これからの MADE IN JAPAN。

レグナテックとして、海外輸出を始めて6年目になりました。おかげさまで現在は、10カ国と取引をさせていただいています。その中で、現状ぶつかっている課題と、MADE IN JAPANの価値について考えたことを書きます。


情報は世界中どこにいても一瞬で届けることができるが、モノはそうはいかない。


インターネットやSNSのおかげで、今や世界のどこにいても情報を得る、また情報を発信できる世の中になりました。みなさん揃って、世界は小さくなっている!とおっしゃってます。実際僕らも、シンガポールやストックホルムで家具の展示会に参加したり、個展を開催したりしながら、ブランドの認知を高める活動をしています。

そのおかげで、弊社が展開するARIAKEコレクションは、国内の家具ブランドの中でも1、2位を争う、インスタグラムのフォロワー数を誇ります。国内よりも海外での認知を高める施策をとってきたので、フォロワーも海外の方が多いです。

どこで買えますか?とか、どこで見れますか?と海外からの問い合わせが増え、ヨーロッパやアメリカで代理店として展開してくれるインテリショップもでてきました。

しかし、お客様がほしい!購入します!と言っても、アメリカやヨーロッパへは、受注からお客様の手に届くまで最短でも4ヶ月。長くて半年ほどかかります。なぜなら、すべての商品を佐賀県にある工場で作っているからです。

できる限り、フラットパック仕様にしているとはいえ、家具は大きいので、エア便で飛ばすと運賃もかなり高額になります。


そこでふと疑問に感じたのが、日本のブランドだからといって、日本で製造する必要はあるのか?ということでした。


家具を製造する会社として、今までは

 "MADE IN JAPAN"

 いわゆる「日本製」を強みとして、品質の高さを海外にアピールしていました。確かに一定の評価は得ていますし、海外の方も日本製の良さは理解してくれています。


しかし、コロナの影響もありますが、それ以前より、アメリカのトランプ大統領のアメリカ・ファーストやイギリスのEU離脱など、反グローバリズムの動きも出てきました。


そんな動きの中で今まで当たり前だと思ってきた、僕らが「日本製」を強みにしていることへの疑問が湧いてきました。


せっかく欲しい!購入したい!と言ってくれているお客様を半年も待たせるのはいかがなものか。中には、納期が長すぎて失注につながるケースも多々あります。特にホテルなどのプロジェクト案件は、オープンが決まっているのでなおさらです。


”日本製=良いもの” という評価と、それが購入につながるかどうかは全く別に考える必要があると思います。


そんな疑問にぶつかって依頼、こんなことを考え始めました。

ブランドとしてのルーツは日本にあり、立ち上げや商品開発は日本で行う。そんな日本発のブランドをSNSなどで発信し、世界での認知を獲得、ファンを増やす。

しかし、製造はアメリカやヨーロッパなど現地で行う。そうすることによって情報は日本から世界へ発信し続けることができるので、ブランドとしてブレることがないし、商品はお客様の元へすぐ届けることができる。そしてなにより、自国の工場で製造されたものとなると、先進国では特に付加価値が高まるのではないか。と。

また、このような世界的なパンデミックの状況下では国をまたいでの物流も止まってしまいます。さらに今後は、各国のロックダウンの決断も早くなっていくかもしれません。。。

そうなると、やっぱり現地で作り、現地で消費するというモデルが必要です。


これからの将来を考えても、日本のブランドだからといって必ず日本で作る必要があるかというと、そうではない気がします。当然、今の世界においての ”MADE IN JAPAN" の地位を確立されたのは、諸先輩方のおかげなのですが、そこに縛られて思考停止していては、これからの時代は生き残ってはいけないでしょう。


僕らみたいな小さな会社は、視野を広く、柔軟な考え方で日本のブランドを世界で展開できるように挑戦していく必要があると思います。


まずは、日本から一番遠いヨーロッパからですね。現地の工場と連携して、本物のグローバルブランドを目指します。



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