導で築くための一冊です。もと開発エンジニアの実経験に基づく貴重な情報が多く、会社員の方はもちろん、フリーランスの方も参考になる内容です!

インタビューを終えて

山葉さんはとても優しく気さくな方でした。
私個人の意見にもきちんと耳を傾けてくださって、どんな質問にも親切に答えてくださいました。
このような人生の大先輩と話ができる機会が持てたのは、自分なりにキャリアについて考えてたり、行動してきた結果だと感じます。
人生、行動あるのみ!ですね。

副業を始める理由は人それぞれ。スキルアップという前向きな理由でない方もいらっしゃるかもしれません。それでも『自分自身を客観視』したり、『キャリア』や『スキルアップ』への意識の重要性は同じだと思いました。
本記事がどなたかの参考になれば幸いです。

最後に、山葉さんとは今度はXのスペースでお話しする予定です!
こんな話が聞きたいなどコメント欄にいただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

山葉さんのX:山葉隆久_最強の仕事術 著者 (@YAMAHA_Takahisa) / X (twitter.com)
山葉さんのHP:山葉 隆久 (Yamaha Takahisa, Ph.D.) | Yamaha Labo 代表

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