見出し画像

「朝食」って響きが、大好きでした。

「あなたのことが、ずっと大好きでした」

これはもう、長い間うちに秘めていたひそかな恋心を打ち明けるとき用の
常套句でしか使わないような台詞なのかもしれません。
私にとっては『朝食』という二文字、
そのキーワードに対してこう言いたい。

「大好き、でした。」と。

ただ、愛の告白と異なるのは、その恋心はもう「過去の想い」だということ。
今はもう「大好き」とは言えなくなってしまった。

なぜなら「朝食」を食べるという習慣を絶ってしまったから。
健康を理由に。
シンプルにそれだけの理由ではあるが、
自分にとってはそれはかなりの決断でした。

「好きだけど、もう一緒にいられない。」
長年愛して止まなかった想いを自分の意思で絶つというのは
なんとも言えない切ない気持ちがすぐには消えないものです。


思えばずっと「朝食」を追い続けた20年だった

私は大学卒業後、カフェ開業に憧れて勉強のためにとカフェを経営していた会社に入社します。
私の地元愛知は、言わずと知れた「モーニング喫茶店文化」発祥の地で
働いてたカフェもご多聞に漏れず、朝はモーニングサービスで大盛況。

挽き立ての豆で淹れた香り高い珈琲
贅沢に厚切りカットしたふわふわ焼きたてのバタートースト
彩り豊かな新鮮野菜たっぷりのサラダに茹で卵、ソーセージ、ベーコン
朝食べるといかにも健康的になれそうなヨーグルトにはブルーベリーのジャムを添えて。
朝の明るい爽やかな雰囲気の中で過ごす豊かな食と豊かな時間。

そんな豊かさの象徴を求め、老若男女のお客様が毎日絶えずやってきては、週末ともなると入店待ちのお客様で外まで溢れかえるほどでした。

もともとカフェ巡りが好きだった私は、調査半分、趣味半分の目的で行ける限りのカフェや喫茶店のモーニングを利用するのがずっとライフワークでした。



その次、転職をしたところが「ハワイアンレストラン」
ここの業態で働いてみたいと決め手になったのがここの業態コンセプト。

それは「ALL DAY BREAKFAST!!」(朝も昼も夜も最高の朝食を!)

ちょっと意訳してますが、そんなテンションだったと記憶してます。


一番商品は「パンケーキ&ホイップクリーム」でお皿いっぱいに並べた焼きたてのパンケーキにたーーっぷりの生クリームとフルーツを乗っけたよくあるアレです。

他にも、スクランブルエッグ&ミート、エッグベネディクト、オムレツ、フレンチトースト、ワッフルといったいわゆる「アメリカンブレックファスト」のど真ん中!ってメニューがずらりと揃っていて、それらを食べに実に多くのお客様が朝も昼も夜も、開業のピーク時は途切れることなくやってきたものでした。

このくらいには私は確信していました。

「みんな美味しい朝食で、豊かな時間を過ごすのがほんとに大好きなんだな」と。


まず初めは日本の喫茶文化である「モーニングサービス」を極め、
憧れの「アメリカンブレックファスト」をすべて習得したあと、
私の中で勝手にですが、徐々に「朝食マスター」の称号を手に入れつつあった
私の次なる転職先は
「ホテルレストラン」でした。


「朝食のKing of the Kings!」

私にとって朝食の中の朝食といったらホテルの「朝食ビュッフェ」でした。

あの独特なホテルレストランのおしゃれで贅沢な雰囲気の中
和・洋問わず数ある料理から好きなものを好きなだけ食べられる
なんとも心豊かなひとときを提供してくれる、
それがホテルの朝食ビュッフェ。

なんとなくふと想像しただけで、いい香りが漂ってきそうで、
どこかキラキラと輝いてるイメージが沸いてくるのは私だけでしょうか。

そんな素敵な場所で、
素晴らしい朝食ビュッフェを毎日お届けできる仕事ができていることに
私はどこか誇らしくさえもありました。


脱「朝食」習慣のはじまり

①16時間プチ断食(オートファジー)習慣の採用
②徹底的な糖質管理(白い食べ物は原則食べない)

①16時間プチ断食(オートファジー)習慣の採用

「朝食」大好き人間だったわたしが
カフェのモーニングや卵かけごはんや
焼きたての厚切りトーストを食べるのを自粛するようになったのは、
ちょうどこの「オートファジー」というワードをYoutubeなどでよく見かけるようになったくらいの頃でした。

とにかく寝る4時間前には夕食を済ませる。
そこから16時間空腹の時間を設けることで人間本来の腸の機能を取り戻すことができるのだという。
夕食は我が家は18時頃なので、遅くても19時には食べ終える。
となると、そこから睡眠時間を含めて16時間食べない時間を作るとしたら、
朝食は取らずに午前11時以降にランチをとればこのオートファジーを発動可能な新習慣を手に入れることができる。

「よし、これをやってみよう。」

健康的な習慣を手に入れるためなら全てやってやろう、という覚悟だったので
ランチ、夜ご飯は良質な栄養摂取のため外せないと考えた結果、
「朝食」は脱落した。

そもそも、日本人は古来から昼、夜の二食というのがDNAとして刻まれているのだと、わたしは勝手に信じるようになっていた。
昼も夜も食べるくせに、朝ごはんも糖質中心の食事を摂取するっていうのはエネルギーの過剰摂取に他ならないのだと。

もう、この時点でかつてわたしが過去、張り切って「モーニングサービス」やら「朝からのモリモリ生クリームのパンケーキ」で商売していたわたしの罪は相当な重責を犯していたと言わざるをえません。。汗

わたしはまんまと国の「朝食啓蒙キャンペーン」の片棒を担がされていたんだという勝手な罪悪感に一時苛まれておりました。
(今はもう、食べる食べないは人それぞれの自由だし、いろんなライフスタイルがあっていいよね!というニュートラルな気持ちに落ち着いております)


②徹底的な糖質管理(白い食べ物は原則食べない)

先ほども少し触れましたが、
「朝食」といえば、トースト、クロワッサン、パンケーキといった小麦粉を主として使ったもの、卵かけごはんや納豆ごはんのような和食が主な主役。
外で朝食を食べるなら必ずと言っていいほど、この辺りが登場しますが、これらの食品は特に血糖値の急激な上昇要因となるため、特に空腹時からの摂取は控えるというのがわたしの中の原則ルールになっています。

つまり、家ではもちろん、朝から外食してカフェでモーニング!みたいなことは一切しなくなりました。

今まではカフェでモーニング♪という豊かな時間が好きだったんですが、今は大好きなお気に入りのコーヒー販売店で購入したコーヒーを淹れて、ナッツと共に楽しむ、という行為を朝の楽しみとして新しい習慣に組み込むようになりました。
(オートファジー中、コーヒーと少量のナッツはOKとされてます)


40歳を過ぎてからようやく健康について真面目に考えるようになりました。

この1年半の間、飲食業は苦境に立たされることになりましたが、
同時にその存在する価値や意義について改めて考えるようにもなりました。

「朝食」という食事の「機能面」だけでなく、
「心の豊かさ」を届けるという価値は仕事を通じて提供できたのかなと、
そうした社会貢献はその頃のじぶんなりにできたのではないかと思います。

今でも「朝食」という響きは心躍るようなワクワクした気持ちが呼び起こされますし、現在も現役で「朝食」を届ける仕事をさせてもらっています。

ただ、個人として「朝食」の質にこだわるようになった今、できるだけ良質な食事をお届けしたいと考えるように価値観が少し変わってきました。

「食」というのは「人」を「良くする」と書きます。

こころとからだにとって良いものであるべきなんです。

だからこそ、正しい知識と情報を汲み取り続ける努力は必要だと考えています。
まだまだ道半ばではありますが、
そうした取り組みをライフワークとして位置づけて
この場でまた発信していきたい。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?