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#53.ごあいさつ

 転職先での研修期間を終えて、地元に戻った僕はリワークのみんなと連絡を取り、久々に顔を合わせることにしました。

 以前はみんなリワーク仲間だったけれど、既に復帰された方も多く、今は社会、そして自身の特性と戦う仲間たち。大変なことも沢山あって、無理せず乗り切って行きましょうなんて話をして。

 尾長先生とはあれ以降、残念ながらお会い出来ていまないけれど……またどこかで会えたなら、元気でやっている姿を報告したい気持ちはみんなの共通目標に思えました。

 新しい職場で働く毎日も、気が付けば3年を超えて。

 いつしか世界はコロナ禍となり、現在はほぼ在宅ワークな毎日です。生活リズムが乱れないように朝早く起きて、筋トレやジョギングも始めてみました。2度と入院するまいという考えと、あと身体を動かした方が精神的にも良い感じがして。

 あとはこんな感じで文章をあばばって書いたりしながら、おかげ様で体調もボチボチ。なんとか日々を過ごしております。

 改めまして、時折カバネと申します。

 以前から憧れのあった『後書き』にチャレンジしてみたい! というわけで、ここに書き記す最後の休職復職転職日記。もう少しだけお付き合いいただけますと幸いです。

 ここまで書いた、成功談というよりは失敗談。皆さんに精神的病理や障害への理解を深めてもらおう、なんて大それたものでもありません。精神疾患が話題の主軸にはなりましたが、本当にただのイチ体験談です。

 本当はもっと書きたいことも、書けなかった話題も沢山あるけれど、まずは一区切り。文庫1冊分のサイズで、このお話を閉じたいと思います。

 ◇

 言葉とは本当に不便なもので、想いを伝えるには技術が必要で、それに経験も大事だし、取捨選択も大切になる。それでも伝えることは難しく、やっぱり不便なものと思います。けれど敢えて、言葉にしたい気持ちもあって。

 ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。

 題材が題材だけに、なるべく暗くならないよう、明るく、読み物として面白く書くことを目指したので、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

 この作品を書いて、僕自身が気付いたことも沢山ありました。
 例えばダウンした頃のはなし。辛い記憶ではあるのだけれど、忘れてはいけない出来事。こうしてアウトプットすることで、かなり客観的に振り返る機会を得たように思います。

 例えばリワークでの取り組み。まだそんなに時間が経っていないのに、忘れていることが結構多かったの。当時の資料やメモを改めて漁り、思い出すことが沢山ありました。

 そして、僕がどれだけ周囲に助けられてきたのかというはなし。
 読み返してみると、1人の人間がジタバタ足掻き、ただひたすら周囲に助けられ、手を差し伸べて貰い、助けられ、歩いていく話にさえ思えました。これだけ沢山の人に支えて貰っていたのかと、改めて感じた次第です。

 フィクションである小説とは違い、僕はこれからも生きて行きます。例え死にたくなったとしても。まだまだ大変なこともあるだろうし、もうダメだと思う出来事もあるでしょう。けれど例え転んだとしても、今度はもっと上手く転びたい。そんな気持ちでいます。

 またどこかでお会い出来たなら『お久しぶりです、今も元気でやっています』と僕も言えるよう、日々を過ごして行けるように。

 皆さんもどうぞ、僕のような無理をなさらず、ときには休んだり座ったりして、どうかお元気で。
 ありがとうございました。


おわり

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